神田の街で鉄分摂取の旅(前編)
2018.09.09

諸岡なほ子の『おいしいのりもの旅』第14回 神田の街で鉄分摂取の旅(前編)

神田といえば、神田川はもちろん、祭りで有名な神田明神や学生の街、B級グルメといった多彩なイメージがありますが、実は鉄道にもゆかりのある街なんです。今回は、“鉄子”というほどではありませんが、若干鉄分多めの血を持つ私が、遠出をせず都心にいながらにして遠いどこかの終着駅に想いを馳せる、鉄分摂取の旅をご案内してみます。

諸岡 なほ子 / ハナコラボ#001

「モデル・タレントとして活躍。『世界ふしぎ発見!』のレポーターとして世界各国を旅してきた旅の達人。」

諸岡 なほ子
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レトロな食堂車ランチを体験、〈神田鐵道倶楽部〉

今回のデスティネーションは、近場も近場、JR神田駅の改札(地下鉄銀座線乗り換え口方面)を出てすぐのところにあります。徒歩10秒。その名も、〈神田鐵道倶楽部〉。奥まったところにあるガラスの扉の横には、駅名や数字が並ぶ東北本線の時刻表。なんだか、扉が開くと異次元に迷い込んでしまいそうな雰囲気です。

入ってみると中はこんな感じ。カウンター席の周りには、赤羽、弘前、仙台、鳴子温泉、中軽井沢、門司港…と、いろいろな行き先の書かれた、いろいろなタイプの古びた看板が、「さあ、どこへ行く?」とでも言わんばかりに、浮かんでいます。

「とき」と書かれたこのヘッドマークは、上越新幹線が登場する前、上越線の特急列車として活躍したボンネット型の先頭車輌についていたもの。ボンネット型の列車って、今は博物館などでしか見ることができませんが、ネバーエンディングストーリーのファルコンみたいでかわいいですよねぇ。

そんな、様々な鉄道調度品が並ぶこちらの〈神田鐵道倶楽部〉は、日本レストランエンタプライズ「NRE」が昨年オープンさせた鉄道バル。この会社、実は戦前の昭和13年に列車内でのレストランの営業をスタートさせた日本食堂が前身。つまり、食堂車や車内販売、駅構内での営業など、鉄道まわりの食に関する様々な役割を担ってきた会社なわけです。

最近で言えば、東北新幹線「はやぶさ」や北陸新幹線「かがやき」のグランクラスのアテンダントサービスなども。そうそう、新幹線の中でしか食べられない、スジャータのすごーくかたいあのバニラアイスクリームを販売しているのも「NRE」。そんな会社が、創業以来80年以上にわたって蓄えてきた鉄道と食のノウハウを詰め込んだ空間が、こちらの〈神田鉄道倶楽部〉というわけです。

ちなみに、こちらのワゴンは、2020年に引退が決まっている二階建て新幹線E4系専用の車内販売ワゴン。E4系には、ワゴンを各階に上げ下げするリフトが付いていて、それに乗せられるようにスリムな形をしているのだそう。

で、そのすぐそばにあったこちらの、非常ボタン。気になる。押すと電車が止まるという、大変なボタンです。お店の方が「押してもいいですよ」とすすめてくださったので、思わずポチッ。その瞬間、キーーッと言う音とともに車輪を軋ませながら列車は急停止…したりしたのかな。ドキドキ。本物は一生に一度も押す機会がないものかもしれないので、貴重な機会、かも?

そんなこんなで、博物館みたいな店内を見回している間に、注文しておいた食事が到着!「昔懐かしベロネーズ」。スパゲティミートソースにトンカツがトッピングされた、なかなかマッチョな一品。こちらはブルートレイン食堂車の名物料理だったそう。ちなみに、こちらのお皿は、2015年に引退した寝台特急「北斗星」の車内で実際に使われていたもの。こちらならでは、です。

では早速、いただきます。

揚げたてのカツはジューシー。茹でた後に一度フライパンで炒めるスパゲティは独特の歯ごたえ。まさに、昔懐かしの洋食。これを頬張りながら、車窓に流れる景色を眺め、ディスカバージャパンな旅がしてみたい。田園風景や深い森や宇宙みたいなトンネルの中。それが寝台特急で、遠慮なくワインなんか飲んで、ほろ酔いで、いつでもフルフラットの席で横になれるなんて旅だったら最高だなぁ。

妄想もほどほどに食事を終え、最後にデゴイチのヘッドマークの前で記念撮影をし、スイカ(他、鉄道系ICカード)でお支払いを。実は、スイカを使えば、ベロネーズ800円のところ、770円に。これぞまさにスイカ割。こうして、神田駅構内の鉄道バルで鉄分摂取した私は次なる鉄分摂取の旅に向かうのでした。

諸岡 なほ子

次回も鉄分摂取の旅、ついてきてくださいね〜(汗。

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