東京で本場が味わえる! 【東京】フランス仕込みのブーランジェリー5軒。地元民に愛されるベーカリーと人気のパンをチェック! FOOD 2020.10.24

東京都内には、美味しいフレンチパンが食べられる名店ブーランジェリーが続々オープンしてます。今回は、パン好きも必見のフランス仕込みのブーランジェリーをご紹介します。

1.〈カタネベーカリー〉/代々木上原

職人気質の片根大輔さんと、料理上手の奥さま智子さん。毎年家族でフランスへ出かけ、アパルトマンで暮らしてバカンスを過ごす。そこでの発見がこの店をどれだけ充実させていることだろう。フランスのパン屋のように、〈カタネベーカリー〉は早朝7時から営業する。

地下のカフェに下り、旅行気分で、「パリの朝食セット」を頼む小さな贅沢。「パリの一ツ星か二ツ星の、安いホテルの朝食をイメージ」と、片根さんは笑う。素っ気ない食堂のテーブルに置かれるカゴ盛りのパン、そのおいしさに感動した記憶が甦る。特に謳うわけではないけれど、このパンには、片根さんのありったけの技と情熱が注ぎ込まれる。

2.〈griotte Bakery cafe〉/駒沢大学

フレンチとパンの融合を目論む、最も若い世代が小島正義シェフ。食の都リヨンでフレンチ修業をした。「食べてました。ケーキ、チョコ、パン…。二ツ星、三ツ星のレストランはすべて行きました。フロマージュブランを1ℓ食べたり」。なんという食いしん坊。この人ならまかせて大丈夫だ。

1軒でパンも惣菜もそろえ、デリとしての機能を果たす。各種のペーストにフランス仕込みの辣腕は発揮される。にんにくコンフィとクリームチーズは、芳醇さがオリーブオイルによって引き延ばされる。ひとすくいパンに塗るだけでビストロのような食事になる。

〈griotte Bakery cafe〉
取り置き可、地下にイートインスペースあり。コーヒー 280円、グラスワイン 600円(各税込)。
■東京都目黒区東が丘2-14-12
■03-6314-9286
■8:00~19:00 月休(祝の場合、翌火休) 
■10席/禁煙

(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo : Keiko Nakajima text : Taeko Terao edit : Kahoko Nishimura)

3.〈Du Pain et Des Gâteaux Les Initiés〉/根津

根津の住宅街にオープンしたブーランジェリー。腕を振るうのはパティシエール出身の若きシェフ。フランスの権威あるバゲットコンクールで外国人女性初優勝を果たし、話題の成澤芽衣さんがパンの監修を手がけ、フランスの香り漂うパンや本場仕込みの焼き菓子を提供。

〈Du Pain et Des Gâteaux Les Initiés〉
■東京都文京区根津2-32-5
■090-8041-6329
■10:00〜17:00 月水休
■イートインなし

Navigator…瀬戸かほ/雑誌やカタログ、CMなどでモデルとして活躍。昨年写真集『Emanon』を発売。女優業にも進出し、これまでの主な作品に映画『ゆうなぎ』など。

(Hanako1182号掲載/photo:Norio Kidera, Tomo Ishiwatari, Kenta Kawasaki text:Kahoko Nishimura, Etsuko Onodera)

4.〈Toshi Au Coeur du Pain〉/都立大学

川瀬敏綱シェフは、自分のパンが、修業先であるパリバゲットコンクール優勝店〈リュック・ドゥ・ラ・シャペル〉そのままであることを、誇りに思っている。何十年にもわたって、日本のパン業界は、フランスのパンに「追いつけ追い越せ」をつづけてきたが、それでも私たちの知らない「フランス」があるのだと、〈トシ〉のバゲットを食べると実感する。

冷蔵庫から出したてのバターの風味に、わずかに黒胡椒のような香りを混ぜたような。塩は薄めで、食事と合わせておいしさが発揮される塩梅。次から次へと訪れる客がみんなバゲットを注文するのも、パリのブーランジュリーそのまま。フランスでバゲットは日本のごはんのように3食食べるもの。だから、すこぶる安い。〈トシ〉ではバゲットをわずか180円で売る。だから、都立大学の人たちも〈トシ〉にバゲットをごはん代わりに買いにくる。

そのかいあって、1日10回も焼きだすバゲットがどんどん売れ、週末には300本もの本数になる。値段がフランス並みの安さ→地元の人が毎日買いにくる→どんどん焼く→いつも焼きたてだからおいしい→毎日買いにくる、と好循環が実現。いつも窯前でバゲットを焼きつづける川瀬さんのひたむきな姿は、本当にフランスのブーランジェに見える。

〈Toshi Au Coeur du Pain〉
■東京都目黒区中根2-13-5 1F
■6:00(カフェは10:00、日8:00)~19:00 月火休
■18席/禁煙

Navigator/池田浩明
パンラボ主宰。パンについてのエッセイ、イベントなどを柱に活動する「パンギーク」。著書に『食パンをもっとおいしくする99の魔法』『日本全国 このパンがすごい!』など。

(Hanako1175号掲載/photo:Kenya Abe)

5.〈CICOUTE BAKERY〉/南大沢

団地の一角をおしゃれにリノベ。手作りの発酵種によるカンパーニュを早くから作ってきた北村千里さんは、小麦や野菜を直接取り寄せ、生産者の思いを表現、あたたかい気持ちがパンから伝わる。生産者や品種名が冠されたハード系は絶品。「北海金時豆のコンプレ」などのおやつパン、サンドもあり、誰もが楽しめる。

〈CICOUTE BAKERY(チクテベーカリー)〉
■東京都八王子市南大沢3-9-5-101
■042-675-3585
■11:30〜16:30 月火休
■12席/禁煙

Navigator…池田浩明(いけだ・ひろあき)/パンの研究所「パンラボ」主宰。パンライター。自称「ブレッドギーク」(パンおたく)。NPO法人新麦コレクション理事長として、日本においしい小麦を普及する活動も行う。

※掲載しているパンはすべて取材時のものです。

(Hanako1182号掲載/photo:Hiroaki Ikeda, Kenya Abe text:Hiroaki Ikeda special thanks:Yuya Uemura, Ami Hanashima edit:Yoshie Chokki)

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