私の心は夏模様…〈HARU*BOUZ〉と〈ロータスバゲット〉
2018.08.20

花井悠希の朝パン日誌 vol.28 私の心は夏模様…〈HARU*BOUZ〉と〈ロータスバゲット〉

時折涼しい風が吹き、夏の終わりも近いかな?と感じる今日この頃。きっと皆様の頭の中にも井上陽水さんの「少年時代」がそろそろリフレインされてくる頃ではないかと思います(勝手な決めつけ)。小さな頃、小さかった手に握ったあのパンの甘さ、柔らかさ。子供時代のパンの記憶はどれもこれも優しいペールトーン。パンはご褒美なオヤツでした。パンとの淡い少年時代(少女ね)を引き寄せてくれるパンに、夏の東京で出会いました。

花井 悠希 / ヴァイオリニスト

「三重県出身。三重県四日市市観光大使。3歳よりヴァイオリンを始める。 2010年4月21日コロムビアよりデビュー。〈1966カルテット〉メンバー。http://columbia.jp/hanaiyuki/

花井 悠希
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切り株はあの日の入口…〈HARU*BOUZ〉

「ショコラ&クランベリー」

触れているだけでしゅわしゅわと溶けていってしまいそうなほどしっとりした生地。口内に入ればその期待を裏切らず、たゆーんと液体になってとろけます。

流れ出すその味は、皆小さな頃からよく知っているであろうチョコブレッド。幾重にも織り込まれたチョコレートシートが切り株のような模様を作る、あのパンです。幼い私の心を掴んで離さなかったあのチョコの味が急にやってきたものだから、両手広げて抱きしめたくなります。

あ!だからこの子切り株スタイルなのか!?みんなの記憶にあるチョコブレッドへのオマージュなの?(※個人の感想です。お店未確認)だとしたらもう、ちょっと泣けちゃうな。

でもね、この子。すぐ溶けていなくなっちゃうんですよ。そこで残されたのはクランベリー。プチンプチンとピチピチ感を振りまいて甘酸っぱさを弾けさせると、茶目っ気たっぷりにバイバイして遠くへいってしまいます。あぁなんとも甘くせつない……。これこそ初恋の味?

「レモン&パイナップル」

こちらは同じ質感の生地にレモンのシートが織り込まれたもの。しっとり柔らか生地は同じはずなのに、血の繋がった兄弟とも思えない。全くの別人がそこにいました。言うなれば、この子は麦わら帽子をかぶった少女。(背景はひまわり畑と青空でよろしく!)

夏の核心が煌めきます。ピッカピカに眩しい太陽を思わせるギュッとはっきりしたパイナップルとレモンの味。改めて、パイナップルを齧った時の脳内をトロピカルに染め上げる陽気さってすごいと思う。パイナップルとレモンがタッグを組んだらもう夏の王様さ。ぜひ夏の間に捕まえに行ってね。

小さな手に収まる幸福…〈ロータスバゲット〉

「VVコロネ」

コロネ!!!コロネも私の中で子供時代を猛烈に意識させるパンの1つ。パン屋さんで並ぶあのヤドカリスタイル(合ってる?)は、どうしても子供心に惹かれてやまなくて、あれがいい!とよくおねだりしていたような。

それが、〈ロータスバゲット〉さんはダブル!カスタードとチョコカスタードのダブルです!!幼き私がこの子に出会っていたら興奮が抑えきれなかっただろうな。よかった、大人になってから出会えて(よかったね)。

まずはカスタードから。もったりと卵の黄身を感じるコク深さ。和菓子屋さんが作りそうな少し硬めで甘みはちゃんとあるカスタードクリームは、昔からよく知っているカスタードの味。そのテリテリした見た目も相まって、昔ながらのクリームパンを彷彿とさせます。でもあのクリームパンと違うのは生地のソフトさ。ふわっと柔らか赤ちゃん肌仕上げとなっています。懐かしい様でいて、しっかり進化しています。

チョコカスタードの方はと言うと、ダークネス!(へ?)しっかりとしたチョコレート味が冴え渡ります。見た目のキャッチーさよりもオトナなテイスト。カスタードのまったり感は健在なのだけど、カカオの苦味や酸味、奥行きのある味わいもちゃんと健在なのです。

ちなみにクリームはきっちり爪先まで入れてくれています。爪先?先程はヤドカリと言ったけど、爪先立ちしているようにも見えるんですよね(知らんがな)。たわわにクリームが見える入口から食べ始めても、行き止まりまでクリームが入っているから寂しさを感じさせません。優しさ!

ぱっくり半分こしてね、ハイって手渡しする親子の姿とか兄弟の姿とかね、目に浮かびますよね。でも実際は兄弟とかだと(弟がいます)、大げんかなのよね。カスタードがいい!チョコがいい!!相手が先に欲しいと言ったものが欲しくなる。隣の芝はなんちゃらというやつです。しかし大人になった今、わたし、独り占め!!いえーい。よかった、大人になってから出会えて(2回目)。なんて、まだ暑さ残る脳でぼんやり振り返りましたとさ。

ちなみに〈ロータスバゲット〉さんで、他にも私が好きなのは「湯ごね食パン」。

生のまま触るとひやっと冷たいのは、しとしとと水分をたっぷりと抱えている証。手に吸い付いて離れないようなもっちり感を、焼かずにそのままハムハムと楽しむもよし、トーストして表面カラッと、内側モチモチっとのコントラストを楽しむもよしな、好みどストライクな食パンです(ちなみに私はトースト派)。

蝉の声も小さくなってきて夏も終盤。慌ててほったらかしにしていた絵日記を捏造していた頃が懐かしいです(遠い目)。次回には秋の入り口に差し掛かっているでしょうか。夏にやり残したことは今のうちに♪

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