取り寄せて、旅して。楽しく復興支援。 【岩手】編集者・文筆家ツレヅレハナコさんが語る、とっておきのアドレスリスト。お取り寄せできる「濃厚チーズケーキ」も！ FOOD 2021.03.17
震災から10年。復興の過程にある東北3県への支援は、“楽しく続ける”のカタチもある。旅に出かけ、おいしいものを食べ、現地からお気に入りを取り寄せて。ワクワクを力に変えて。「いつか東北本を出したい」と語るツレヅレハナコさん。そこで今回はご本人の写真とともに教えてもらった、岩手のとっておきアドレスをご紹介します。
「宮古、大槌、大船渡といった港町は復興が進んだ印象」。生まれ変わった街をこの目で見届けるなら、岩手県を行き先に。
「2年前、岩手県の大槌町から、仕事をしませんか？と声をかけていただきました。震災当時は募金くらいしかできなかったこともあり、私でお役に立てれば、とお引き受けしました。お店は流失してしまったけれど、食文化はしっかり残っていて。私の仕事はそれらの魅力を外へ発信すること。“ひっつみ”に注目したのは、まさにそんな中でのことでした。震災から10年経ち、街には道の駅など、新しいスポットも増えています。建物はピカピカでも、中で売っているのは、昔から地元に愛されてきたものばかり。きっと面白い発見があると思います」
1. 秋田新幹線の停車駅、北上駅から車で15分〈トロイカ〉／江釣子
「グラタンに見えるこの白い食べ物、実はロールキャベツなんですよ。ロシア料理に欠かせない、酸味あるスメタナクリームに自家製のモッツァレラとゴーダチーズをのせ、オーブンで熱々に。揚げたてのピロシキと一緒に、ハフハフしながら食べるのが雪国らしくて好きなんです」。
■岩手県北上市上江釣子16-53-1
■0197-62-4365
■10：00～19：00（18：00LO、食事は11：00～）水休（祝の場合は営業、翌休）
■8席／禁煙
【お取り寄せ】〈トロイカ〉のチーズケーキ
〈トロイカ〉はチーズケーキも有名。「みっちり濃厚な味わいに感動して以来、自宅でも」。冷蔵ベークド・チーズケーキ5号3,132円（税込）。
2.朝イチで食べる名物「ひっつみ」〈木偶の坊（でくのぼう）〉／盛岡
「盛岡駅からタクシーでワンメーターほど。地元の食文化を知るなら、早起きして神子田（みこだ）朝市をのぞいてみて。おばあちゃんが作る惣菜類もおいしくて、買い食いしながら散策するのが最高の時間。私の定番は、常設店舗〈木偶の坊〉のひっつみ。ここまで幅広の麺は、現地でもなかなかめずらしいそう。椎茸の風味がきいただしも飲み干せば、体がぽかぽか温まります」。
〈木偶の坊（でくのぼう）〉
■岩手県盛岡市神子田町20
■019-652-1721
■5：00～8：30 月休なし
3.おひとりさまにやさしいバー〈パノニカ〉／盛岡
「ジャズ好きのマスターがいるバー。お酒が充実しているのはもちろんですが、カフェという一面もあるんです。コーヒーを飲みながら、ナポリタンを食べている人が隣にいたり（笑）。誰もが思い思いの時間を過ごしている感じが居心地いい。一瞬、入りづらい外観ですが、座ってしまえば楽しい時間が待っています。盛岡でのひとり飲みの定番ですね」。
〈パノニカ〉
■岩手県盛岡市菜園2-4-23 バーセル 2F
■019-623-1666
■19：00～1：00 日休
■15席／喫煙
Navigator…ツレヅレハナコ
東北の酒と食と人をこよなく愛す編集者・文筆家。Instagram（＠turehana1）のファンも多数。近著に『ツレヅレハナコの南の島へ呑みに行こうよ！』（光文社）など。
