神戸、芦屋で気ままにパンハント…〈パンやきどころRIKI〉〈たかやマルシェ〉〈Wada〉
2019.05.20

花井悠希の朝パン日誌 vol.46 神戸、芦屋で気ままにパンハント…〈パンやきどころRIKI〉〈たかやマルシェ〉〈Wada〉

1年の中でも最高にフレッシュで心地よい気候の今。カラリとした風に、新緑がニコニコと微笑み、お日様はグッドコンディション。お散歩が弾む今こそパン屋さん巡りへ出かけなくっちゃ。この所お仕事と旅行で兵庫県へ度々訪れていたので、神戸と芦屋をパン散歩してきました。

花井 悠希 / ヴァイオリニスト

「三重県出身。三重県四日市市観光大使。3歳よりヴァイオリンを始める。 2010年4月21日コロムビアよりデビュー。〈1966カルテット〉メンバー。http://columbia.jp/hanaiyuki/

花井 悠希
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パン好きの血が騒ぐ…〈パンやきどころRIKI〉

神戸元町の中華街を抜けた先、行列を目にしたらそこが〈パンやきどころRIKI〉さん。大人気のパン屋さんで、以前訪れた夕方にはすっかりパンがなくなっていたので今回はお昼前に来てみました。
小さな店内に入るとパン好きの皆様の興奮が伝わってきて、私もヒートアップ。とはいえ大混雑なので直感に任せて選んでみました。

「カフェパン」

ふわんふわんの口溶け滑らかな生地。いかにしてこの子がこんなにたっぷりでとろとろのクリームを抱えているのか考えてしまうほど、少し揺り動かしたら底が抜けてしまいそうな柔らかい生地です。

そっと抱えられたクリームは自家製のコーヒーカスタードクリーム。トロトロと揺れるクリームの、蜂蜜のようなこっくりした甘さと卵の風味が広がると、足取りゆっくりに近づいてくるは穏やかなコーヒー味。苦味は抑えめにコーヒーのテイストがふわっと掠めます。生地もクリームも穏やかな中に滲むコーヒー味が只者じゃない感を匂わせて、奥行きのあるクリームパンでした。

「エスカルベーコン」

【エスカルゴバターと大山ベーコンを包みました。※エスカルゴは入っていません。】との説明を読むや否やトレイにインしたのは紛れもなくこの私です。高校生の頃からサイゼリヤでエスカルゴを頼むほど、エスカルゴバター味が大好きなのですよ(エスカルゴ自体も好き)。それをパンで包んでくれるなんて、ありがとう!ありがとう!!(誰に向けて?)

やはりリベイクすると香ってきますよ、あの香りが。なんて食欲を刺激する香りなのでしょう(感涙)。ゴロッと角切りのベーコンは肉肉しく、絡みつくガーリックの効いたエスカルゴバターにも負けない強さで応戦します。そこにうっすら塩気のあるハード生地も参戦して、ガツンとした旨味のパンチが畳み掛けるように繰り出されます。惜しみない旨味の連打に、鳴り止まないゴング、(私的)歓喜のバトル、ここに有り!

「ピスタチオミルクのシャンブレ」

「うわあー!なんだこれー!!」(←語彙力のなさね)と一口食べて見やってしまいました。
一噛みするや否や感じるのはたっぷりのバターのコク!聖なるバターの母に抱きすくめられ、しばしの間目を閉じて味わいましょう、このミルククリームの旨味を。そこにすかさず前へ飛び出してきたのはピスタチオ!青々としたさわやかなピスタチオの味わいがバターに波乗りするが如くスルスルと広がっていきます。

そんなクリーム達の楽しそうな光景に額縁のような役割をするシャンブレの生地。カリッと香ばしさを放ちつつもピスタチオクリームを活かしてたてるバランス感には、グッジョブとサムズアップを繰り出したくなりました。

フレンチシェフのブリオッシュ食パン…〈たかやマルシェ〉

約1年前に載せた神戸〈Boulangerie La Lune〉(記事はこちらから。)でもブリオッシュを食べていた私。神戸はブリオッシュ人気の街なのか、はたまた私がこの地に来るとブリオッシュモードにスイッチが入るのか。
芦屋に着いて、まず向かったのは〈たかやマルシェ〉。芦屋のフレンチ〈メゾンドタカ〉の高山シェフの作るテイクアウト専門店が〈たかやマルシェ〉。フレンチ惣菜から焼き菓子まで食の好奇心を刺激するラインナップで心踊ります。その中で私がロックオンしたのは「ブリオッシュ食パン」。

それはそれは綺麗な黄身色で、窓際に飾り光でさらに輝く黄色を一日中眺めていたいほどの美しさです(そうなんです、重症なんです)。きめの細かさだって、しなやかさだってもうこの見た目に全て現れています。大人になると内面が顔に出てくるっていうもんね(顔なの?大人なの?)。そのまま頂くのも絶対に裏切られない美味しさが宿っていると分かりつつも、ブリオッシュをトーストした時の変容を見たい性があるため(どんな性だ)今回はトーストをチョイス。

(なのに若干トーストし過ぎてしまい、黄金色が伝わりづらいのが大変悔やまれます…。)

トーストするとふわんふわんの雲のよう。ふかふかで、湿っぽさゼロです。ほらね、これですよ、私が待っていたブリオッシュの変化(へんげ)。卵にバターに牛乳がたっぷりのブリオッシュだから成せる、この浮かぶような軽やかさ。口当たりはしっとりで触れたら最後。もう私もあなたも虜です。
卵の黄身のコクを感じるスポンジケーキのような風味と口当たりはどれだけ贅沢に材料が使われ丁寧に焼かれているかの証。でも甘さはおしとやか。しつこさなんてきっと辞書にはない自然さでそっと甘さを広げます。口内に残る余韻は幸福以外の何物でもありません。
半分のサイズで購入してしまったけど、今度は一斤で買って、そのままとトーストと二度味わいたいという新たな夢が生まれました(小さな夢は沢山持っている方がいいよね)。

愛され者のブリオッシュ…〈boulangerie Wada〉

さてさて、せっかく初めての芦屋散策ですもの。もう一件パン屋さんを訪れました。小さな店内、中にも上にもぎっしりとパンが並んだショーケース。パン屋さんの好きな光景が広がっています。
ぎっしりということは、それだけパンの種類が豊富ということ。わりと優柔不断な性格の私はしばし、うーんと立ち止まってしまいます。そしてパン皆が挙手して手招きしてくる様が見え始めると(←病)もうお手上げ。選べません。そういう時は素直にお店の方に相談します。
「初めて訪れたのですが、オススメってありますか?」その答えに胸を打ち抜かれてしまいましたワタクシ。「私は毎日食べたいほど好きです。」ってオススメして下さったのは「ラズベリー&ピスタチオのブリオッシュ」。
あのお姉さんの少し照れたような笑顔が素敵で忘れられません。きっと一目惚れってこんな感じなのでしょう(そうなの?)。そんなことを聞いたら買わずにはいられません。

この幸せ者め!あんなに愛されているんだぞ。そのまま頂きます。サクリと表面は軽く、歯切れよいブリオッシュ生地。なるほど天井の下には空洞が出来ているから、このスッと切れる軽さが出るんですね。そしてこの空洞の空気が好きなんですよ。これまでの朝パン日誌にも出てきますが、空洞の空気って隠れたご馳走。食べた人しか辿り着けない(そりゃそうだ)香ばしくて甘さも閉じ込められた空気…これぞパンの秘境!

そして生地とは違う質感の、湿度高めな柔らかジューシーなピスタチオクリームがやってきました。ピスタチオクリームがその独特の風味の世界へ軽やかに誘います。強引な力技じゃなく、お茶でもいかが?とばかりに上品な誘いに手を引かれ伸びやかにピスタチオが揺らめく世界へ。そこに木苺ジャムがプチリと遠慮がちに弾け、そっと酸味と甘みを差し出します。その阿吽の呼吸というか信頼関係は、幼い兄と妹のよう(当方多少妄想入ってます)。
お姉さんの言葉に私も賛成です。「毎日食べたい。」そっとここでお伝えします。

大切に焼かれたパン達から美味しさだけじゃなく温もりももらった神戸・芦屋のパン巡り。頂く私達も、たっぷりの愛情で向き合わないといけませんね。食べることで間接的に愛情を受けとるこの感じ。小さなパンに宿る愛情、ご馳走様でした。

☆前回の記事はコチラから
☆『花井悠希の朝パン日誌』連載一覧はコチラから

花井 悠希

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