「少しくらい泣かせておいていいんじゃない?」の言葉の衝撃|モデル asacoの4回目の育児 – fourth time around MAMA 2019.01.22

この連載は…… モデルとして雑誌やCMに出演するいっぽう、子ども服ブランド「kitutuki」のディレクターとしても活躍中の asacoさんの連載。実は5月に4人目のお子さんを出産したばかりのasacoさん。4人目育児ってどんな感じ?家族の関係は変化した?家事やお仕事は?などなど、にぎやかな家族の日常を綴ります。

vol.11 赤ちゃん、泣かせっぱなしにできますか?

5年ぶりの出産を経て、小さなかぜおくんがオギャーオギャーとか細い声で泣き出したのを聞いて何とも懐かしい気持ちになったものです。なんせ、我が家の上3人の泣き声と言ったら!特に、今一番のボリュームを誇るのは5歳のすいちゃんで、嘘泣き常習犯でもある彼女は大きな声で泣くことで私たちを困らせようという意図もあるため、非常にタチが悪いという…それに比べて、赤ちゃんの泣き声ってなんて可愛いらしいんだろうと微笑ましく見守っていられるくらい特別なのだと思います。

朝の登園前に、かぜおくんに絵本の読み聞かせをするすいちゃん。泣いてる姿はまだまだ幼いけれど、頼もしいお姉ちゃんの一面には心がほっこりします。
朝の登園前に、かぜおくんに絵本の読み聞かせをするすいちゃん。泣いてる姿はまだまだ幼いけれど、頼もしいお姉ちゃんの一面には心がほっこりします。

それでも成長と共に、泣く声も日に日に立派な音量になってくるわけですが、我が家ではかぜおくんが泣いていても、結構な時間そのままにしておくことがしょっちゅう。と言うのも、きょうだい4人になって、そうせざるを得ない状況が増えたことが一番の理由です。

朝、小学生チームを学校へ送り出すまでの時間、夕飯の支度で火を使っている時など、家族が多いと1日の中でバタバタする時間が本当にたくさんあって、愛しのかぜおくんが泣いていようが構っていられない事がしばしば。そうなると、段々と泣き声自体が気にならなくなってくるから慣れって怖いものです。

うちに遊びに来るお友達が、泣いているかぜおくんを見かねて抱っこしてくれる光景を見るたび、一般的に泣かせておける時間ってこれくらいだよね、とその感覚の違いにハッとしたりします。

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そんな私も、一人目の長女の時はむしろ赤ちゃんを泣かせておくことができませんでした。当時は主人が会社勤めで、日中は私と娘と2人きり。どうしてこうも泣くのだろうかと戸惑いながらも、娘が愚図る度とにかく抱っこをしていた記憶があります。

しかも、いまだに不思議に思うのですが、赤ちゃんってこれから食事って瞬間に目覚めませんか?! ただでさえ緊張感溢れる初めての育児、ささやかな息抜きとしてご飯くらいゆっくり食べたいのに、何故かそのタイミングで泣かれる事が多く、思わずはぁ〜〜と深いため息が漏れてしまう…。これは長女に限らず我が子4人に共通していて、赤ちゃんという生き物にはきっと、どこかにご飯阻止スイッチが搭載されてるに違いないと、ひとり確信しています。

さて、その私が変わるきっかけをもらったのは、義母が小さな長女に会いに来てくれたある日のこと。日々の育児で疲れているだろうと夕飯にお寿司を差し入れてくれて、主人と私と3人でご飯を食べ始めた時でした。

その日もやっぱり絶妙なタイミングでご飯阻止スイッチが作動し、美味しそうなお料理たちを横目に、ため息混じりで愚図る娘のもとへと駆け寄ると「少しくらい泣かせておいていいんじゃない?」義母がそう声をかけてくれたのです。

今まで無意識に”泣かせておくのは悪いこと”だと思い込んでいた私にとって、その言葉の衝撃といったら!

「赤ちゃんは泣くのが仕事だよ、少しくらい泣かせておいても全然大丈夫よ」思わず目を丸くする私にそう付け加える義母でしたが、かつて子育てをこなしてきた大先輩のことばには、絶大なる説得力がありました。おかげでふっと肩の力が抜けて、”泣かせる勇気”をもらえた。子育て初心者だった私がひとつ成長を遂げた、かけがえのない出来事になったのでした。

あれから約11年、4回の子育てを経て私も相当神経がズ太くなったもんです。赤ちゃんの泣き声に怯むことなくせっせと家事をこなす姿が、かつての自分に想像できたでしょうか。むしろ今では、遊びに来た義母こそ、ポツンと一人泣いているかぜおくんを見かねて抱っこしてくれているような(笑)

ちなみに、上3人の姉兄も愚図るかぜおくんをあやしてくれるのですが、その様子から発見したことが。大人って赤ちゃんが泣いていると少なからず動揺してしまうものですが、子供たちって割と平気で、泣き止まなくても大して動じないんですよね。

泣いたままのかぜおくんを平然と抱っこしている姿を見る度、肝据わってるなぁと関心してしまいます。数年前、自分も小さな赤ちゃんだったことが記憶のどこかに残っているからなのでしょうか。とは言え、泣かせておくのは悪いことじゃないよーって、子供たちが教えてくれているようで何だかホっとします。そしてだからこそ、余裕がある時はめいっぱいギューっと抱きしめてあげたいと思うのです。

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