『伊藤家の晩酌』~第四夜1本目/秋ならではの旬の味を楽しむ「喜楽長 特別純米 ひやおろし」~
2019.10.13

娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 『伊藤家の晩酌』~第四夜1本目/秋ならではの旬の味を楽しむ「喜楽長 特別純米 ひやおろし」~

弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第四夜の1本目は、秋しか飲めない「ひやおろし」をチョイス。意外なゲストも飛び入り参加して大盛り上がりの一夜に。
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)

伊藤 ひいな / 唎酒師

「東京生まれの22歳。大学入学時から割烹料理店でアルバイトをはじめ、20歳のお酒の解禁とともに日本酒にハマる。唎酒師の資格も取得し、日本酒の知識を増やすべく日々邁進中。父はHanakoをはじめ多くの雑誌で引っ張りだこの人気フォトグラファー、伊藤徹也。酒好き気質は間違いなく父親譲り!」

伊藤 ひいな
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第四夜の1本目は、これぞ“ザ・ひやおろし”な一本「喜楽長 特別純米 ひやおろし」。

滋賀県近江市にある老舗の蔵元「喜多酒造」。若き女性杜氏が醸す酒は、旬の味わいが楽しめる。「喜楽長 特別純米 ひやおろし」720ml 1350円(税込・ひいな購入時価格)/喜多酒造株式会社

娘・ひいな(以下、ひいな)「秋といえば、『ひやおろし』っていうことで、今回はすべて、ひやおろしのお酒をセレクトしてみたよ」
父・徹也(以下、テツヤ)「ひやおろしって新酒なんだよね?」
ひいな「違うよ! 新酒じゃないよ!」
テツヤ「あれ? じゃ、寝かしてるんだっけ?」
ひいな「それも違う! これは、話し甲斐があるな(笑)」

テツヤ「まま、説明は後にして、まずは乾杯しよう」
テツヤ&ひいな「乾杯!」

…左からピンクの頭がちらり…

テツヤ「あれ、誰かいるぞ?」

ひいな「本間先生〜!」

小学校時代の恩師と久しぶりの再会に大喜び!

本間先生(以下、先生)「ひいな〜、久しぶり〜」
ひいな「10年ぶりだね!」
先生「テツヤさんも久しぶりです」
ひいな「本間先生はね、私が小学校3年生の時の先生で、その時、初めて担任を持ったんだよね」
先生「そう、教師生活をスタートした時、初めて担任になって。まだ駆け出しの頃」
ひいな「私が4年生の時に、妹のひびきが1年生になって本間先生が担任に。2年間、ひびきがお世話になりました」
先生「きっと伊藤家とご縁があったんだね。こうしてまた会えてうれしい!」
テツヤ「先生、今日はひいなのために来てくれてありがとう!」
先生「こちらこそ、日本酒大好きだから呼んでもらえて光栄です! ひいな先生、いろいろ教えてください!」

先生はなんと「ひやおろし」初体験! さて、そのお味は?

先生「私、ひやおろしって飲んだことないかも」
ひいな「初体験だね。お楽しみに」
テツヤ「ひやおろしってさ、ちょっと寝かすんだっけ? 名前からするとおろしたて、しぼりたてのイメージなんだけど」
ひいな「新酒っていうのはね、だいたい冬にできるの。それを春頃、一回タンクごと火入れして、タンクのまま一夏を越して、外の気温と貯蔵庫の温度が一緒になった時に、生のまま瓶詰。それを『ひやおろし』って呼ぶの。1回しか火入れしてない状態で瓶に詰める時は生の状態だから『生詰め』とも言うよ(ライター注:通常の日本酒は2回火入れをする)」
先生「ひやおろしっていう名称が、ちょっと夏っぽいのかな」
ひいな「秋あがりって言ったりもする」
テツヤ「いいね、秋あがり」
先生「ラベルも秋って感じするもんね」
テツヤ「じゃ、先生も、乾杯しますか」

小学校の担任の先生にお酒をついでもらう娘の姿を眺める父・テツヤ

テツヤ&ひいな&先生「乾杯!」

ひいな「ひやおろしって、ぽってりしたおちょこが合うかも。この厚みがうまさを増長させる感じがあって」
先生「どうして?」
ひいな「ひやおろしって口当たりがなめらかなのが多いの」

テツヤ「ブランディングディレクターの福田春美さんとよく仕事してるんだけど、この連載のことを知ってさ、日本酒好きのお父さんの形見のおちょこがいっぱいあるから、持って行ってくださいって言ってくれて。おちょこをたくさんくれたんだよね。しかも、ひいな好みの渋い感じのものばっかり」
ひいな「私、渋いのが好きなので。どれもぽってりとかわいい」
テツヤ「お店開けるぐらいあるね(笑)」
先生「私、おちょことかに全然こだわったことなくて、ちゃんと選べばもっとお酒がおいしくなるんだろうね」
テツヤ「まず道具からですよ、先生!」

テツヤ「ひやおろしの味の特徴ってあるの?」
ひいな「新酒は、わりとピチピチとした発泡さとか、固さがあったりするんだけど、ひと夏越えることによって、柔らかさが増したり、ちょっとした熟成感が増すっていうのが特徴的かな。角が取れて味もまろやかになるし。このお酒の香りが、しいたけみたいな香りがするって日本酒業界では表現するんだけど…しない?」
テツヤ「う〜ん。言われると、しいたけの感じしてくるな(笑)」
ひいな「先生はどう?」
先生「しいたけ、感じるかも! 普段あんま香りを嗅がずに、すぐに飲んじゃうんだけどね(笑)」
ひいな「キンキンに冷えた時よりも、冷酒と常温の間の状態が一番香りが立つかなと思って」

「喜楽長 特別純米 ひやおろし」に合わせるおつまみは、「鶏胸肉のごまだれ和え」

ひいな「しっかりとした味のこのお酒には、濃厚なごまだれが合うと思って、ねりごまからごまだれを作って鶏肉と枝豆と和えました」
テツヤ「このお皿は大分に行った時に買ってきたもの。20代の作家の福村龍太さんっていうんだけど、福岡のうきは市の日月窯の作家さん。いい味出してるでしょ?」
ひいな「人生と歩く器って感じだね」
テツヤ「一杯目からいいこと言うね」
先生「まだ一杯しか飲んでないのに、さすがだね」

テツヤ&ひいな&先生「じゃ、いただきます!」
テツヤ「うまい! これもやっぱり口内調味?」
ひいな「うん、これはどっちでもイケると思ってて」
先生「私も、初・口内調味してみますね」

一口食べた後すぐにお酒を飲む

テツヤ「うん、口内調味、合うね」
先生「口のなかで、ふわっとする。ゴマの香りなのかな」
テツヤ「枝豆の青っぽい感じが、さわやかさをプラスしてるね」
ひいな「華やかさもありつつ、熟成感から甘さに変わっていく流れを感じてほしいな」
テツヤ「しいたけの香りかどうかまではわからないけど…これは口内調味ありだね!」
先生「濃厚なごまだれとひやおろしのお酒になんか統一感があって、すごくまろやかに感じる。おいしい!」
テツヤ「うん、ごまとすごく合うね」
先生「私、日本酒を頼む時、さっぱりしたおつまみを頼むんですよ」
ひいな「たとえば?」
先生「お刺身とか、おひたしとか、お酒の邪魔にならないもの。だからこういうごまだれとか天ぷらとか食べたことなくて。初めての体験です」

ひいな「先生に私が教えることがあるなんて!」
先生「ひいな先生、お願いします!」
テツヤ「ひいなが新たな扉を開いちゃったな」
先生「こんな日が来るとは…。まさか、唎酒師になるなんて!」
テツヤ「給食なんて、牛乳で口内調味してたしな(笑)」
先生「そうですよ(笑)。めちゃくちゃですよ!」
ひいな「先生、私、1回も牛乳飲んでなかったの知ってます?」
先生「うん、覚えてる。牛乳ダメだったよね」
ひいな「誰かに飲んでもらったり、配膳の時に取らなかったりしてずっと避けてた(笑)」
先生「いまはね、苦手な子は水筒を持ってきてもいいから」
テツヤ「じゃ、水筒の中にこっそり日本酒入れていってもいいな(笑)」
先生「私もね、運動会の時、水筒にどれほどビールを入れておきたいか!」
テツヤ「先生はダメ(笑)。でもねぇ、暑いからねぇ」

日本酒にも旬がある? 季節に合わせた日本酒を選ぼう。

ひいな「今回、ひやおろしをテーマにしようと考えた時、季節に応じたお酒を出している蔵がいいなと思ったの。喜多酒造から5月に出た『喜楽長』の『若苗』っていうシリーズがあるんだけど、それを飲んだ時にすごく5月っぽいって思って。春が過ぎて、梅雨前のさわやかな感じ。緑が青々としているよう5月の景色をイメージさせるお酒だなって思って。季節感を何より大切にしてる蔵だったら、ひやおろしもきっとそうだろうなと」
先生「へぇ〜。素敵。私、日本酒飲む時に、季節感とかまったく意識したことなくて。気にします?」
テツヤ「当たり前じゃないですか(笑)!」
先生「そうなんですね! ぜんぜん考えたことなかった(笑)。日本酒のことよくわかってないんですけど、好きなんですよ。だから、お店の人におまかせしてばっかりで。お店の人がきっと季節感とか考えながら、料理に合わせて選んでくれてたんだと思う」
ひいな「うん、それが一番正確だと思うよ!」

先生「私が教えたことがこうやって活きてるんだね…。自分の好きなものやことに一生懸命になれるように、と思って教えていたんだけど、こういうふうに結実してるんだなぁって。こんなふうにお酒が飲めてよかったと思ったこと、今日以外にないかも」
ひいな「うれしい」
テツヤ「一本目からハイペースで飲んじゃったね(笑)」
ひいな「先生いるからね」
先生「飲んじゃうね(笑)」

(次回も先生と一緒にお届け!10月20日更新予定です)

伊藤 ひいな

旬を追ったお酒を作っている蔵として、とっても尊敬しています!

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