私の故郷を紹介します…〈teto〉と〈café Attente〉
2019.04.01

花井悠希の朝パン日誌 vol.43 私の故郷を紹介します…〈teto〉と〈café Attente〉

エイプリルフールの朝ですね!残念ながら気の利いたパンにまつわるウソの一つも用意しておりませんが(やっちまった…)、新年度最初の朝パン日誌もどうぞお付き合いくださいませ。今回は4月1日、新生活の始まりの日という事で原点に返る回にしようかと!私の故郷三重県いなべ市のパン屋さんを、改めて自己紹介としまして(?)ご紹介します。遠いよ、の声聞こえますがお許しください(笑)。

花井 悠希 / ヴァイオリニスト

「三重県出身。三重県四日市市観光大使。3歳よりヴァイオリンを始める。 2010年4月21日コロムビアよりデビュー。〈1966カルテット〉メンバー。http://columbia.jp/hanaiyuki/

花井 悠希
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そのドアを開けたら…〈teto〉

ここにパン屋さんあるのかな?少し不安になりながら静かで綺麗な住宅街へ車を進めると発見!小さく可愛らしいベーグル屋さんです。

「ホワイトチョコメロンベーグル」

お店のドアを開けた途端に目があって、ものすこい吸引力で引き寄せられたこの子。もしベーグルがメロンパンの仮装したら?みたいな(何その状況)ルックスにやられます。そしてトップはメロンパンらしさ100点(亀らしさも100点)なのに、持ち上げて下から覗けばお尻はありのままのベーグル。この頭隠して尻隠さず感にさらにキュンと来てしまった私です。

小さいサイズ感ですが、持ち上げると程よくずしっと重みがあります。トップのクッキー生地は砂糖のシャリっと感も残りズバリメロンパン!な甘いテイストですが、すぐ下に控えるのは甘さを抑えたもちっとしたむっちりボディ。そうそうベーグルってこうでなくっちゃ、なベーグル好きさんも納得の生地感です。温めずにありのままの生地の弾力、香りを楽しみます。するとベーグルの中に閉じ込められたホワイトチョコが、もちもちと弾力を楽しみウォーミングアップが完了した口内で、じわっと滲みます。前回も書きましたがチョコレートが体温で溶けるのってやはりズルい。生地と寄り添うのに、全く別の余韻を口内に残して後を引かせるんだもの。チョコレート、恋敵にはしたくないわ。(なんのこっちゃ)。

「レモンクリームチーズベーグル」

この子も同じプレーン生地でもちもち感、機嫌模様!弾力豊かでありながら圧迫感はなく歯切れがいいのもこちらのベーグルの特徴です。もっち、もっち、と一定のテンポを刻む合間を縫って、レモンピールとクリームチーズのアンサンブルを楽しむ余裕も与えてくれます。

しっかりと苦味が引き出されたレモンピールでキリッとアクセントを光らせたと思ったら、クリームチーズが柔和なムードで大きなフレーズにまとめ上げる。クリームチーズのコクがベーグル生地とまたピタリとよく馴染むこと!ソリストがこの子達で、生地のもっちもっち部隊はオーケストラですね。今一度ベーグルにクリームチーズを初めて入れようとした人に大きな拍手を!(司会者か)

「紅茶クランベリーホワイトチョコベーグル」

生地が口内を縦横無尽にバウンスしていく度に、紅茶が香る香る!踊る踊る!!ぎゅっとベーグル生地の中に閉じ込められていた分、解き放たれたかのように羽ばたいていく紅茶の香りが生き生きとしていて、ついついその行方を見守りたくなります(親心)。

そこに大きくジューシーなクランベリーが弾け、ホワイトチョコが奥ゆかしく主張して絡みます。そう、もう言葉はいりませんね(←あ、逃げた)。うっすら温めると、むちっとした食感からほわっと柔らかな丸みが生まれて、チョコも少し溶けて、異なる質感を楽しめます。そしてみんなの顎に優しくなります(ベーグル顎疲れる問題ね)。

小さなお店で、早めに売り切れてしまうこともあるそう。和菓子テイストのベーグルからお食事系のベーグルまで種類もいろいろ。その日その時のベーグルとの出会いを楽しんでくださいね!

湯気の記憶…〈cafe Attente〉

私が生まれ育った街いなべ市北勢町から岐阜県へと抜ける時に通る国道306号線は、我が家定番のドライブコース。山を近くに感じ深い森を抜けていくあの気持ちよさには、どこか遠い所へ旅に来たようなワクワクが含まれていて、幼い頃も今も変わらない気持ちに帰らせてくれる道です。そんな森を抜けた所に現れるログハウスの一軒家が〈cafe Attente〉。ドライブに出掛けると〈アタント〉でお茶やランチをするのがお約束で、雨の日や晴れの日、雪の日まで様々な自然の色に彩られたアタントが私の中に積み重なっています。そしてその記憶の中でなくてはならないものが、ホカホカの湯気と香りの中、薪釜で焼き上がるパンの風景。

「コーヒーパン」

歯切れよくふわっと温もりのある口当たり。表面を薄い皮がぐるりと囲みます。さくっと皮に歯が入るや否やコーヒーの香りと苦味がぶわっと開花して、赤ちゃんのほっぺたのようにふかふかで柔らかな生地に身も心も包まれます。

ここは行く時間帯によって焼きあがるパンが異なっていて、みんな暖炉を囲みお茶を飲みながら今は何パンかなぁ?なんて鼻をクンクンさせ想像しながらのんびり焼き上がりを待っています。そして〇〇パンが焼きあがりましたよーいる人ー?の明るいママの声を合図に貰われていくんです。その穏やかな時間を想像してみてください。ね、ここのパンはそういう温もりの近くにある味なのです。

「ポンデケイジョ」

アタントのパンの中で、大人になってから知った唯一のパンがこの子。他のパンはほとんど大きな楕円形で焼かれているのですが、この子は大きく空気を飲み込んだシュークリームのようなゴツゴツした形。これがまた一つ一つ違って愛らしくて手にしっくり馴染みます。持ち上げた瞬間からもちっと押し返してくる弾力に予感は的中。表面はカリッとした薄い膜が張りながらも内側はポンデケイジョおなじみの糸を引くようなモチモチが待っています。

でも予感の上を行くのがその風味。チーズの味わいがどんどん出てくるのですが、旨みがすごい。もっちり1回につき5旨み出てくるみたいな。この旨みというのがチーズのそれだけじゃないんですよ。それは薪で焼かれる香りからなのか、粉とチーズのバランスなのか、どう言葉にすればわからないほど芳しい香りと味わいが小さな一つから溢れています。これは事前に予約しておかないと買えないスペシャルパン。ママやスタッフの皆様が一つ一つ丸めて作ってくれているんだろうなって想像しながら食べると、もうニコニコが止まりません。ちなみに私的ポンデケイジョ界No.1に君臨しているのは間違いなくこの子です。

老若男女問わずみんなから愛されるお店とママとパン。遠くても、行ってみたくなりませんか?山々が間近にあり、四季の移ろいが目でも鼻でも肌でも感じることのできる三重県いなべ市。パンを通して口でも感じてみませんか?

☆前回の記事はコチラから
☆連載一覧はコチラから

花井 悠希

1周年を迎える東京ミッドタウン日比谷にて、1966カルテットが映画「ボヘミアン・ラプソディ」とコラボレーションするライブステージに登場します!観覧フリーなのでお気軽に遊びに来てくださいね! 4月5日18:00~/19:00~ 1Fアトリウム(特設ステージ)観覧無料 詳細は こちら!

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