線路から1歩、鎌倉時間の流れる甘味処へ
2017.10.08

諸岡なほ子の『おいしいのりもの旅』第3回 線路から1歩、鎌倉時間の流れる甘味処へ

前回に引き続き、江ノ電に乗って海辺の景色を見ながらお出かけ。一日乗車券「のりおりくん」600円を買ったら、是非立ち寄りたい甘味処をご紹介します。のんびり鎌倉の旅を堪能できるそのお店は、なんと駅から徒歩1分、線路から1歩!

諸岡 なほ子 / ハナコラボ#001

「モデル・タレントとして活躍。『世界ふしぎ発見!』のレポーターとして世界各国を旅してきた旅の達人。」

諸岡 なほ子
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きれいなお庭と走る江ノ電を見ながらひと休み

 民家すれすれの場所を走り抜ける江ノ電に乗っていると、あまりに建物が迫っていて「え、大丈夫!?」と思うこともしばしば。そこに暮らす人にとってはあたりまえの日常なのかもしれませんが、走る電車から2〜3メートルほどのところで勝手口の扉が開き、中の人が出てくるとちょっと目を疑ってしまいます。

 今回紹介するのは、そんな地元の人たちのように線路すれすれスリルを味わわないと入れないお店です。この写真の藍染の暖簾が、江ノ電に乗っている時に気になった方というも少なくないのでは。

 藤沢方面から乗車すると、終点鎌倉駅の一つ手前にあるのが江ノ電「和田塚」駅(写真右手)。ここは、単線の線路に1つのホームがあるだけの無人駅。その向かいにある、あずき色の旗の立つ入り口が今回の目的地(写真左手)です。

 この距離感。駅からも線路からも近っ!写真手前側にある踏切を渡って、線路の敷石のすぐ脇、側溝のフタの上をカタコトと歩いて向かいます。

 なんて素敵な門構え。なのに、正面はもう線路。不思議な光景です。でも、そこから中へ入ると素敵なお庭が。鎌倉に暮らす人のお家に遊びに来たような緑いっぱいの甘味処『無心庵』。テレビや雑誌で取り上げられることも。

 なので、人気もそれなりにあります。でも、たとえ混んでいてすぐにお店に入れなくても、こんなところで待っていられるのであれば、それはそれで楽しそう。

 玄関で靴を脱ぎ、中へ入っていくと、広いお座敷があって、そこでたくさんの人がのんびり甘味を味わいながらくつろいでいらっしゃるのですが、私が伺った時はお座敷がいっぱいだったこともあって、奥のお部屋へと案内していただきました。

 すると、こちらは日本家屋の中の洋風のお部屋。足元から天井近くまである大きな窓に御簾がかかっていたり、時代を感じさせる磨りガラスが使われていたり、大正モダンな雰囲気。はいからさ〜ん。

 おしながきをパラパラめくってオーダー。ふう。持ってきてもらったお水や、テーブルの上に落ちる木漏れ日が、なんだかホッとした気持ちにさせてくれます。こうして待つこと数分。やってきたのは…

 じゃーん。クリームあんみつ。みつ豆やおしるこなどの定番メニューが並ぶ中から、いつもついこれを選んでしまう。だって、アイスクリームも食べたいんだもん。和と洋のいいとこ取りは、ちょうどこのお部屋みたい。

 それでは、いただきます。

 んー、おいしい。今更ながら、あんことバニラアイスの相性の良さに驚き。そして、ほんのりしょっぱい豆やらモチモチの求肥やら、洋物のアイスやパイナップルなんてものまで受け止めてしまう寒天の懐の深さ。しかも、ダイエットにも健康にも良かったりするなんて、ありがたい食材。まあ、しっかり黒蜜かけちゃってはいますが。

 そして、こちらの魅力は甘味や建物だけではありません。おいしいあんみつを頬張りながら窓の外を見ていると、この通り。静かに走っていく江ノ電の車両が、緑の隙間から見えます。ちょうどいい透け具合。ちょうどいい遮られ具合。こうして甘いあんこや窓からの眺め、ゆったりとした時間に身を任せていると、心の中の波風がすうっと静まっていくよう。まさに、無心庵。

 しかし、お代を支払って外に出てみると、藍色の暖簾の向こう、門すれすれのところをゴゴーッと江ノ電が走っていきます。びっくり。やっぱり江ノ電の脇に暮らすのはスリリングかも。でも、楽しい。

皆さんもぜひ〜。

諸岡 なほ子

秋の鎌倉も行きたいな〜

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