森に浮かぶ球体と地元のごはんを〈inn the park〉で。
2018.08.12

諸岡なほ子の『おいしいのりもの旅』第13回 森に浮かぶ球体と地元のごはんを〈inn the park〉で。

泊まれる公園〈inn the park〉って知ってますか?雑誌でその近未来的な写真を見てからずーっと行きたかった、というか、見てすぐに予約をしてからずーっと楽しみだった、わが家の公園お泊りのハイライトを、今回はシェアしますね。

諸岡 なほ子 / ハナコラボ#001

「モデル・タレントとして活躍。『世界ふしぎ発見!』のレポーターとして世界各国を旅してきた旅の達人。」

諸岡 なほ子
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ホタルの飛ぶ静かな森の夜に、まさかの豪雨!?

今回の「のりもの」兼「宿」はこちら(←ほら、タイトル「おいしいのりもの旅」なので…汗)。森に浮かぶ白い球体。テントとツリーハウスとUFOをひとつにしたようなこのふしぎな物体で、一夜を明かします。入り口まで続く階段を上ると「ウェルカムオンボード!」なんて言われそうでしょ?(←無理やり?)でも、実はこの入口、茶室のにじり口のような低さで腰をかがめてヨイショと入る感じ。それもまたこどもと一緒だと冒険心をくすぐられて楽しめます。

と、いきなり本丸に突入しかけてしまいましたが、ここがどんな場所かというと…

静岡県沼津市にあるこの公園は、愛鷹(あしたか)運動公園。都内でいうと代々木公園と同じくらいの広さ(600,000㎡)があり、その一角に建つこちらの建物はかつて「沼津市立少年自然の家」として多くのこども達が林間学校などで利用してきた施設。それをリノベーションしたのが、「東京R不動産」などで知られる設計事務所オープン・エー。運営しているのも、オープン・エーの子会社なのだそう。素敵な造りなわけです。

写真のこの場所はサロンと呼ばれるスペースで、宿泊者は滞在中23:00〜7:30以外の時間帯で自由に利用できます。

サロンの脇にあるカウンターでチェックインを済ませ、渡り廊下みたいな通路や屋外ダイニング、そして、こんな森の中の小道を歩いていくと、球体テントやドーム型テントが並ぶ一角があります。

トトロの出てきそうな森。ラピュタみたいに浮かぶテント。原始植物の胞子が舞っているようでもあり、不思議な眺めです。

中はこんな感じ。プラネタリウムみたいな天井の下に、ベッドが2台。テントの透明な部分からは外も見えます。換気口や網戸もあり、ついあちこち開けたり閉めたり。軽く30分くらいが過ぎてしまいます。テント内に水回りはありませんが、近くにサニタリー棟があり、トイレとシャワーが設置されています。

さあ、まずは広大な公園で思いっきり遊びます。が、「ママ、かくれんぼしよう!隠れてー」と言われて場所を探すも、隠れられそうな木が遠すぎて、息子が10数える間に息が上がる…。

ちなみにこちらは、近隣の住民の方々が愛犬と散歩されていたり、サッカー少年たちがボールを蹴っていたり、通常の公園としても利用されています。

汗をかいた後は、大浴場でさっぱりしてから、待望の晩ごはんタイム。天気が良ければ屋外ダイニングで野菜やお肉を焼いたりして食べられるようなのですが、この日は大きな雨雲が迫っており、あらかじめサロンで食事をとることに。

テーブルいっぱいに広げられたクラフト紙には、スタッフの皆さんからわが家への手書きメッセージが描かれていて、メニューにはあじさいが添えられていました。

で、とりあえずビール(笑)。注文したのは、静岡県の函南町で作られているクラフトビール「風の谷のビール」レッドエール。ナウシカが飛んできそうなこちらのビール、地元産の大麦や富士箱根山系の天然水で作られた、まさに土地の味。ホップのアロマと香ばしいエールビールのコクに幸福感がシュワシュワっとあふれます。

こちらも、沼津の地場野菜。「REFS」という生産者が、無農薬、無化学肥料で育てた野菜のバーニャカウダソース添え。地元のお店から仕入れたカンパーニュやスープも供されて、子育て世代にとって魅力的なコンセプトの食卓です。

お腹も膨らんできて、豚のスペアリブで終わりかと思いきや、メインは牛ステーキ、バーボンソース。十分美味しく頂いたんですが、これ、屋外ダイニングの炭火コンロで焼きたてをハフハフ言いながら食べたら、またより一層美味しいんでしょうね。

そんな、屋外ダイニングがこちら。満腹のわが家がテントに戻る頃には、こんな具合に山から霧が降りてきて、今にも雨が降り出しそうでした。真っ暗な森の中をこわいね〜」「トトロくるかな〜」なんて言いながらテントに到着。ベッドに寝転んで天井付近の窓から外を眺めていると、光がふわり。ん?ホタルです。すぐ近くに沢があり、そちら側の網戸を開いてじっと目をこらすと、数匹のホタルを確認することができました。息子、大興奮。あ、いや、私の方が興奮。自然からのサプライズです。

こうして、幸福感と浮遊感の中、就寝。しかし…バタバタバタバタッッッ!!!!と、夜中ものすごい音で目をさますと、外は猛烈な雨。時刻は午前3時過ぎ。夫も目を開けて「ヤバイね」と焦り顔。テント泊自体あまり経験がないのに、この雨、この音。恐ろしい想像ばかりが脳裏をかすめます。で、夫、何がヤバイって、この時すでにトイレに行きたくて仕方なかったようで、かなり長いこと迷っていたのですが、なんとか覚悟を決めて、傘をさし、慎重に階段を降りて、サニタリー棟へ行き、用を足し、ずぶ濡れで帰ってきました。ちなみに、不思議なことに、耳を塞ぎたくなるような雨の轟音の中でも、4歳男児は一度も目覚めることなく朝を迎えていました。

あくる朝、雨はまだしとしと。三人で傘をさしてサロンへ行くと、朝食が紙袋の中にセットされていました。中身はニンジンラペやポテトサラダ、ピクルスやジャムに食パン。これを持って、公園内のどこでも好きなところで食べていいというものなのですが、残念ながらの雨なので、またまたサロンでいただくことに。

しかし、エアコンの効いた広いサロンは、やはりテントに比べるととても快適で、大開口から公園を見下ろしつつ、のんびりといただきました。淹れたてのあたたかいコーヒーが、豪雨の恐怖におののいていた心を癒してくれます(苦笑)。

食事の後は、外で遊べないのが不満な息子と、サロンで絵本を読んだり、ゴロゴロしたり。偶然、息子と同じ年の男の子も、ご両親と宿泊していて、子供どうして仲良くなって広いサロンを走り回ったりもしていました。

というわけで〈inn the park〉での滞在。自然の美しさも、怖さも、おいしさも体験することのできたわが家でした。

写真は、しっとりした森を我が物顔で歩き回るサワガニたち。ジブリ映画の主人公たちみたいに自然と触れ合えた、かな?

泊まれる公園〈INN THE PARK〉
■静岡県沼津市足高220-4
車の場合…東名高速道路「沼津」I.Cより約3.5km(車約9分)
電車の場合…東海道本線「沼津」駅 約7km(タクシー約18分)

諸岡 なほ子

晴れた日にまた行きたいなぁ。

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