グルメライターが愛するお店も。 通の京都旅は、中華料理店巡り?【京都】地元で愛され続ける人気の中華料理店3軒 FOOD 2021.05.26

京都と聞くと和食のイメージが強いですが、実は中華料理の名店が数多く存在することで有名です。今回は、グルメライターも愛する名店をはじめ京都で愛され続ける中華料理の名店をご紹介します。

1.路地奥の隠れ家で、60年以上変わらぬ滋味深い一品を。〈盛京亭〉

ピカピカに磨き抜かれた厨房を見渡せるカウンターが4席。創業は昭和26年。作家・池波正太郎も愛した味わいを、二代目店主の上田隆雄さんが守る。鶏ガラと野菜で毎朝とる澄んだスープも、洗練された料理を支えている。

「麻婆豆腐」(1,090円)(全て税込)
「麻婆豆腐」(1,090円)(全て税込)

「麻婆豆腐」は豆板醤や甜麺醤を使わず仕上げた、クリアな味わい。「醤油ベースでこんなに深い味に!本当に不思議」。細切り野菜を炒めてから冷やした前菜「八宝糸」も名作。昼は鶏唐揚、肉団子、焼飯がセットになったサービスランチ1,290円(税込)を提供。

Navigator…天野準子/生まれ育った京都の“碁盤の目”を拠点に、各誌京都特集のコーディネートや取材・執筆を行う。豊富な知識と強靭な胃腸を武器に、食関係の取材も多数。

(Hanako1164号掲載/photo : Noriko Yoshimura text : Aya Honjo)

2.手間と技を惜しまず注いだ、京風広東料理を伝承する〈鳳舞楼〉

京都御所のほど近く。中華料理店らしからぬシックなのれん。店主の相場哲夫さんは、今はなき京都中華の草分け〈鳳舞〉で研鑽を積んだ直弟子の一人。その屋号とともに、多くの食通を魅了したレシピを受け継いだ。カウンター6席のほか、テーブルと小上がりのある2階も。

からし酢醤油であえた麺に、野菜と鶏肉、エビを加えた熱々のあんをかけて。鼻がツンとなるメリハリがいい。あんは、仕上がり間際にレタスを加えてシャキッとみずみずしい食感に。「焼売」は肉の旨みたっぷりのタネを包む、見えないほど薄い皮も自家製。クワイのシャキシャキした歯ざわりが後を引く。

〈鳳舞楼〉
■京都府京都市上京区新町通中立売下ル仕丁町327-7
■075-555-5568
■11:30~14:00LO、17:00~20:00LO/火休
■30席/喫煙

(Hanako1164号掲載:photo : Noriko Yoshimura text : Aya Honjo)

3.京都でしか成り立たない和食のようなダシ使い 〈芙蓉園〉

店の代名詞である鳳凰蛋(ほうおうたん)とは鶏肉入りの卵焼き。卵はトロトロ、だしの効いた味は思わず白米が欲しくなる。「実は中華らしい調味料はあまり使っていません。でも今はこれが京都の中華の味になっているみたいで」と店主はどこか誇らしげだ。角野卓造さんは『京都の中華』の大ファン。“聖書”を大事に抱えて食べ歩くのも楽しみの一つなのだそう。さらにこの本をきっかけに〈芙蓉園〉にて姜さんとのご対面を果たした。日本酒と鳳凰蛋を合わせるのは「京ごのみ」と姜さんのお墨付きを得て、またにっこり。

〈芙蓉園〉
■京都府京都市下京区市之町240
■075-351-2249
■ランチ入店12:00~13:45LO、ディナー17:30~20:00入店(20:30LO) 火水休 
■14席/禁煙

(Hanako1176号掲載/photo : Natsumi Kakuto, Noriko Yoshimura, Yoshiko Watanabe text : Kahoko Nishimura, Mako Yamato, Atsuko Suzuki)

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