【東京】都会の喧騒から離れた和やかな酒場2選

こいしはら・はるか/一度ハマるととことん偏りがちなフードライター。著書に『東京最高のレストラン』(ぴあ/共著)、『自分史上最多ごはん』(マガジンハウス)など。
立石が誇る人気店の2号店がお目見え。〈二毛作&〉
今年3月で現在の場所にオープンして10周年を迎えた立石の居酒屋〈二毛作〉。店主・日高寿博さんが実家である〈丸忠蒲鉾店〉の隣で開いた、おでんをつまみに飲める酒場が原点だ。
そして、記念すべき年に姉妹店〈二毛作&〉が誕生した。場所は、京成曳舟駅から徒歩約10分の京島というエリア。鮮やかな赤と緑がキーカラーの外観はカフェのような雰囲気だけれど、れっきとした酒場だ。
看板料理の「おでん」は、自慢のおでんダネはもちろんのこと、砂糖や醤油を使わない本店譲りの澄んだだしもたまらない。これでお酒を割るのも乙なんですよねえ……。さらには、店長の藤田美紀さんが腕によりをかけて作る、ひねりの利いたつまみも楽しくって、お品書きにある「チョコみたいな酒粕」も俄然気になっている。
近々、改めてお邪魔せねば。

住所:東京都墨田区京島3-57-4
TEL:03-6657-3291
営業時間:17:00〜22:00LO(土日祝15:00〜21:00LO)
定休日:月火休
席数:19席(カウンター13席、テーブル6席)
instagram:@nimosaku_and
※予算1人約3,500円〜。お通し代560円。
生粋の立石っ子が営むのほほん酒場。〈ブンカ堂〉
もつ焼きの名店と謳われる〈宇ち゛多〉を筆頭にはしご酒したい店が点在し“日本のサン・セバスチャン”なんて呼ばれることもある立石。実は近年、駅前の再開発が始まり街の景色が変わりつつある……けれど、〈ブンカ堂〉にはこの店、そしてこの街の酒場を愛する人々が日々集う。
店主の西村浩志さんは、右ページの〈二毛作&〉の本店、駅を挟んで南側にある〈二毛作〉の立ち上げから携わっていた、いわばOB。独立7年目を迎え、店の風合いもぐっといい感じだ。
コの字ならぬ“ニの字”と表したい形状のカウンターは、向かいのお客さんと手が届きそうな距離感。だからときには自然と会話が生まれ、それを西村さんが当意即妙な合いの手で交通整理。そうした雰囲気も、数こそ多くないが味わいがバラエティに富んだつまみも、自由闊達なお酒もいい塩梅なのだ、実に。

住所:東京都葛飾区立石4-27-9
TEL:03-5654-9633
営業時間:14:00〜23:00LO(日祝〜22:00LO)
定休日:不定休
席数:10席(カウンター10席)
instagram:@bunkadou614
※予算1人約2,000円〜。お通し代250円。