母乳なのか、粉ミルクなのか。私の場合|モデル asacoの4回目の育児 – fourth time around MAMA 2018.12.18

この連載は……
モデルとして雑誌やCMに出演するいっぽう、子ども服ブランド「kitutuki」のディレクターとしても活躍中の asacoさんの連載。実は5月に4人目のお子さんを出産したばかりのasacoさん。4人目育児ってどんな感じ?家族の関係は変化した?家事やお仕事は?などなど、にぎやかな家族の日常を綴ります。

vol.9 母乳なのか、粉ミルクなのか、どっち!?

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初めての妊娠は遡ること11年前。20代でまだまだ小娘感満載だった私は、日に日に丸みを帯びて大きくなっていくお腹を眺めて、そっか、私もついに母になるのかぁ、と頭では理解するものの、想像を絶するお産を経験してもなんだか母になった実感が湧かず、、やっと「お母さん」と思えたのは小さな我が子が”自分のおっぱいを飲み始めたこと”だったかもしれません。

人それぞれ、授乳に関しては様々なストーリーがあると思います。もれなく私も4回経験していますが、毎回一筋縄ではいかないことばかりでした。赤ちゃんを産んだら当たり前のように母乳はたくさん出てくるのかと思いきや、私の場合なかなか軌道に乗らず。初めてだからこそ母乳だけで育てたい気持ちが強かった私は、予想外に出足をくじかれた形で授乳生活を始めることになったのです。

それまで暮らし全般に無頓着だったのに、子どもができたことで生まれたこだわりがありました。いつしか助産院出産に惹かれていったように、なるべく自然に寄り添った子育てがしたいと思い始めたのは長女を妊娠した頃からで、色々と調べるうちに母乳育児の素晴らしさを知ります。母乳は赤ちゃんが成長するために必要な成分や病原菌から守る抗体が含まれていて栄養面においてもパーフェクトであること、産後の母体回復にも効果的で、何よりおっぱいは赤ちゃんにとっての心の拠り所であり 母と子の密接なスキンシップに繋がることなど、そのメリットはこれから子を育て始める私にとって、とても魅力的に映りました。

絶対に母乳で育てるんだ! その想いは当時お世話になった産院にも告げていましたが、悲しいかな、どうやら体質的に母乳がたくさん出るタイプではなかった私…小さな我が子を連れて検診へ出向くたびに体重が増えていないと指摘され、粉ミルクも併用するよう勧められるのです。少しでもおっぱい量が増えるようにと、知人に教えてもらった桶谷式母乳マッサージにも通いながらとにかく母乳一本を目指すのですが、産院では赤ちゃんの体重のために粉ミルクと混合を、桶谷では上記のメリットを挙げて母乳を推され、いつの間にか何を最優先すべきなのか自分でも分からなくなっていました。

そんな時、別件で小児科へ行った時のこと。お医者さんにその悩みを打ち明けたことがありました。いつもどちらかと言えば機械的に診察をこなす女医さんが、パッとわたしに目を向けて微笑みながらこう言ったのです。「大きくなって、その子が母乳で育ったか粉ミルクで育ったか 見た目で分からないでしょ?!」

その言葉は当時のわたしにはとてもとても衝撃でした。いつの間にか子育てに対して「こうでなきゃ」という理想を創り上げていた私は、それ通りに進むために意固地になって、大切な事を見失っていることに気付いたのです。自分自身だって、今まで思い描いたとおりに生きてきた訳じゃない。赤ちゃんとの生活も育児書通りに行くはずもなく、その時々の状況に合わせて、私と我が子だけのスタイルを作っていけばいいんじゃないか。

そう思えた日から、気持ち新たに母乳と粉ミルク、混合での育児を再スタート。結果、おっぱい量が少ないストレスも減って、今まで思い悩んでいたのが嘘みたいに 楽な気持ちで授乳期を過ごすことができました。

長女の時につけていた育児日記。大雑把な私が、これだけ事細かに日々を記録していたのは今思うと尋常ではなく ギリギリな毎日だったんだなぁと改めて。(2人目以降は妊娠期にちょろっと絵日記を描く程度で終了しています、、、)
長女の時につけていた育児日記。大雑把な私が、これだけ事細かに日々を記録していたのは今思うと尋常ではなく ギリギリな毎日だったんだなぁと改めて。(2人目以降は妊娠期にちょろっと絵日記を描く程度で終了しています、、、)

ちなみに、下3人はどうだったかと言いますと、生後1ヶ月の検診でも、3〜4ヶ月検診でも、体重が増えていないことを”全員”指摘されるという… わたしどんだけ母乳の出が悪いんだって話ですが、3人目の次女の時は踏ん張って踏ん張って、初の完全母乳を果たしました! それこそ最後の育児だと思って意地を見せたのですが、なんだか(予想外に)4回目の授乳期を迎えている今、今回はやっぱり混合を選ぶことに。

夫も子どもたちも子育てに協力的で4人目は手がかからないとは言え、毎日の食事の支度に掃除に洗濯に、追われる家事の量は増える一方。それにプラスして仕事もしていると、授乳のタイミングが合わないことが多々出てきて、気づけば割とあっさり混合を受け入れていました。しかも4人目にもなると、おっぱいを飲む愛らしい赤ちゃんの姿を独り占めするのもなぁ〜なんて気持ちすら湧いて、子どもたちはもちろん、おばあちゃんが温かな表情で幸せそうに哺乳瓶でミルクをあげている姿にジーンと胸を熱くすることもしばしば。我ながら、経験値が生んだ心の余裕ってすごいと思う日々です。

あっという間に生まれてから7ヶ月が経過した第4子のかぜおくん。そろそろ離乳食の事も脳裏にちらついて、残されたかぜおくんとの授乳時間もカウントダウンが始まっています。今度こそ最後であろう我が子とのかけがえのないひと時を、家族と共にめいっぱい堪能したいと思います。

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