すてきな器でおやつですよ。 人気お菓子屋〈foodmood〉のなかしましほさんが語る。おやつをすてきに彩る、器とお菓子の関係。 FOOD 2018.04.08

国立にあるお菓子屋さん〈foodmood〉の店主、なかしましほさんのお菓子をおいしく演出するすてきな器。その組み合わせのコツを、こっそり披露してくれました。器の可能性を知れば、おやつの楽しみはぐんと広がります。

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素朴でナチュラル、体に優しいおやつで女性たちの絶大な支持を集め、国立にあるお菓子屋さん〈foodmood〉の店主でもある、料理家のなかしましほさん。素材と向き合い丁寧に、少ない材料で手間暇かけて作り上げたお菓子はどこまでもしみじみ味わい深い。お菓子と組み合わせる器にも、なかしまさんならではのこだわりが。

【鹿児島 陸×シフォンサンド】

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お菓子と組み合わせる器にも、なかしまさんならではのこだわりが。「レシピ本の撮影時にお皿を自分で用意するときは、必ず手持ちのものを使います。借りてきたお皿に料理をのせると、仕上がったときにどこかよそ行きになってしまう。自分の料理じゃないみたいな気がして」。

こちらは、知り合って10年になるという作家、鹿児島 陸さんの大皿にシフォンサンドをのせて。「お菓子映えのする器です」という通り、器のブルーとシフォンに添えた苺ジャムのコントラストが鮮やか。

【ARABIA×レモンケーキ】&【Iittala×プリン】

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柄皿は料理と合わせるのは難しくても、お菓子と相性が良いことも多い。北欧のヴィンテージはお菓子に合うので、おやつ皿によく使っています。お菓子にデコレーションをしない分、器の模様が可愛く見せてくれるんです」

ARABIA×レモンケーキ(左):姉から「お菓子でものせて!」と譲り受けたヴィンテージ。「お皿自体もきれいだけれど、やっぱり何かのせて食べたいですよね」。全て絵柄が異なり、各々の表情の違いも魅力。

Iittala×プリン(右):「使い勝手が良すぎてついつい集めてしまうんです(笑)」というイッタラのティーマはお店や自宅で大活躍。エッジの立った白皿がカラメルたっぷりのプリンにぴったり。

【岡田直人×豆花】&【堀 仁憲×グラノーラ】

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出会いがあればそろいで入手し、店や自宅で日常的に使い込む。日々の暮らしに密接に寄り添うものだから、デザインはもちろん、使い勝手やお菓子との相性も重要な要素のひとつ。

岡田直人×豆花(左)、堀 仁憲×グラノーラ(右):豆花はカフェオレボウルに。グラノーラの器はイベント用に作ったオリジナル。「何にでも使えます!」。スプーンは〈さかの金工舎〉として金属でカトラリー・器・アクセサリーなどをひとつひとつ手作業で制作している、坂野友紀さんの作品。

【西本良太×アースケーキ】 &【Peter Ivyz(KOBO)×クッキー】&【坂野友紀×ラムチョコボール】

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「お菓子をのせるならなるべくミニマムに、小さめのお皿にぽんと置くだけの感じが好み。みんなでワッと食べたいときは、大きい器にのせて出しても楽しいと思う。」

西本良太×アースケーキ(左上)、Peter Ivyz(KOBO)×クッキー(右上)、坂野友紀×ラムチョコボール(下):アースケーキのカッティングボードは定番のもの。ガラスの器はミックスクッキー入れに。「質感がお気に入り」のコースターは小皿に。

【石田誠×チーズケーキ】

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器選びは、出会いと直感で。「デザインは基本的にシンプルなもの。それでたまに面白いものも選んでみたり」となかしまさん。個展に出かけて手に入れた器もあれば、地方を旅したときに見つけたものも。

こちらは、京都の雑貨屋で購入したという小皿。ベイクドチーズケーキと茶の同系色でまとめて温もりある雰囲気に。サイズ感もぴったり。

【井山三希子×抹茶ババロア】

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参考にしたい、なかしまさんの器使い。そのコツはというと……?「ケーキだからといって洋皿を使わなくてもいいし、和の器だからといって豆大福をのせなくたっていい。私は何でも合わせちゃう。豆皿や醬油皿にお菓子をのせてみるのも面白い。自由に組み合わせてみては?」

とっておきのお菓子と過ごす幸せなひとときに、お皿選びの楽しみも加えよう。

〈foodmood〉
■東京都国立市西2-19-2
■042-573-0244
■10:00~17:00/日月休

(Hanako1152号掲載:photo : Yoichi Nagano text : Etsuko Onodera edit : Kahoko Nishimura)

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