第46回 散歩のレシピ 表参道〈Dgs Phytreat〉の店主・梅屋香織さんへ会いに。 FOOD 2022.07.29

料理家・なかしましほさんが、気になるお店とその方に会いに行く本誌連載「散歩のレシピ」。今回は今年3月に東京・原宿にオープンしたハーブがメインのコンセプトドラッグストア〈Dgs Phytreat〉へ訪れました。

日ごろの悩みを聞きながら問診。
日ごろの悩みを聞きながら問診。

「なんとなく調子が悪いな」というときは、まず食事を見直し、それでも改善しないときの私の味方といえば漢方やハーブ。今回は店主であり同郷の新潟出身である、梅屋香織さんのお話です。

梅屋さんは新潟の薬科大学を卒業したあと、10年間薬剤師とし働き渡仏します。そして、2016年から2020年までフランスの伝統的な薬草店〈エルボリストリ・デュ・パレロワイヤル〉で、フランス植物療法士として働いていました。「フランスでは病院の予約がとりにくい事情があり、大人も子供も、ちょっとした不調なら薬草店でハーブを調合してもらいます」と梅屋さん。いつも薬草店は、体の悩みを訴える人でいっぱいだったそうです。

梅屋さんいわく、新鮮なハーブほどパワーがあるそうだ。
梅屋さんいわく、新鮮なハーブほどパワーがあるそうだ。

ハーブの調合は日本ではめずらしいのですが、梅屋さんが明るく対応してくださるので、全く心配いりません。からだの不調、肌の調子など、その人のオーダーに合ったハーブを調合してくれます。お店の奥には各種のハーブが入ったお茶箱が並び、ふたを開けるだけで、ふんわりと香りが漂います。私は少し頭痛や目の疲れがあるので、フィーバーフューやロティエ、ヤロウ…といった10種のハーブを調合していただくことに。

なかしまさん用に調合されたハーブ。なかしまさんを問診してブレンドしたもの。ブレンド技術は経験のなせる業。どのハーブでも共通で、100g 4,860円。
なかしまさん用に調合されたハーブ。なかしまさんを問診してブレンドしたもの。ブレンド技術は経験のなせる業。どのハーブでも共通で、100g 4,860円。

現在、家では毎朝スプーン1杯、じっくり煮出していただいてます。漢方でも煮出す(煎じる)飲み方と粉末タイプがありますが、違いはコーヒーのハンドドリップとインスタントのような違いだとか。ハーブのよい香りがキッチン中に広がって、今では煮出すのが日々の楽しみとなっています。
そして、気になる効き目といえば、即効性よりはゆっくりと心身を整えてくれる印象です。

ハーブの薬局という新たな分野で、日本での活躍を始めた梅屋さん。同郷の方がこんなすてきなお仕事をされてるなんて、目下、みんなに自慢したい出来事の一つなのです。

梅屋さんが薬局で活用しているもの。

今回訪れたのは、表参道〈Dgs Phytreat〉(ドラッグストアフィトリート)

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ハーブのブレンド、ティザンヌプレンドオーダー100g 4,860円、200g 8,750円。ハーブティーも揃う。
■東京都渋谷区神宮前4-26-27 ルシード神宮前1F
■03-6679-2216
■10:00~19:00 日月火休

Text なかしましほ

出版社勤務の後、ベトナム料 理店などを経て料理家に。2006年に〈foodmood〉をオープン。体によい素材のお菓子が評判に。著書に『たのしいあんこの本』(主婦と生活社)が。

Photo 長野陽一

ながの・よういち/日本の島を撮り続ける写真家。書籍、広告、CMでも活躍。独特の世界観の料理写真にはファンが多い。食べ物をまとめた本として『長野陽一の美味しいポートレイト』がある。

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