南インドの美食と出会える店。 行列を絶やさない不動の人気店!【京橋】食堂〈Dhaba India〉で南インドの美食を新発見。 FOOD 2020.10.08

大銀座の街を支えるプロフェッショナルな技の数々。ここでは“賢人”をクローズアップ!今回は、南インドの美食を新発見できる食堂〈Dhaba India〉のシェフ、プラタバン・チェラムさんの技に注目です。

南インドの美食を新発見できる食堂。

カレーを作る時に使う7種のスパイスは全てインドから取り寄せたもの。調理に入る前にこの銀の器に移される。油で熱さずとも刺激的な香りを放っていた。
カレーを作る時に使う7種のスパイスは全てインドから取り寄せたもの。調理に入る前にこの銀の器に移される。油で熱さずとも刺激的な香りを放っていた。

言わずと知れた大銀座のカレーの名店といえばこちら、南インド料理の〈ダバ・インディア〉だ。今のようにあらゆるところでミールスが食べられるようになるずっと前の2003年にこの地にオープン。以来、全国にインド料理店が急増してからも行列を絶やさない不動の人気店として知られてきた。その秘密はどこにあるのか。

「ブルーシティ」と呼ばれるマハラジャの街ジョドプールをイメージした青の壁が印象的な店内へ入ると、奥にある厨房で働くキビキビとしたインド人スタッフたちの姿が目に入る。彼らをまとめるシェフは、プラタバン・チェラムさんだ。

「料理に使っているスパイスはインドから仕入れたものです。一応、手順を記したレシピは共有していますが、スパイスの分量は感覚的なもの。それでも味がブレないのは、私たちの経験からくるものでしょうか。うまく説明ができません(笑)」バナナの葉の上に、全6種類のカレーが並び、目にも鮮やかだ。「混ぜて食べて、味の調和を楽しんでください。本当は手で食べた方がおいしいですよ!」とチェラムさん。

Dhaba India

ミールスのほかにも、ぜひ食べてほしい看板メニューがあるという。客席から見える位置にあるドーサタワーと呼ばれる鉄板で、注文が入ってから焼き上げる「ドーサ」だ。「ホワイトウラッドという豆と米を厨房のグラインダーで粉にしたもので生地を作ります。それを高温に熱した鉄板にギー(純度の高いバター)をなじませた上に広げて焼いていくんです。簡単そうに見えて、薄く均等に生地を広げて焼くのは技術がいるんですよ」とチェラムさんが教えてくれた。この日、ドーサを焼いてくれたシェフも2年間の修業を経て、やっと焼けるようになったのだそう。

ドーサは、南インドでは朝食などで食べられる一般的な料理。インドの家庭ではフライパンなどでも調理されるが、ドーサタワーがあると強い火力でよりおいしく焼き上げることができる。スパイスで炒めた野菜を包んだドーサをカレーにつけて食べれば、大きく見えた生地があっという間におなかの中に収まってしまった。南インドの知られざる美食と出会うことができる店、何度訪れてもまた惹かれてしまう魅力がわかる。

【point.1】複雑に交差するスパイスの香りを楽しんで。

まずはバナナの葉の上で混ぜて食べるミールスから
まずはバナナの葉の上で混ぜて食べるミールスから

看板メニューの南インド式の定食・ダバミールス(2,300円)は、チキン、魚、海老の3種のカレー、野菜のスパイス炒め、サンバル、ラッサム、バスマティライス、プーリ、パパドがそろった充実の内容。

【point.2】薄く大きくパリッと仕上げるのは至難の業。

高温の鉄板で焼き上げるドーサは、本場の味
高温の鉄板で焼き上げるドーサは、本場の味

人気のマサラドーサ(L1,430円)はポテトの香味炒め入り。生地のサクサクとした香ばしさの先に、スパイス香るじゃがいものほくほくした食感が合わさる。カレーをつけると全く異なる味わいに。

プラタバン・チェラムさんが技と知恵を感じるお店は?

1.〈BARNEYS CAFE BY MI CAFETO(バーニーズ カフェ バイ ミカフェート)〉
「こちらの豆でコーヒーを淹れてみたらおいしさに驚きました」。一級畑で穫れた最高クラスのコーヒーを中心にそろえるカフェ。
■東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル 3F
■03-6263-8480
■11:00〜20:00(19:30LO)不定休
■44席/禁煙

2.〈グルガオン〉
姉妹店の名物はバターチキン(1,520円)。
■東京都中央区銀座1-6-13 銀座106ビル B1
■03-3563-0623
■17:30〜22:30(21:30LO)、土日祝11:30〜16:00(15:15LO)、17:00〜22:00(21:00LO)無休
■38席/禁煙

3.〈ダクシン〉
こちらも南インド料理店。「良いライバルです」
■東京都中央区八重洲2-5-12 プレリービル B1
■11:00〜15:00(14:30LO)、17:30〜23:00(22:00LO)、土日祝11:00〜15:00(14:30LO)、17:30〜22:00(21:00LO)無休
■65席/禁煙

〈ダバ・インディア〉

ダバ・インディア

「食堂」を意味する店名の通り、街の食堂としての機能を大切にしているため、ランチタイムは予約不可。夜はドーサを含むセットも。
■東京都中央区八重洲2-7-9
■03-3272-7160
■11:15〜15:00(14:30LO)、17:30〜22:30(21:30LO)、土日祝11:30〜15:00(14:30LO)、17:00〜22:00(21:00LO)無休
■60席/禁煙

(Hanako1188号掲載/photo:Kazumasa Harada text:Maki Kakimoto)

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