歴史と文化の風を感じる味。 【横浜・鎌倉エリア】こだわりのコーヒーに出会える古き良き名喫茶4軒 FOOD 2022.02.10

横浜の喫茶店をのぞくと、カウンターにサイフォンが並んだ景色がよく目につく。古き良き佇まいを残す鎌倉では、喧騒を忘れる名店でひっそりとしたい。Hanako特別編集『喫茶店に恋して。[改訂版] 』よりお届け。

1.【since 2007】サイフォンと横浜への愛を体現する継承者。〈珈琲文明〉

長年のコーヒー愛が高じ、憧れの横浜の地・白楽駅の仲見世商店街で念願の店を開いた赤澤智さん。店のキーワードは“サイフォンと横浜”。「豆の特性を最も引き出せる抽出法というだけでなく、やはりパフォーマンスがカッコいいので」とサイフォンを選んだ。カウンターに客席と同数の器具がズラリと並ぶ眺めは壮観。〈丸山珈琲〉の上質な豆を使用し、重厚かつ瑞々しさがあふれるコーヒーの味わいに、シンプルに仕上げた自家製スイーツがよく合う。

〈珈琲文明〉
■神奈川県横浜市神奈川区六角橋1-9-2
■045-432-4185
■12:00~20:00 水、第3火休
■27席

2.【since 1974】最上級にこだわり続けたコーヒーの最高学府。〈コーヒーの大学院 ルミエール・ド・パリ〉

創業1974年、世界のコーヒーを提供する専門店。創業時のオーナーは、コーヒーも空間も最上級を志し、店名に最高学府の「大学院」と名付けた。パリをイメージした内装は意匠が凝らされ、現在は禁煙ルームとして使われる特別室(写真下)は大理石の天板のテーブルやタイル画、シャンデリアと絢爛な造り。コーヒーはすべてサイフォンで、蝶ネクタイのマスターが淹れる景2色もいい。歴史を刻む、横浜のミュージアム的存在。コーヒーとケーキをゆっくりいただきたい。

〈コーヒーの大学院 ルミエール・ド・パリ〉
■神奈川県横浜市中区相生町1-18
■045-641-7750
■10:00(土10:30)~17:00LO 日休
■65席

3.【since 1982】横浜のコーヒー文化を熟知するキーパーソン。〈カフェ カルディ〉

横浜界隈のコーヒー通やプロの間でその名を知られる一軒。マスターの田中義之さんは1970年代、横浜のコーヒー文化を牽引した名店〈コーヒーミキ〉や〈グッドホープ〉などで腕を磨き、そのスタイルを今に伝える人物。サイフォンはもちろん水出しやアレンジコーヒーがそろうのも特徴で、焙煎やデザート類も自身で手がけ、アイスコーヒーのシロップまでも自家製。コーヒーの探求者であり、創業以来、30席以上の席数をたった一人で切り盛りする喫茶の鑑でもある。

〈カフェ カルディ〉
■神奈川県横浜市港北区網島西2-14-1
■045-545-1899
■9:30~21:30LO 不定休
■32席/喫煙可

4.【since 1945】美しい庭を見ながら甘い時間を。〈イワタコーヒー店〉

鎌倉では貴重な大フロアの喫茶店。広い庭を有した明るいテラス席も名物の一つだ。三代目のオーナー、生嶋亜里紗さんは、祖父母、叔父と続けてきた店を引き継ぎ、新たなアイデアを取り入れながら店を盛り上げている。プリンアラモードにはフルーツをふんだんに盛り付け、フルーツサンドなどの新メニューも考案。75年以上の歴史を途切れさすことなく、10年、20年後も、ここ鎌倉の街角に〈イワタコーヒー店〉はあり続ける。時代に合わせた進化が見逃せない。

〈イワタコーヒー店〉
■神奈川県鎌倉市小町1-5-7
■0467-22-2689
■9:30~17:30LO 火、第2水休
■88席

(Hanako特別編集『喫茶店に恋して。』掲載/photo : Kenya Abe text : Yoko Fujimori)

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