GWは毎年恒例、初子の誕生や子どもの健やかな成長を願って開催される「浜松まつり」|モデル asacoの4回目の育児 – fourth time around MAMA 2019.05.14

この連載は…… モデルとして雑誌やCMに出演するいっぽう、子ども服ブランド「kitutuki」のディレクターとしても活躍中の asacoさんの連載。実は5月に4人目のお子さんを出産したばかりのasacoさん。4人目育児ってどんな感じ?家族の関係は変化した?家事やお仕事は?などなど、にぎやかな家族の日常を綴ります。

vol.19 「GWは毎年恒例、浜松まつり!」

今年は10日間と、とっても長かったGW!みなさん、どんな連休をお過ごしだったでしょうか。我が家は前半は東京で、5月に入ってからは私の実家、浜松で過ごしていました。なぜなら、毎年5/3.4.5と開催される「浜松まつり」に参加するため!今年も家族を巻き込んで、ガッツリ堪能してきました。

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その昔、浜松を統括していた主が、息子の生誕を祝って凧をあげた事が始まりと言われているこのお祭り。今でも「初子」と呼ばれる、初節句を迎えた男の子を祝う大きな凧を、町内の皆で空高く舞い上げるのが習わしで、祭りの3日間 170を超える町が中田島砂丘に集結します。砂埃を巻き上げながら、世代問わずたくさんの男たちが一丸となって凧を上げる姿は圧巻!ちなみに、最近は長男に限らずその兄弟や女の子のお祝いをする家庭も増えていて、時代と共に内容もアップデートしつつ、浜松で長く愛され続けるお祭りとして知られているのです。

初凧が空高く舞い上がったら、ラッパ隊の高らかな音と共に「やいしょ!やいしょ!」と練りが始まります。ママに抱っこされているのが初子の赤ちゃん。
初凧が空高く舞い上がったら、ラッパ隊の高らかな音と共に「やいしょ!やいしょ!」と練りが始まります。ママに抱っこされているのが初子の赤ちゃん。

夜は、初子祝いの施主が、日中凧をあげた皆への労をねぎらって、食べ物、お酒を用意してくれます。私たちはそのお家まで提灯片手に「やいしょ!やいしょ!」と、浜松まつり独特の”摺り足”スタイルで向かい(これがポイント!)自宅前で初子とそのご家族を皆で囲うようにして「練り」をします。この「練り」ってのがなかなか説明し辛いのですが、ざっくり言うと大きな押しくらまんじゅうみたいな感じでしょうか。さらに「激練り」というのもあって、こちらはモノ凄い人数で練るため、文字通り迫力満点!当然、中で練ってる方も、もみくちゃにされないよう必死です(笑)でも、基本的には綺麗に「練る」のが祭りの美学。激しさと整然さ、その両方が祭りの魅力なのです。

さて、もともと浜松まつりには小学生頃からお友達と一緒に参加していたりと、私にとって非常に馴染み深い行事だったのですが、大学進学のタイミングで浜松を離れてからしばらく疎遠だった時期がありました。それが、長女が生まれて実家に帰る機会が増えたのをきっかけに、再びお祭り熱が沸々と。町の文化や伝統が大好物な夫の政治くんを誘ったら、浜松になんの所縁もないけれど案の定「出てみたい!」と興味津々だったため、いつしか夫婦2人、祭りに参加するのが毎年の恒例となりました。そして最近、そんな私たちを見て夫と同じように「出てみたい!」と言い出したのが我が子たち(笑)楽しそうだと感じてくれたのが嬉しくて、今年はもうすぐ1歳のかぜおくんも連れて、家族6人で夜の練りに参加しました。見よう見まねで「やいしょ、やいしょ!」と頑張って練り歩く姿が、なんとも言えずかわいらしかったです。

今でこそSNSを通じて地元の友達とも簡単に繋がることができますが、当時は祭りに出て、思いがけず同級生に再会するなんて喜びも。そして、歳を重ねるに連れて初子のお祝いをするお友達も続々出てきて、駆け付けたみんなと同窓会みたいに懐かしい時間を過ごすのも通例となりました。

いくつになっても、地元の仲間の存在ってかけがえのないもの。何より、祭りが続いていくのも、地元に住んで浜松を支えてくれる同世代の友人たちが居てくれるからこそだと感じます。昔は、ただただ楽しい!それだけで祭りに参加していたけれど、ちょうど自分たちが上の世代からのバトンを受け継ぐ世代になって、伝統あるこの祭りを存続させていく大切さなんかも考えるようになりました。

祭りの良さは何といっても、世代問わずたくさんの人たちが関わりあえる事!時代と共に、ご近所付き合いもどんどん希薄になって、特に東京に住んでいると、地域の方との交わりがほぼゼロ、みたいな環境が当たり前だったりします。そんな中、浜松まつりに参加する度、世代を超えて町の皆が集える素晴らしさを実感するのです。子の誕生を皆で祝い、地域全体で子どもたちを見守り育ててゆく。今の時代に一番大切にしたい事が、祭り文化にはっきりと垣間見える気がしました。

自分も子の親になって、改めて気付く祭りの真髄。浜松に根付いたこのステキな財産をどうか絶やさぬよう、私も毎年東京から参戦することで、力になれたらいいなぁと思うのです。

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