ツレヅレハナコの電車メシ File2 「埼玉のパキスタン」で カラフルビリヤニと現地カレーを楽しむ! LEARN 2017.08.16

ぽっかり予定が空いた1日。どこか知らないところへ行ってみませんか?電車で行けて、日帰りできて、もちろんおいしいものがあるところ。そんな気楽な旅が大好きな食いしん坊・ツレヅレハナコが、お腹いっぱいになる楽しい1日電車旅をご案内します!第二回は「リトルパキスタン」こと埼玉県・八潮へ!

その名もヤシオスタンで3軒ハシゴの食べまくり

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アッサラームアライクム!(こんにちは~!)

埼玉県・八潮にパキスタンがあるらしい。そんな話を聞いたのは数年前のこと。海外輸出向け中古車のオークション会場が八潮にあり、そこに目を付けたパキスタン人が移り住んできたのが発端なのだとか。その名も通称「ヤシオスタン」!人が移り住めば食文化もやってくるわけで、「現地そのままのパキスタン料理が食べられるらしいよ」と聞けば行かずにいられません……!

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うっかりすると筑波まで行ってしまう電車。

とはいえ当初は「八潮ってどこ」だったのですが(すいません…)、秋葉原からつくばエクスプレスに乗り、20分ほどで埼玉県・八潮駅に到着! なんだ、意外と近いのねー。

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ここはもう埼玉!

お目当てのパキスタン料理店が集まるエリアは駅から徒歩20分ほど。タクシーかバス、もしくは……もっとも有名なパキスタン料理店「カラチの空」の店主携帯に電話(webに携帯番号が出ている)すると駅まで車で迎えに来てくれるのだとか。斬新だなあ。そして、パキスタンはムスリムの国なのでお酒は飲まないのですが、「日本人で飲む人は途中の酒屋で持ち込みの酒を買えるよ」と店主談(ただし、店内では目立たぬよう控えめに飲むべし!)。

1.とりあえず行くべきは王道店。〈カラチの空〉

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情報量多めの看板。

このエリアに集まるパキスタン料理店は3軒。「ここまで来たなら全部ハシゴするぜ!」と気合い満々で1軒目「カラチの空」へゴーゴー。

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大きな公園の前に突然現れるパキスタン。

看板には「インドパーク料理」。インド+パキスタン料理の意味かな?

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みんなウルドゥー語しゃべってる!

店内にはスパイスの香りが漂い、壁にはモスクの写真。テレビにはパキスタンの衛星放送が流れ、何よりお客のほとんどがパキスタン人の皆さま! 

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聞くと訳してくれるウルドゥー語メニュー。

きちんとした日本語メニューもあるけど、ウルドゥー語メインの手描き黒板が一番詳しそう。

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粉とか豆とか缶詰とか山積み。

パキスタン食材も売ってます。地元のパキスタン人が普通に買い物に来るそうで、店の人と話し込んでいる様子を見ると社交場になっているのがよくわかる。

本式のレシピで作られる、まだらの色が美しいビリヤニ

さて、ここに来たなら何はなくとも食べるべきはビリヤニ!

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3人分くらいあるけど1人分です。

バスマティライス(長粒米)と肉を炊きこんだパキスタンの国民食ですが、チキンビリヤニは毎日、マトンビリヤニは週末になるとメニューに登場します。

今日はチキンビリヤニ!ご覧ください、このカラフルな米……。ビリヤニというと米と具を一気に炊きこんでしまう店も多いのですが、こちらは、ごはん、カレー、ごはん、カレーと層にしてから全体を混ぜる本式のレシピ。ごはんがまだらの色になるのが、その証なのです。

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ヨーグルトにもさりげなくスパイス。

食べれば、カルダモンをはじめスパイスの香りがふわっと広がる!添えられたヨーグルトソースをかけながらいただきます。軽いので、もりもり食べられちゃうな。

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溶けゆくバターのかたまり最高!

さらに骨付きマトンが入った「菜の花のカレー」もはずせない。店主のザヒッドさん曰く、「パキスタンには菜の花がたくさんあって、ほうれんそうよりもよく食べるんです。ピューレ状にするカレーが定番で、ポイントは仕上げに加えるたっぷりのバター!」。わー、たしかにバターのかたまりが溶けてゆく……でもこの組み合わせ、おいしいに決まってる!

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全女子が愛するチーズと小麦粉味。

一緒に食べるのはチーズナン。ふかふかの生地の中からあふれるとろけるチーズが背徳の味。炭水化物サイコー!

2.シャンデリアの下で食べる、スナックの居抜きビリヤニ。〈シャージ〉

だがしかし、調子に乗って食べているとあっという間におなかがいっぱいになるのが罠。ハシゴをするつもりなら、ほどよく食べてお持ち帰りにしましょう。

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住宅街に突然現れます。

お次は「シャージ」へ。入り口が2カ所あり、ひとつは食材店、もうひとつがレストランになっています。

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シャンデリアが逆に中東風。

おお。入るとすぐにわかるスナックの居抜き感。シャンデリアがまぶしい!そして妙に落ち着くわー。カウンターの中(!)にタンドールがあるのでナンを食べるのもよいのですが、食べ比べてみたくてマトンビリヤニを。

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しつこいようですが3人分ある。

先ほどに比べて茶色感が強い米。でも、まだらなので本式の作り方なんだろうなー。一食目のビリヤニを食べた直後だと、使っているスパイスが全然ちがいそうなことがわかる。これもまたうまいわー!

3.男女は別々の席でいただく、カーテン越しの豆カレー〈アルカラム〉

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右のドアは女性専用の入り口。

相当お腹いっぱいでも、ここまで来たら最後まで行く!ラストは「アルカラム」。3軒の中で一番広く、日本のお店っぽくない雰囲気です。

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カーテン越しに店内を眺めるスタイル。

入ると女性客はカーテンの奥の席へ通される。そう、パキスタンでは男女別々の席なんですよねー。実は入口も別々で、女性用の小さなドアもある。

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写真があるだけ親切な日本語メニュー。

これまでの店にはなかった現地料理が多いのも特徴。麦や豆、肉をとろとろになるまで煮こむ「ハリーム」、骨付き肉の煮こみ「ネハリ」(なんと現地では朝食メニューらしい)など、食べてみたいものがいろいろ……。でも、これらは出す曜日が決まっているのです。この日は置いておらず、「今日はチャナアンダ(ひよこ豆のカレー)がとてもおいしい」だそうなのでそちらにしてみた。

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地味だけどめちゃうまでした。

食べてみると、さすが煮こみ料理の国……びっくりするほど繊細! 豆のとろけ具合が絶妙だなー。そして、インドともちがうスパイスの力強さ。上にのった生しょうがも効いている。

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焼き立てあつあつをちぎります。

そして焼きたてのロティも全粒粉で香ばしく、このカレーにとてもよく合う。その日のオススメを食べてよかったわー! 
 
ああ、それにしてもお腹いっぱい……両手にいっぱいお土産を持ち、つくばエクスプレスに乗り込めばそこはもう秋葉原。なんだか不思議な気分だわー。でも、ちょっとだけパキスタン旅行気分を味わえたような、近くて遠いヤシオスタンなのでした。

今回訪れたお店

〈カラチの空〉
■埼玉県八潮市中央1-7-11 三木ビル1F
■048-933-9888
■11:30~23:00LO

〈シャージ〉
■埼玉県八潮市中央1-21-3
■048-998-5398
■11:00~15:00、17:00~22:30(土日11:00~22:00)

〈アルカラム〉
■埼玉県八潮市中央1-8-10
■048-949-6878
■11:30〜23:30(ランチ11:30〜15:00)
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ツレヅレハナコの電車メシ
前回「三崎港で生まぐろ」編はコチラ
これまでの連載はコチラ

※今回紹介した内容は取材時のもので現在は異なる場合があります。

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