鳥越〈蕪木〉の自家製チョコレートと珈琲で気持ちを整える。
2017.09.27

心やすまるカフェ&喫茶店。「渋カフェ」その10 鳥越〈蕪木〉の自家製チョコレートと珈琲で気持ちを整える。

Hanakoスイーツ担当が、プライベートで訪れるカフェ&喫茶店をご紹介しています。レトロなテーブル、懐かしくてかわいいメニュー。不思議と落ち着く「渋カフェ」。ウッディな世界でのんびりしたひとときを。10回目は蔵前〜鳥越散策の際に立ち寄りたい一軒。その2。

久冨 俊裕 / Hanako編集部

「エディター。スイーツ担当。」

久冨 俊裕
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今回の渋カフェは鳥越の〈蕪木〉。昨年​11月オープン。珈琲とチョコレート、両方とも豆から自家焙煎して作っていると聞き、気になって、この夏おじゃましました。

初めての人は迷うほどさりげないドア。

ふと右下を見ると、小さな「営業中」の札が。一寸法師? しかも端正な文字でメモ。「申し訳ありませんが、只今一名様分のお席のみのご用意となっております」​。その心は・・・・?

ドアを開くとそこは、静寂の世界。低音で流れるジャズ。黙々と珈琲を淹れる蕪木祐介さん。それがすごく心地いい。お客さんみんながこのひとときを共有し楽しんでいることが、わかります。

ドアの外の案内は、扉が開く回数を最小限にして、この時間と空間を静かに楽しんでほしいという気遣いから。

ちなみに今回の蕪木さんの写真は、開店前に撮らせていただきました。

「カフェ​・オ・レ」800円、「無垢チョコレート」200円。

まずはコーヒーとチョコレート。飲み物に合わせて、相性のいいチョコレートを選んでもらえます。粒子が舌の上で溶けて、ふわっと香り立ちます。厚さもほどよく。

各​1300円~

テイクアウトもできるタブレット。ナッツのような香ばしさと果実味が特徴の「かもがや」、木苺のような鮮やかな香りが印象的な「果香(かこう)」、柑橘、蜂蜜のような優しい香りの「撫子(なでしこ)」、カカオの香ばしさとミルクの濃厚さを兼ね備えた「煉々(れんれん)」。「それぞれシングルオリジンの上質なカカオ豆を使っていますが、それ以上に作る過程に気をつけています」と店主の蕪木さん。素材はもちろん、火入れ、仕上げまで細やかに。

もう一つ気づくのが、店内の陰影がとてもきれいなこと。「昔から喫茶店が好きで、あのほの暗さ、守られている感じを自分も大事にしたくて」と蕪木さん。静かな時間って、ありそうでない、得がたいものなのかもしれません。

直火式の珈琲焙煎機。これで少量ずつ、コーヒー豆をローストします。コーヒーはあえてオリジナルのブレントを追求。「丸い味が好きなんです。ソロと合奏なら、合奏の調和がいい」。カカオの焙煎機も別室に。

以前はコーヒー業界で働いていたという蕪木さん。その後、大手のお菓子メーカーに勤め、チョコレートの開発にも携わったことも。「ビーントゥバーという言葉が世の中に出てくる前から、メーカーはずっとビーントゥバーだったんですよ​(笑)。アフリカや中南米、ベトナム。現地に赴いてカカオ畑を見て回ったり。スイスの機械メーカーを巡ったり。大手も、実はとても丁寧なモノづくりをしていて」

そして独立を機に、より自分らしいものづくりを追究。

「琥珀の女王」​900円

冷えたグラスとコーヒー。コニャックの芳醇な香りが疲れを忘れさせてくれる。​

「コーヒーゼリー」は今夏の人気メニュー。不定期でスイーツも。

ブレンド​650円~。

「オリザ」「珀(はく)」「羚羊(カモシカ)」など3種類が。想像力をかきたてるネーミングもいい。

「明るい気分のときだけでなく、落ち込んでいるときも来てもらえる店でありたい」​と蕪木さん。「世界中、みんな同じじゃなくていいと思うんです。ここならではのチョコレートがあってもいいし。カフェが必ずしもにぎやかじゃなくてもいい」

ありのままでいいよと背中を押してくれる〈蕪木〉。凛とした静かな空間にいると、あれ? このチョコレート、なんでこんなにおいしいの? コーヒーのアロマってやっぱり良いな、と感覚が研ぎ澄まされて、気持ちの中の優先順位も自然と見えてくる。ちゃんとやることはやっているんだし、今日は今を楽しもう。とか。

「喧騒を逃れて息を整える」。蕪木さんの言葉が耳に残りました。

〈蕪木〉
■東京都台東区鳥越1-15-7
■13:00-20:00(L.O.19:30)
■水休(他不定休有り)
■10席
■禁煙

前回の鳥越〈港家〉はコチラ
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久冨 俊裕

珈琲とチョコレート、相性の良さは抜群。次回の更新は10/11水曜!

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