手掛けるのは、元寿司職人や本場で修業したフレンチシェフ。 気鋭シェフが手掛けるベーカリーカフェ3軒。【東京】絶品モーニングやランチが楽しめる! FOOD 2020.06.21

単なるベーカリーカフェと侮ることなかれ。元寿司職人や本場でフレンチ修業したシェフが手掛ける、料理に昇華された逸品の数々に舌鼓すること間違いなし。朝食やランチに訪れたい東京都内のベーカリーカフェをご紹介します。

1.〈カタネベーカリー〉

パンは夕方まで次々と焼き上がる。ガラスケースごと持って逃げたくなるほど、どれもおいしそう。
パンは夕方まで次々と焼き上がる。ガラスケースごと持って逃げたくなるほど、どれもおいしそう。

職人気質の片根大輔さんと、料理上手の奥さま智子さん。毎年家族でフランスへ出かけ、アパルトマンで暮らしてバカンスを過ごす。そこでの発見がこの店をどれだけ充実させていることだろう。フランスのパン屋のように、〈カタネベーカリー〉は早朝7時から営業する。

地下に併設されたカフェは、早朝から営業。薄暗い空間がやすらぎを与える。
地下に併設されたカフェは、早朝から営業。薄暗い空間がやすらぎを与える。

地下のカフェに下り、旅行気分で、「パリの朝食セット」を頼む小さな贅沢。

パリの朝食 700円
パリの朝食 700円

「パリの一ツ星か二ツ星の、安いホテルの朝食をイメージ」と、片根さんは笑う。素っ気ない食堂のテーブルに置かれるカゴ盛りのパン、そのおいしさに感動した記憶が甦る。特に謳うわけではないけれど、このパンには、片根さんのありったけの技と情熱が注ぎ込まれる。

クロワッサン 160円、パンオショコラ 170円。美しいダークブラウンに焼き込んだ皮がバターの香ばしさを演出する。
クロワッサン 160円、パンオショコラ 170円。美しいダークブラウンに焼き込んだ皮がバターの香ばしさを演出する。

クロワッサンをひとかじりしたとき、流れ込んでくる圧倒的なバターの香ばしさは、きちんとバターを折り込み、焼き込む、という職人仕事の積み重ねからしか生まれないものだ。

サラダセット(ヨーグルト付き)1,000円。パリのビストロを思わせるボリューム。
サラダセット(ヨーグルト付き)1,000円。パリのビストロを思わせるボリューム。

カフェで出てくる食器やカトラリーが素敵だなぁと思っていたら、隣にセレクトショップ〈アコテ〉もオープン。カタネテイストの雑貨を多数取りそろえているので、こちらも注目。

バニラ 140円。ザ・フランスのおやつ。ただごとではない香ばしさ。
バニラ 140円。ザ・フランスのおやつ。ただごとではない香ばしさ。
パンオレザン 200円。カスタードとあふれんばかりのラム酒の芳香。
パンオレザン 200円。カスタードとあふれんばかりのラム酒の芳香。
パンアングレ 280円。毎日食べたいパンとはこれのこと。
パンアングレ 280円。毎日食べたいパンとはこれのこと。
長時間発酵のフランスパン 200円(大)。軽いのにここまで味わい深いとは。
長時間発酵のフランスパン 200円(大)。軽いのにここまで味わい深いとは。

〈カタネベーカリー〉
フランスパンは7:00・10:30・16:30、クロワッサンは7:30・13:30・17:30に焼き上がる。
■東京都渋谷区西原1-7-5 
■03-3466-9834
■7:00~18:30(カフェ~18:00LO) 月、第1・3・5日休 
■6席(地下のカフェ14席)/禁煙

2.〈CAMELBACK sandwich&espresso〉

渋谷 CAMELBACK sandwich&espresso
カウンターで一息。
カウンターで一息。

この店で心血が注がれていないものはなにもない。最後の一滴まで最高の抽出を狙う鈴木啓太郎さんのエスプレッソ。

注文を待つ間はショータイム。寿司屋で鍛えられた成瀬さんの鮮やかな手さばきを見て過ごそう。1個に魂が込められる。
注文を待つ間はショータイム。寿司屋で鍛えられた成瀬さんの鮮やかな手さばきを見て過ごそう。1個に魂が込められる。

具材同士のマリアージュ、口に入るときの噛みごたえ。微に入り細にわたってこだわる、寿司職人出身・成瀬隼人さんが作るサンドイッチ。

渋谷 CAMELBACK sandwich&espresso

パンマニアにはうれしい、近隣の名店3軒、〈カタネベーカリー〉〈365日〉〈タルイベーカリー〉で仕入れたバゲットそれぞれに合わせた具材で作られる。

「パルマ産生ハムと大葉、ゆずとバターの香り」700円
「パルマ産生ハムと大葉、ゆずとバターの香り」700円

「パルマ産生ハムと大葉、ゆずとバターの香り」には王道のカタネバゲット。

「ブリーチーズ、リンゴ、蜂蜜のハーモニー」800円
「ブリーチーズ、リンゴ、蜂蜜のハーモニー」800円

「ブリーチーズ、リンゴ、蜂蜜のハーモニー」には、発酵種が香るタルイバゲット。

もちもちのコッペにサンドする「すしやの玉子サンド」380円。
もちもちのコッペにサンドする「すしやの玉子サンド」380円。

もはや奥渋谷名物となった「すしやの玉子サンド」。卵焼き器を縦横に操り、毎日数時間かけて焼き上げた卵焼きはまるでスフレのエアリーさ。サンドイッチを芸術に高めた。

〈CAMELBACK sandwich&espresso〉
フリーハンドで描かれたORDERの文字が。バゲットサンドはそれぞれダブルサイズもある。オーダーが入ってからトーストして仕上げていく。
■東京都渋谷区神山町42-2
■03-6407-0069
■10:00~19:00 月休 
■ベンチあり/店外喫煙可

3.〈griotte Bakery cafe〉

目黒 griotte Bakery cafe

フレンチとパンの融合を目論む、最も若い世代が小島正義シェフ。食の都リヨンでフレンチ修業をした。「食べてました。ケーキ、チョコ、パン…。二ツ星、三ツ星のレストランはすべて行きました。フロマージュブランを1ℓ食べたり」。なんという食いしん坊。この人ならまかせて大丈夫だ。

1軒でパンも惣菜もそろえ、デリとしての機能を果たす。

手前から左回りにパンイタリアン 130円、バゲット(ハーフ)140円、フムス 200円、にんにくコンフィとクリームチーズ 300円。
手前から左回りにパンイタリアン 130円、バゲット(ハーフ)140円、フムス 200円、にんにくコンフィとクリームチーズ 300円。

各種のペーストにフランス仕込みの辣腕は発揮される。にんにくコンフィとクリームチーズは、芳醇さがオリーブオイルによって引き延ばされる。ひとすくいパンに塗るだけでビストロのような食事になる。

クロワッサン 230円
クロワッサン 230円
ジンジャーオレンジ 270円(各税込)
ジンジャーオレンジ 270円(各税込)

クイニーアマンのユニークな造詣感覚。焼きこまない白いクロワッサン生地が発散する生々しいバターの香り。磯の香りを感じさせるきつめの塩と甘じょっぱくコラボする。

〈griotte Bakery cafe〉
取り置き可、地下にイートインスペースあり。コーヒー 280円、グラスワイン 600円(各税込)。
■東京都目黒区東が丘2-14-12
■03-6314-9286
■8:00~19:00 月休(祝の場合、翌火休) 
■10席/禁煙

(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo : Keiko Nakajima text : Taeko Terao edit : Kahoko Nishimura)

【お知らせ】Hanako.tokyoでは基本的に本体価格を掲載しておりますが、2019年10月1日の消費税率改定以前に取材・掲載した記事にある(税込)表記の金額については、旧税率での掲載となっております。ご了承下さい。

Videos

Pick Up