【東京】都会の喧騒から離れた和やかな酒場2選

【東京】都会の喧騒から離れた和やかな酒場2選
食べごと放談 NEW&STANDARD
【東京】都会の喧騒から離れた和やかな酒場2選
LEARN 2025.04.23
フードライター小石原はるかさんが、毎号、テーマに合わせて予算10,000円以下で、勢いに乗る注目の新店と「○○といえば」な納得の定番店とを紹介する連載。第8回は「THE!東京下町」な味わい深い酒場たち。
photo_Shin-ichi Yokoyama text_Haruka Koishihara
小石原はるか

こいしはら・はるか/一度ハマるととことん偏りがちなフードライター。著書に『東京最高のレストラン』(ぴあ/共著)、『自分史上最多ごはん』(マガジンハウス)など。

立石が誇る人気店の2号店がお目見え。〈二毛作&〉

 今年3月で現在の場所にオープンして10周年を迎えた立石の居酒屋〈二毛作〉。店主・日高寿博さんが実家である〈丸忠蒲鉾店〉の隣で開いた、おでんをつまみに飲める酒場が原点だ。

そして、記念すべき年に姉妹店〈二毛作&〉が誕生した。場所は、京成曳舟駅から徒歩約10分の京島というエリア。鮮やかな赤と緑がキーカラーの外観はカフェのような雰囲気だけれど、れっきとした酒場だ。

 看板料理の「おでん」は、自慢のおでんダネはもちろんのこと、砂糖や醤油を使わない本店譲りの澄んだだしもたまらない。これでお酒を割るのも乙なんですよねえ……。さらには、店長の藤田美紀さんが腕によりをかけて作る、ひねりの利いたつまみも楽しくって、お品書きにある「チョコみたいな酒粕」も俄然気になっている。

近々、改めてお邪魔せねば。

〈二毛作&〉
京成曳舟
京成曳舟
藤田さん(右)は〈二毛作〉を経て店長に。

住所:東京都墨田区京島3-57-4 
TEL:03-6657-3291 
営業時間:17:00〜22:00LO(土日祝15:00〜21:00LO) 
定休日:月火休 
席数:19席(カウンター13席、テーブル6席) 
instagram:@nimosaku_and 

※予算1人約3,500円〜。お通し代560円。

生粋の立石っ子が営むのほほん酒場。〈ブンカ堂〉

 もつ焼きの名店と謳われる〈宇ち゛多〉を筆頭にはしご酒したい店が点在し“日本のサン・セバスチャン”なんて呼ばれることもある立石。実は近年、駅前の再開発が始まり街の景色が変わりつつある……けれど、〈ブンカ堂〉にはこの店、そしてこの街の酒場を愛する人々が日々集う。

 店主の西村浩志さんは、右ページの〈二毛作&〉の本店、駅を挟んで南側にある〈二毛作〉の立ち上げから携わっていた、いわばOB。独立7年目を迎え、店の風合いもぐっといい感じだ。

 コの字ならぬ“ニの字”と表したい形状のカウンターは、向かいのお客さんと手が届きそうな距離感。だからときには自然と会話が生まれ、それを西村さんが当意即妙な合いの手で交通整理。そうした雰囲気も、数こそ多くないが味わいがバラエティに富んだつまみも、自由闊達なお酒もいい塩梅なのだ、実に。

〈ブンカ堂〉
京成立石
京成立石
屋号は、生家のおもちゃ屋さんの名から。

住所:東京都葛飾区立石4-27-9 
TEL:03-5654-9633 
営業時間:14:00〜23:00LO(日祝〜22:00LO) 
定休日:不定休 
席数:10席(カウンター10席) 
instagram:@bunkadou614 

※予算1人約2,000円〜。お通し代250円。

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