都内にいながらパリジェンヌ気分。 ここはパリ!?【東京名店】フランスのエスプリ詰まったおしゃれベーカリー3軒 FOOD 2019.09.12

本場で修行したシェフや対面式といったインテリア、パンのラインナップなど、フランスのエスプリが詰まった東京都内のおしゃれベーカリー3軒をご紹介します。

1.〈Boulangerie BONNET D’ANE〉/三軒茶屋

三軒茶屋 Boulangerie BONNET D’ANE
三軒茶屋 Boulangerie BONNET D’ANE
三軒茶屋 Boulangerie BONNET D’ANE
三軒茶屋 Boulangerie BONNET D’ANE
荻原浩さん/パティシエとして渡ったパリでパンと邂逅を果たし、ブーランジェに転身。五反田〈パン オ フゥ〉 のシェフを経て、〈ボネダンヌ〉を開店。
荻原浩さん/パティシエとして渡ったパリでパンと邂逅を果たし、ブーランジェに転身。五反田〈パン オ フゥ〉 のシェフを経て、〈ボネダンヌ〉を開店。

顔は日本人だが、精神はフランス人。荻原浩さんはそういう人である。「フランス人は香りを重視する人たち。フランスのパンの特徴って香りがあること」。バゲットの皮にあるフランス産小麦の甘い香り。中身からは穀物的ないい風味が鼻へと抜けていく。

これは荻原さんが修業したパリのパン屋のバゲット・トラディションを再現したもの。パリの端っこにあったその店を「パリでいちばんおいしい」と言い、いまだに深く愛している。

バゲットを使って作られるサンドイッチ、ジャンボン・フロマージュ。荻原さんはジャンボン・ド・パリ(パリのハムという意味)によく似たもも肉のハムをわざわざ探して、グリュイエールチーズとともにはさむ。

ジャボンブール 400円(各税込)
ジャボンブール 400円(各税込)
自家製木いちごのジャムとフレッシュバターのタルティーヌ 280円
自家製木いちごのジャムとフレッシュバターのタルティーヌ 280円

木いちごのジャムのタルティーヌ。バゲットに塗られた自家製フランボワーズジャムの情熱的な甘酸っぱい香りとバターの甘さ。「ハマる人が続出しています」と言うとおり、取材時「ジャムだけ売って」と懇願するおばさんに遭遇。

プラリネショコラのタルティーヌ 320円
プラリネショコラのタルティーヌ 320円

バゲットにプラリネを塗る贅沢。犯罪的なほどすばらしいチョコの香り。

ショコラ フランボワーズ 250円。チョコとラズベリーのマリアージュにため息。
ショコラ フランボワーズ 250円。チョコとラズベリーのマリアージュにため息。
ダンヌマルク 280円。ピーカンナッツとメイプルシュガー。
ダンヌマルク 280円。ピーカンナッツとメイプルシュガー。

荻原さんのフランス愛は三宿付近をじわじわと浸食しつつある。

(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo : Akiko Mizuno,Youichiro Kikuchi)

2.〈ヴィロン 渋谷店〉/渋谷

渋谷 ヴィロン
プティ・デジュネ 2,000円。ヴィロンの2階ブラッスリーで、朝9時~11時限定。
プティ・デジュネ 2,000円。ヴィロンの2階ブラッスリーで、朝9時~11時限定。

朝9時の〈ヴィロン〉ほど悦楽に満ちた場所はない。バゲットに、クロワッサン、パン・オ・ショコラ。ヴィエノワにショソン・オ・ポムさえも。大きなバスケット山盛りになったパンから、好きなものを選ぶ。トレイの上の6種類のコンフィチュールはジャムの王様と呼ばれる「フランシス・ミオ」。のみならず、ベルギーのチョコスプレッドとパリ〈レザベイユ〉のはちみつ。これらは塗り放題なのだから、ヴィロンのパンへの冒涜だとそしられようが、たくさんつけすぎずにいられない。

この店のパンがフランス的な理由。小麦粉はフランスの最高級品レトロドール、水は高硬度のコントレックスをブレンド、オーブンはボンガード、ミキサーも分割機もフランス製。このブラッスリーに座って、天井に反射した赤い光を浴びながらプティ・デジュネを食せば、自分がいるのが渋谷なのか、ジョルジュ・サンクなのか、見失ってしまう。

ジャンボン・ブール 600円。これを食べずにサンドイッチを語るなかれ。
ジャンボン・ブール 600円。これを食べずにサンドイッチを語るなかれ。
カヴァット 350円。カスタード、チョコチップ。
カヴァット 350円。カスタード、チョコチップ。

(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Youichiro Kikuchi, Akiko Mizuno)

3.〈Boulangerie et Café Main Mano〉/代々木上原

Boulangerie et Café Main Mano 代々木上原
Boulangerie et Café Main Mano 代々木上原
「ミニクロワッサン」(60円)
「ミニクロワッサン」(60円)
「クリームパン」(170円)
「クリームパン」(170円)

〈マンマーノ〉でぜひ食べてほしいのは、なんといってもクリームパン。カスタード、というよりクレーム・パティシエールと呼びたい。バニラの芳醇さ、ミルク、卵。フランスのレシピそのままというこのクリームは、溶けるごとに、内側からぷんぷんとさまざまな香りが飛び出てくるのだ。

マンマーノブレッド(角食)も秀逸。ヨーグルトの乳清から起こした種を使うという優れたアイデア。自家培養なのにふわふわで、さわやかな甘酸っぱさがある。

「バゲット」(350円)
「バゲット」(350円)

フランスでの経験は食事パンにもいかんなく発揮される。フランスの水の硬度に合わせ、バゲットはevianで仕込む。カリカリの皮にはいかにもフランス産小麦らしく、バターのようなコクと甘みを含む。後味はミネラリーににじみ、舌をじんじんとさせる。

「焼きカレーパン」(310円)
「焼きカレーパン」(310円)
「パンオショコラ」(330円)
「パンオショコラ」(330円)

(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo : Youichiro Kikuchi, Akiko Mizuno text : Taeko Terao, Tomoko Matsumoto edit : Rie Nishikawa)

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