冷水希三子さんに聞いた、繰り返し作るいつものレシピ。素材のおいしさを余すことなく引き出した、美しくも優しい味。 FOOD 2022.12.05

「料理を好きになったきっかけ」を教えてくれた6人のプロたちに、「お仕事抜きで作る料理って、何ですか」と尋ね、レシピをお聞きしました。6人6様のマイレシピは、永久保存版のおいしさ。今回は冷水希三子さんから教わる、素材のおいしさを余すことなく引き出した、美しくも優しい味のレシピを紹介。11月28日(月)発売 1215号の「料理が好きになるレシピ85。」特集よりお届けします。

1.自分のための簡単レシピ「ステーキプレート」「青菜のパスタ」

「レシピ作りの試食が続いたあとや、心身に疲れを感じた時は、ひとつのフライパン、ひとつの鍋でOKのラクチン料理が定番です」
麺の茹で上がりに青菜を入れ、ザルを使わずに盛り付ける釡揚げパスタと、塩をして焼くだけのシンプルステーキ。野菜を合わせてバランスも◎。

●ステーキプレート
〈材料〉1人分
牛赤身ステーキ用…1枚
野菜…好みのもの
塩…適量
ビネガー…適量
EXVオリーブオイル…適量

〈作り方〉
1. 牛肉は塩をふって、オリーブオイルをひいたフライパンで、カブなどを半分に切ったものと一緒にレアに焼く。
2. 器にステーキ、焼き野菜を盛り付け、生野菜をビネガー、オリーブオイルで和えたものを盛り合わせる。

POINT:冷蔵庫から出して塩をしたらフライパンへ。神経質にならずに扱いやすいのが牛肉。
POINT:冷蔵庫から出して塩をしたらフライパンへ。神経質にならずに扱いやすいのが牛肉。

●青菜のパスタ
〈材料〉1人分
カブの葉や小松菜…2株
パスタ…80g
EXVオリーブオイル…適量
塩…適量
パルミジャーノレジャーノ…適量

〈作り方〉
1. 鍋にたっぷりの水と、0.8〜1%の塩を入れて沸かし、パスタを袋の表示時間通りに茹でる。茹で上がる30秒前に5cmの長さに切った青菜を加え一緒に皿にあける。
2. オリーブオイルとパルミジャーノレジャーノをふりかける。

POINT:パスタの茹で上がりに合わせて、同じ鍋で青菜にさっと火を通し、一緒に引き上げて盛る。
POINT:パスタの茹で上がりに合わせて、同じ鍋で青菜にさっと火を通し、一緒に引き上げて盛る。

2.不調のときの養生レシピ「白菜のポタージュ」「しじみとセロリのにゅうめん」

「外食が連日重なったり、食べ過ぎが続くと無性に欲します」一品は、かつおだしを使った、しみじみとしたおいしさの和風ポタージュ。
もう一品は、昆布としじみのダブル使いで、まろやかなスープのにゅうめん。おなかに優しくて体を温めるこちらの2品は、年末年始にも活躍しそう。

●白菜のポタージュ
〈材料〉4人分
白菜…500g
かつおだし…300㎖
牛乳…100㎖
塩…適量
EXVオリーブオイル…大さじ1/2

〈作り方〉
1. 白菜は洗って一口大に切り、鍋に入れ塩少々とEXVオリーブオイルを混ぜ合わせ弱火にかける。蓋をして20〜30分ほど蒸し煮にする。
2. かつおだしを足して、10分ほど煮たのち、ミキサーにかける。鍋に戻し入れ、牛乳を加え軽く煮て、塩で味を調える。

POINT:まず白菜と塩、オリーブオイルを蒸し煮にし、野菜の甘さを先に引き出しておく。
POINT:まず白菜と塩、オリーブオイルを蒸し煮にし、野菜の甘さを先に引き出しておく。

●しじみとセロリのにゅうめん
〈材料〉2人分
しじみ…350g
セロリ…軸5cmと葉を2~3枚
ナンプラー…大さじ1/2
みりん…小さじ1
塩…適量
そうめん…2束
A[水…600㎖、酒…大さじ1、昆布…10cm角1枚]

〈作り方〉
1. 網を置いたバットにしじみを入れる。海水より薄めの塩水をひたひたに注ぎ、砂抜きをし、殻をこすり洗いしておく。Aは鍋に入れ2〜3時間置く。セロリの軸は薄くスライスし、葉は千切りにする。
2. Aの鍋にしじみを加え、火にかける。沸騰したらアクと昆布を取り除き、セロリの軸とナンプラー、みりんを入れ2分ほど煮る。塩で味を調える。
3. そうめんを茹でて器に入れ、セロリの葉をそうめんの上にのせ熱々の2を注ぐ。好みでごま油をかける。

POINT:セロリの葉は器に茹でたそうめんを入れた上にのせスープをかけることで、香りが引き立つ。
POINT:セロリの葉は器に茹でたそうめんを入れた上にのせスープをかけることで、香りが引き立つ。

3.ストックしたいたれ&ドレッシング「甜醤油」「オニオンドレッシング」

DMA-1025HNh_0906_bDN

「冷蔵庫に常備しておくと重宝するのが、ほんのり甘い甜醤油です」 茹で鶏にかけたり、ニラレバなどの炒めものに使える万能選手だ。
「余った玉ねぎとりんごで作るドレッシングは、ミキサーにかけるだけ」 和えものはもちろん、リーフサラダや茹で野菜にたっぷりかけても。

●甜醤油(左)
〈材料〉作りやすい分量
濃口しょうゆ…100㎖
酒…30㎖
紹興酒…30㎖
みりん…30㎖
砂糖…30g
ねぎの青いところ…1本分
しょうがスライス…1片分
八角…2個
ローリエ…2枚
シナモンスティック…1本
花椒…小さじ1/2
陳皮(あれば)…少々

〈作り方〉
鍋にすべての材料を入れて火にかけ、煮立ったら弱火にして分量が3/5になるくらいまで15分ほど煮る。冷めたらこす。
※要冷蔵、保存は約1カ月。

●オニオンドレッシング(右)
〈材料〉作りやすい分量
玉ねぎ…30g
りんご…20g
酢…40㎖
薄口しょうゆ…15㎖
塩…小さじ1/4
粒マスタード…5g
EXVオリーブオイル…40g
太白ごま油…40㎖

〈作り方〉
玉ねぎ、りんごを細かく切ってほかの材料と一緒にミキサーでなめらかにする。
※要冷蔵、保存は約1カ月。

●甜醤油のアレンジ料理:豚しゃぶサラダ
〈材料〉2〜3人分
豚ロースしゃぶしゃぶ用…200g
きゅうり…1本
酒…大さじ1
A[甜醤油…大さじ1、黒酢…大さじ1と1/2、ごま油…小さじ2、長ねぎみじん切り…5cm分、しょうがみじん切り…少々]

〈作り方〉
1. 酒をかけておいた豚肉を、ゆらゆらしている湯(70度くらい)で茹でる。
2. きゅうりは千切りにする。
3. Aの材料を混ぜ合わせてたれを作る。
4. 器にきゅうりを盛り、上に豚肉をのせ、たれを好みの量かける。好みでラー油をかけてもいい。

●オニオンドレッシングのアレンジ料理:エリンギとササミのバジルサラダ
〈材料〉4人分
エリンギ…2本
ササミ…3本
バジル…15枚ほど
A[長ねぎの青いところ…1〜2本分、しょうがスライス…5〜6枚、水…550㎖、酒…大さじ3、塩…5g]
B[オニオンドレッシング…大さじ3~4、すだちのしぼり汁…1個分、塩…適量]

〈作り方〉
1. エリンギは横半分に切ってから縦に薄くスライスして、太めの千切りにする。
2. 鍋にAを入れ沸かす。火を止めてからササミを加え、15分置いてからササミと長ねぎ、しょうがを取り出す。
3. 2の鍋を再び火にかけ、煮立ったら1のエリンギを入れて30秒ほど茹でて、ザルに上げる。
4. ボウルにBを入れ2のササミを裂きほぐして加え、3のエリンギと、みじん切りにしたバジルを加えて混ぜる。

4.おもてなしレシピ「鮮魚の香草蒸し」「ポークのみぞれ煮込み」

DMA-1025HNh_0429_bDN

「おもてなし料理のメインは、中華か和食を必ずひとつ入れます」ポークの煮込みは、豚肉が主役のようで、旨みを吸った大根が抜群に美味!
鮮魚の香草蒸しは、魚から出ただしも加わったたれがご飯を誘う。ある程度仕込んでおけるので、当日はさほど手間がかからないメリットも。

●鮮魚の香草蒸し
〈材料〉2〜4人分
魚(今回は金目鯛)…2切れ
長ねぎの青いところ…2本分くらい
パクチーの根…あれば適量
しょうがスライス…4〜5枚
酒…大さじ3
油…大さじ2
塩…適量
A[パクチー…15g、長ねぎ…5cm、しょうが…1片]
B[蒸し汁…大さじ2、しょうゆ…大さじ1]

〈作り方〉
1. 魚に塩を少々ふる。Aの材料をみじん切りにする。
2. 蒸し器に入る耐熱皿に長ねぎの青いところとパクチーの根、しょうがスライスをのせ、その上に1の魚をのせる。酒をふりかけ、蒸気が立っている蒸し器に入れ、蓋をして強火で10〜15分ほど蒸す。
3. 魚を器に盛り、Aをのせて、うっすらと煙が出るくらい熱々に熱した油をAめがけて一気にかけたのち、Bを上にかける。

POINT:長ねぎ、パクチーの根、しょうがの上に魚をのせて蒸すことで、香草の香りを魚がまとう。
POINT:長ねぎ、パクチーの根、しょうがの上に魚をのせて蒸すことで、香草の香りを魚がまとう。

●ポークのみぞれ煮込み
〈材料〉4人分
豚肩ロース…500g
塩…小さじ1
大根…1/2本
ローリエ…3枚
にんにく…1片
EXVオリーブオイル…適量
酒…100㎖
水…100㎖

〈作り方〉
1. 豚肩ロースに塩を揉み込んで、1時間くらい置く。
2. 大根はすりおろす。にんにくは潰して芯を取り除く。
3. 鍋にEXVオリーブオイル大さじ1を入れ、1の豚肉の表面の水気をふいて入れる。中火で表面を焼き、余分な脂をふき取ってから酒を加え、2〜3分煮る。水と大根おろし、ローリエ、にんにくを加え、EXVオリーブオイルをひとまわしかけ、沸騰したらアクを取って蓋をして弱火で1時間ほど煮込む。最後に塩適量(分量外)で味を調える。

POINT:豚肉を焼いたあと、鍋に残った脂をしっかりとふき取れば、余計な匂いや味が残らない。
POINT:豚肉を焼いたあと、鍋に残った脂をしっかりとふき取れば、余計な匂いや味が残らない。
photo:MEGUMI text:Yumiko Ikeda

Videos

Pick Up