吉祥寺がクセになる理由。 吉祥寺を愛する5人に聞いた。グッドデザインな“お気に入りの一軒”といえば? FOOD 2021.03.30

吉祥寺好きに話を聞くと「あのお店にも寄っていきたい」「あの人にも会って話したい」…と気がつけば吉祥寺から離れられなくなってるみたいだ。ただ「好き」というのだけとは違う、足を運ぶほどに虜になってしまうこの感覚を味わえる吉祥寺には、「クセになる」という言葉がぴったり。吉祥寺をこよなく愛する人たちに教えてもらった、クセになる理由。今回は、グッドデザインなお店をご紹介します。3月22日(月)発売 Hanako CITYGUIDE「クセになる、吉祥寺。」よりお届け。

1.非日常空間で人気の絶品カレーを味わう。〈COFFEE HALL くぐつ草〉

おすすめは40年以上人気の「くぐつ草カレー」とオールドビーンズを使ったコーヒー(or紅茶)のセット。ミニサラダが付いて1,750円(税込)。「80年代から変わらぬ雰囲気が落ち着く(江口寿史)」
おすすめは40年以上人気の「くぐつ草カレー」とオールドビーンズを使ったコーヒー(or紅茶)のセット。ミニサラダが付いて1,750円(税込)。「80年代から変わらぬ雰囲気が落ち着く(江口寿史)」

にぎやかなアーケード街から階段を下りて鉄のドアを開けると、そこは別世界。まるで洞窟の秘密の空間に足を踏み入れたよう。劇団員のオーナーが、海外公演に行った際に受けたインスピレーションをもとに、「お客様に日常を忘れてくつろいでもらいたい」と店内をデザイン。街の喧騒から離れて、非日常の時間をすごしたい。

COFFEE HALL くぐつ草

〈COFFEE HALL(コーヒーホール)くぐつ草〉
■東京都武蔵野市吉祥寺本町1-7-7 島田ビルB1
■0422-21-8473
■10:00~22:00 *無休
■54席

2.センスあふれる上質空間でジャズと食事を楽しむ。〈SOMETIME〉

「吉祥寺を作った男」として有名な故・野のぐちいおり口伊織さんがオープンした〈SOMETIME〉。映画『ウエスト・サイド物語』にインスパイアを受けてデザインされた店内は、マンハッタンのようなアーバンな雰囲気が漂う。プロが演奏するジャズとともに、グラスを傾けてみたい。

〈SOMETIME(サムタイム)〉
■東京都武蔵野市吉祥寺本町1 -11-31 B1
■0422-21-6336
■12:00~17:00、18:00~22:00 *無休(正月休)
■80席

3.〈VILLA MAGNOLIA〉「階段を上がって扉を開けると広がる世界観が素敵(水野 学)」

G_DSC_4567

イタリアの郷土料理とご当地ワインを楽しめる〈VILLA MAGNOLIA〉。イタリアの食品とワインを輸入する会社が母体だけあって、そのクオリティは折り紙付き。イタリア人が訪れて感心するほど本格的な内装は、元は純和風の古い倉庫。天井のハリや柱を生かしてリノベーションしてこの雰囲気に。

〈VILLA MAGNOLIA(ヴィッラマニョーリア)〉
■東京都武蔵野市吉祥寺南町1-10-4 2F
■0422-24-7361
■11:30~15:00(14:00LO)、18:00~23:00(22:00LO)、土日祝11:30~15:30(14:30LO)、日17:30~22:30(21:30LO)*火、水昼休
■24席

4.〈ゆりあぺむぺる〉「ザ・ 純喫茶という感じで大好き!クリームソーダも可愛いです(永原真夏)」

F_DSC_4475

足を踏み入れると、店内は時間が止まっているようなノスタルジックな空気に満たされている。1976年に創業してから変わらない雰囲気に、久しぶりに訪れたお客さんも懐かしがるそう。名物のクリームソーダをはじめ、フードやアルコールも充実しているので、幅広い年代から愛される。

〈ゆりあぺむぺる〉
■東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-6
■0422-48-6822
■11:30~24:00 *無休
■50席

5.〈タイヒバン〉「堆肥を店内中央に積むという他に類を見ないデザイン(髙野 丈)」

E_DSC_4411

〈タイヒバン〉は抗生物質や成長ホルモンを与えず健康に育てられた牛を一頭買いして食材に。また自社農園の平飼い卵、オーガニック鶏・羊、ヴァン・ナチュールも楽しめる。店内中央には、堆肥の山が。健康に育った牛の堆肥は無臭、むしろオガ粉の良い香りがする。無農薬農園を手がけるオーナーならではのオーガニック&サステナブルなインテリアも必見だ。

〈タイヒバン〉
■東京都武蔵野市吉祥寺本町2-22-3
■0422-27-1392
■11:30~23:30 *火休
■25席

吉祥寺は、昔から文化人が愛した土地。

ジャンルを問わずさまざまな店が立ち並ぶ吉祥寺。おしゃれなカフェから、上質なレストラン、大人なバー、そして気軽に寄れる立ち飲み屋…。話題のお店、新しいお店、人気のお店、そこにはユニークで新しい発見があるから、この街を訪れるのが、ますます好きになってしまう。さて、お店の魅力の一つは、なんといっても、その“空間” 。ただインテリアを眺めたり、店に流れる音楽に耳を傾けているだけでも、日々の生活では味わえない雰囲気や、ゆったりとした時間の流れに身を置くことができる。

吉祥寺は、昔から文化人が愛した土地。中央線の沿線ということもあり、ミュージシャンや劇団員にもなじみが深い。だから、ジャズ喫茶やライブハウス、シアターなど、カルチャー色が強いスポットが多い。そのような店のインテリアはとてもユニーク。そして、おいしい料理やドリンクをサーブするお店のインテリアも、やはりセンスあふれるデザイン。吉祥寺を愛する5人が、数あるグッドデザインの店の中から、お気に入りの一軒をレコメンド。今度の休みは、どのお店に足を運んでみようか。自分だけのお気に入りのお店を見つけられたら、もっとこの街が好きになるはず。

RECOMMENDER

◆江口寿史さん(えぐち・ひさし)/漫画家・イラストレーター。『すすめ!!パイレーツ』(集英社)ほか、広告イラストやCDジャケットのアートワークなどを手がける。吉祥寺歴40年。

◆久住昌之さん(くすみ・まさゆき)/漫画家・ミュージシャン。代表作に『孤独のグルメ』(扶桑社)など。最新作『面食い(ジャケぐい)』(光文社)では、吉祥寺の店も描かれる。

◆永原真夏さん(ながはら・まなつ)/ミュージシャン。吉祥寺在住。2009年SEBASTIANXとしてデビューし、その後ソロ活動を開始。最新曲『忘れられない日々となって』配信中。

◆髙野丈さん(たかの・じょう)/自然写真家・サイエンスコミュニケーター。井の頭公園での自然観察と撮影をベースに、書籍の編集や講演を行う。著書『井の頭公園いきもの図鑑』(ぶんしん出版)が発売中。

◆水野学さん(みずの・まなぶ)/〈chai break〉オーナー。井の頭公園近くにある紅茶専門店の店主。上質な茶葉を使ったチャイが人気。現在は予約制テイクアウトも実施中。

(Hanako CITYGUIDE「クセになる、吉祥寺。」掲載/photo:Fumihito Kato text:SAN-O PRODUCTIONS)

Videos

Pick Up