通いたくなるお店って? 会いたくなる店主と、美味しい料理。おひとりさまからデート使いもできる、東京のおすすめビストロ3軒。 FOOD 2018.08.29

背伸びせず、肩肘張らず、美味しいビストロでご飯が食べたい。料理に愛情を注ぐ店主とその料理は、心まで温かにしてくれること間違いなし。大切な人とのカジュアルなデートにもおすすめの名店です。

1.自家製ソーセージとあつあつのポトフ。〈ビストロキッチン ルポン〉/西荻窪

地下ながら開放的な店内。
地下ながら開放的な店内。

吉祥寺のイタリアン〈東京基地〉でキャリアをスタートした鈴木秀輔さんは、恵比寿のおでん店〈羽重〉で料理チーフを務めた後、新宿〈mosh kitchen〉でソーセージづくりを修業。独立を決意した時に浮かんだのが、上京して初めて住んだ西荻窪。それまで30年以上スナックとして営業していたスペースをリノベーションし、広々とした空間に。これまでの経験を盛り込んだカジュアルなビストロをオープン。

スペシャリテは、店内で作る自家製ソーセージを使った「ごろごろ野菜のポトフ」880円
スペシャリテは、店内で作る自家製ソーセージを使った「ごろごろ野菜のポトフ」880円

スペシャリテは、店内で作る自家製ソーセージを使ったポトフ。ジャガイモを混ぜたボリューミーなソーセージと、洋風ダシの染みた野菜にほっこり。ドリンク担当には、鈴木さんと同じく〈東京基地〉出身の倉松丈二さんを迎えた。フルーツや野菜を漬けた自家製ビネガーで作る「ルポン酢サワー」が名物。

(Hanako1129号P87掲載/phot:MEGUMI(DOUBLE ONE) text:Kahoko Nishimura)

2.心地よい時間が流れる、小さなレストランへ。〈レストラン コワン〉/三鷹

DMA-LeCOIN-007

木の看板を立てかけた飾り気のない店構えのこちらは、常に落ち着いたにぎわいが店内を満たす。フランス料理を知りたい一途な思いで日本を飛び出し、フランスやスイスで5年間を過ごしたシェフの久保田歩さん。帰国後、都内の名店で経験を積みこの店を開いた。「フレンチと洋食の共通点を見出し、なじみのある味に仕上げています」。

DMA-LeCOIN-045
「オングレステーキ」(牛サガリ)じゃがいもグラタン添え2,000円
「オングレステーキ」(牛サガリ)じゃがいもグラタン添え2,000円

シンプルに焼き上げたステーキには相性のいいジャガイモのグラタンを添え、季節の野菜を盛り込んだクリュディテはひかえめな味つけながら、たっぷりと野菜を食べた満足感がある皿に。ふらりと寄れる気軽さがありつつ、メニューに並ぶのは手間をかけて丁寧に作られる料理のみ。

オングレステーキ(牛サガリ)じゃがいもグラタン添え2,000円。クリュディテ(野菜の盛り合わせ) 1,000円。ワインはグラス 500円〜、ボトル1/4や1/2 も注文可。(全て税込)ランチは、その日の料理(ドリンク付き)900円〜。

(Hanako1129号P89掲載/photo:Kayoko Aoki text:Yumiko Ikeda)

3.ガストロノミックな料理が一品からでもOKの気軽さ!〈Dʼêtraison〉/自由が丘

Dʼêtraison

今年4月にオープンした〈Dʼêtraison〉があるのは、駅周辺の喧騒から少し離れた坂の上。車も人も常に行き交うバス通りに面しているが、半年近く経って存在を知った近所の人もいるほど、さりげないたたずまい。「じわじわと時間をかけて、街になじんでいけたらいいですね」。すぐ隣の町で生まれ育ったオーナーシェフ・三田幸輔さんにとって、自由が丘は勝手知ったる土地。駅のそばではない場所を選んだのは、少しの間でも人混みから解放される時間を過ごしてもらいたくて。何よりも、1人用のメニューブックを用意していることこそ、「気兼ねなく1人でも食事をしてほしい」という、シェフの思いの表れだ。

Dʼêtraison

自身の店を構える以前は、乃木坂の〈レストランFEU〉、銀座の〈ベージュ東京〉など、名だたるフレンチを経て、青山の〈ランベリー ビス〉で初代シェフを務め、コスパのよさが評価されるミシュランのビブグルマンにも選ばれた。料理の腕前は言わずもがな。その上で、「かっちりとしているのは性に合わない。おいしいものを食べたいだけ食べられる店に」と、選んだスタイルだ。ガストロノミックな料理を1人で食べるというハードルを取り去り、さらにどのメニューも1人用ポーションがあるなんて願ったり叶ったり!

「本日のテリーヌ サンマ」(1,000円)
「本日のテリーヌ サンマ」(1,000円)

仏産のセップ茸やモンサンミッシェル産のムール貝など上質な食材を使いつつ、サンマの肝の苦みが秋の訪れを感じさせるテリーヌや、青海苔が風味よく香るリゾットなど、ほっとする味に出合えるのも、日本人なら気持ちが安らぐ要素。

「ムール貝のリゾット」(1,000円)
「ムール貝のリゾット」(1,000円)
「和牛ホホ肉のグリエ 粒マスタードソース」(1,700円)
「和牛ホホ肉のグリエ 粒マスタードソース」(1,700円)

ビストロに寄る気軽さで、レストランクラスの極上の美味に出合える店の登場は、自由が丘グルメに新たな流れを作るきっかけになるはず。居心地、使い勝手、コスパのよさを確かめに出かけてみてください。

(Hanako1143号掲載/photo : Kayoko Aoki, Michi Murakami text : Yukari Akiyama, Yumiko Ikeda)

Videos

Pick Up