ちょっとしたテクニックでワンランク上の家飲みに。 おうち飲みをアップデート!バーテンダーに教わるホームカクテルレシピ集。 FOOD 2021.05.10

人気のあの料理家さんの、注目を集めるあの店の、代名詞的なあの一品。このパートは、そんな贅沢な品々を教えてもらう豪華企画。自炊の機会が増えた今だからこそ、レパートリーに新風を!今回は、南雲主于三さんにホームカクテルのレシピを教えてもらいました。ベースとなるアルコールに、3つの素材を加えて作るオリジナルレシピを伝授。ちょっとしたテクニックを覚えるだけで、家飲みは格段にアップデートできる!

【Recipe #1】旬の果物の甘酸っぱさが凝縮。「コモンベリージュレップ(ジンベースカクテル)」

無題 (2)

■使う道具

・ロックグラス
・クラッシュアイス

■材料(1杯分)

・ジン(コモンジン)…40ml
・いちご…3粒
・砂糖…小さじ2
・レモン…1/2個

■作り方

半分にカットしたいちごをグラスに入れ、スプーンでつぶす。くし形にカットしたレモンの果汁を搾った後、皮も一緒にグラスに入れる。ジンと砂糖を加え、よく混ぜたら、クラッシュアイスをグラスいっぱいに投入。

【POINT】氷を投入する前に、お酒とフルーツをスプーンでよく混ぜ合わせる。
よくつぶしたいちごとレモンの果汁、砂糖、ジンをよく混ぜることで、ジンにフルーツの甘みや酸味、香りがうつり、一体感のあるカクテルに仕上がる。

【Recipe #2】アイスinデザートカクテル「ティラミスロック(焼酎ベースカクテル)」

「ティラミスロック」

■使う道具

・ロックグラス
・かちわり氷

■材料(1杯分)

・麦焼酎…40ml
・ティアマリア(コーヒーリキュールで代用可)…20ml
・ハーゲンダッツバニラ(バニラアイスで代用可)…ひとすくい
・ココアパウダー…適量

■作り方

グラスに、麦焼酎とティアマリアを入れて混ぜる。かちわり氷を平らに並べ、その上にバニラアイスを盛り付け、ココアパウダーをふりかける。アイスを食べながら飲んでも、アイスを溶かしてから飲んでも美味。

【POINT】スプーンを温めることでアイスがきれいにすくえる。
盛り付けの美しさも、このカクテルのカギ。コンロで温めたスプーンでアイスをすくうと美しい丸形に。またはアイスを5分程度常温で溶かしてからすくう。

【Recipe #3】中南米のカクテルをアレンジ。「東京ミチェラーダ(ビールベースカクテル)」

無題 (1)

■使う道具

・タンブラー
・かちわり氷

■材料(1杯分)

・東京ホワイト(白ビールで代用可)…120ml
・美酢カラマンシー(フルーツビネガーで代用可)…40ml
・カットレモン…1枚(好みで)
・塩…適量

■作り方

メキシコのビアカクテル「ミチェラーダ」をイメージしたカクテル。グラスの縁に塩をつけ、かちわり氷を投入。白ビールとフルーツビネガーを3:1の割合で混ぜるだけ。白ビールは、IPAなど軽めのものが合う。

【POINT】レモンの果汁を使って、グラスの縁に塩をつける。
グラスの縁にレモンの果肉部分をあてて1回転させ、平らな皿に広げた塩を少しずつつける。飲む時に塩味があることで、甘み、酸味などがより際立つ。

無題

■あるとよりおいしくなる道具

1.かちわり氷
コンビニやスーパーで売っている大きめの氷。硬くて溶けにくいため、お酒の味が薄まりにくい。

2.クラッシュアイス
かちわりより一段細かい氷。溶けやすく、度数が強い酒に最適。アイスコーヒー用等の氷として買える。

3.計量スプーン
アルコールなど、液体をはかる時に使用。レシピに忠実な量だとおいしさも格別。計量カップでもOK

4.バースプーン
柄の長いスプーン。家にない場合は、マドラーなど、細くて棒状のものがかき混ぜやすい。

素材を混ぜ合わせることで、奥行きのある一杯に仕上がる。

〝ミクソロジー〞の第一人者として知られる南雲主于三さん。ミクソロジーとは、フルーツや調味料など、あらゆる食材を混ぜ合わせて、カクテルに昇華させること。「素材を自由に混ぜ合わせるだけで、立体感が生まれ、余韻のある味わいになるので、家飲み時間がより楽しくなると思います。今回の3品は、旬の果物やアイス、ビネガーなどの甘みや酸味を生かした簡単に作れるカクテルで、応用も利きますよ」

さらにホームカクテルを作る際のコツを教えてもらった。「お酒を含めて材料をよく冷やしておくと、均一に混ざるので口当たりがよくなります。氷も溶けにくくなり、一杯のカクテルを長く楽しむことができます。料理と同様、塩は味を調え、砂糖はコクをプラスできるので、カクテル作りにも重宝します」これさえ覚えておけば、自宅がバーに早変わり。ぜひお試しを。

Teacher…南雲主于三(なぐも・しゅうぞう)

バーテンダー。虎ノ門の〈memento mori〉など、4店舗のバーを経営。著書に『ザ・ミクソロジー カクテル創作のメソッドとテクニック』(柴田書店)など。

(Hanako1196号掲載/photo : Kayoko Aoki illustration : Shapre text : Emi Suzuki)

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