大銀座のキーパーソン 銀座のバーでノンアルコールカクテルを。「アルコールを使わないカクテルの魅力って?」 FOOD 2021.10.20

銀座、日本橋、丸の内を中心とした「大銀座」エリア。自粛ムードが漂う世の中にあって、このエリアが面白いのは街を支える人たちの、たくさんの創意工夫があるから。今回は、〈銀座ROCK FISH〉と〈三笠会館本店 BAR 5517〉をご紹介します。

〈銀座ROCK FISH〉看板メニューをノンアルコールで再現。/間口一就

〈銀座ROCK FISH〉/銀座

口開けすぐに客が訪れるハイボールの聖地〈銀座ROCK FISH〉で、評判を呼んでいるのがノンアルコールの「あのハイボール」。「以前からノンアルのハイボールを作りたいと思っていたので、頭の中にあったイメージを形に。完成度は90点」と自信を覗かせる店主の間口一就さん。ウスターソースやレモン、生姜など10種以上の素材を合わせ、ウイスキーに近いフレーバーを再現。爽快な飲み心地で、名物の氷なしハイボールの“あの”味を彷彿とさせる。お供となる自慢のつまみは、ノンアルに合わせてポーションを調整する心配りも忘れない。

これまで100万杯近く作ったというほどハイボールにこだわる理由は、「お客さんがおいしいと言ってくれるから」。ノンアルコールでの営業を決めたのも「お客さんが一番」という信条が根底にあればこそ。状況に合わせて進化を遂げながら、「365日、誰かが行きたいと思った時に開いているバーでありたい」と、間口さんは今日もカウンターに立つ。

〈銀座ROCK FISH(ぎんざロックフィッシュ)〉

〈銀座ROCK FISH〉/銀座

漬物を使った半月ピザなどつまみも充実。左から、「ジンジャーリッキー」1,100円、「あのハイボール」900円、「ビタール」1,100円。チャージ300円。家飲み用に間口さんがセレクトしたワインやオリジナル雑貨も販売し、ランチ営業も計画中。アルコール再開時は「あのハイボール」はアレンジを加えて提供予定。
■東京都中央区銀座7-3-13 ニューギンザビル7F
■03-5537-6900
■14:00~19:00(土日祝~18:00)無休
■20席

〈三笠会館本店 BAR 5517〉華やかなモクテルがバーと出会うきっかけに。/湯浅和希

〈BAR 5517〉/銀座

酒類提供自粛に伴ってノンアルコールフルーツバーへと姿を変えたオーセンティックバー〈BAR 5517〉。「今まで敷居が高いと感じていた方や、お酒が苦手な方にもバーに親しんでほしくて」と、チーフバーテンダーの湯浅和希さん。新たに挑んだ季節のフレッシュフルーツを主役にしたモクテルは、バーテンダーの経験と技量が問われるジャンル。「味の骨格となるアルコールがない分、フルーツと向き合って単なるジュースにならないように工夫しました」と、バラの香りのノンアルコールジンや粒山椒をアクセントにするなど味に厚みをもたせた。

見目麗しい一杯を目当てに新規の客が9割を占めるという反響で、「バーならではの楽しさや雰囲気を知って、また来てほしい。銀座のバー文化を途絶えさせたくありません」と、今後もモクテルは継続予定。ジャズの流れる重厚な空間で、バーテンダーの美しい所作を眺めてグラスを傾ける時間は大人のエンターテインメント。新しい扉を開いてくれるはずだ。

〈BAR 5517〉/銀座

〈三笠会館本店 BAR 5517〉
由緒ある正統派バーが期間限定でフルーツバーに。左から、「山椒と酢橘(すだち)のバージントニック」1,000円、「シャインマスカットスパークリング」1,200円、「ビッグアップル」1,200円、「シャインマスカットマティーニ」1,200円。
■東京都中央区銀座5-5-17 三笠会館本店B1
■050-3134-5673
■営業時間・定休日については公式HPで確認を。

https://www.mikasakaikan.co.jp/restaurant/bar-2/bar5517/index/

(Hanako1201号掲載/photo : Mina Soma text : Rie Ochi edit : Hanako Kajiyama, Yue Morozumi (Mo-Green))

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