赤ちゃん連れで中学3年生の授業に参加してきました。|モデル asacoの4回目の育児 – fourth time around MAMA 2019.12.24

この連載は……
モデルとして雑誌やCMに出演するいっぽう、夫婦で手がけるケータリング業「マフィオ」として、最近はママキャンパーとしても活躍中の asacoさんの連載。2018年5月に4人目のお子さんを出産して、ますますにぎやかになった家族との毎日。4児の母ってどう?家事やお仕事は?などなど、なにげない日常から感じたことをつづります。

vol.34 「赤ちゃんを連れて学校へ行こう!」かぜおくんと中学校の授業に参加しました。」

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NPO法人せたがや子育てネットが主催する「赤ちゃんを連れて学校へ行こう」という企画に、かぜおくんと参加してきました。こちら、なかなか赤ちゃんと触れ合うことのない中学生たちに、抱っこしたり、実際に保護者から育児のお話を聞いたり、子育てシーンを直に感じてもらおうと考えられたプロジェクト。

実は自分の子育てが始まる前に、赤ちゃんのお世話をしたことがなかったというお父さんお母さんは約75%にものぼるそうです。

たしかに、自分自身もそうだったなぁと納得。そんな背景の中、この企画をはじめて知った時はとても衝撃で、しかもちょうどかぜおくんを産んだ後だったのもあって、わたしも息子と参加できる!と意気込んでいました。

日程の調整もついてやっと先日、参加年齢ギリギリの1歳半ですべりこみセーフ!

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この日は全部で14組のママと赤ちゃんが集まりました。

ちなみに、区内の中学校では10校ほどがこのプロジェクトに参加をしているそう。意外と少ない?!と感じますが、基本的には校長と家庭科の先生が企画に賛同してくれた学校で開催しているとのことでした。

実施予定の学校は、せたがや子育てネットのホームページでチェックすることができて、そこから申込も可能。私もそこで詳細を確認して、近所の中学へと参加を決めました。
ただ、対象が中学"3年生"だと聞いて・・・受験を控えた、思春期まっただ中の子どもたちに果たしてわたしもかぜおくんも受け入れられるのだろうかと少々不安でした。
でも、いざ輪の中に入ってみるとまったくそんなことはなく、むしろかぜおくんや、もっともっとちいさな赤ちゃんを目にした彼らの顔は一瞬にしてほころぶのでした。
あらためて、赤ちゃんは年齢関係なくどんな人も笑顔にしちゃう天才だなぁと実感。

そしてやっぱり、中3のみんなはこんなにちいさな子どもたちと関わる機会はほぼないそうで、最初は抱っこのしかたに戸惑ったり、急に泣き出す赤ちゃんに困惑したり、四苦八苦する子ばかり。
でもしばらくすると、膝の上にちょこんと座らせてあやしてみたり、泣く子を抱っこして上下に揺れてみたり。
みんな赤ちゃんの笑った顔を見るのに一生懸命で、ふと、それがちいさな子に不慣れな大人たちがよくするのと同じ光景だと気づいて、思わず笑ってしまったのでした(笑)。

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授業の最初は、赤ちゃんのお人形で抱っこの練習から!

それから「あかちゃんっていつから歩くの?」「なに食べるの?」「なにして遊ぶのが好き?」「大変なことってなに?」などなど、みんなからの質問タイム。
グループが一緒だった6ヶ月の女の子のママは、「夜中は3時間おきに起きてるよ」「出産ってほんと壮絶なんだよ〜!鼻からスイカどころじゃないよ!」と、わたしにとってはすでになつかしく思えるようなほほえましいエピソードを話してくれました。

わたしはとにかく「みんなのお父さんお母さんも、キミたちがちいさかった頃いっぱい面倒みてくれたんだよ〜」というのを伝えたくて。
「そっかー」とつぶやいてくれる子にはブンブン(ちょっぴりおおげさに)首を上下にふってアピールしておきました(笑)。
にしても、一見大人びて見える中学生のみんなが、思ったよりずっとずっと素直で純粋でびっくり!わたしにとっては逆に、彼らを心から「かわいー!」と思えたことが今回すごく貴重な経験でした。

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授業のさいごは、せたがや子育てネットのみなさんからのメッセージ。

キミたちは今、自分のことは自分でしなさい、自立しなさいと言われがちな時期だと思うけれど、子育ては決して一人きりでしないこと、周りの人をたくさん巻き込むこと、そして辛い時は自分から助けてと言えるようになってほしいことが告げられました。それから、わたしもお仕事でPRに関わったことのある「WEラブ赤ちゃん-泣いてもいいよ」プロジェクトのお話もつけ加えて。

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お店や電車やバスなどで我が子が号泣して青ざめた経験、…きっとみなさんありますよね。たとえ当事者ではなくともそのシーンに居合わせただけで、困惑するパパママの姿が自分と重なって、とっさに何か手助けができないかと思ってしまうものです。
そんな「赤ちゃんの泣き声、大丈夫です」という方々の気持ちを可視化しようと動き出したのが、まさにこの企画。
賛同する方は見えやすい場所(携帯電話など)にそのステッカーを貼って、またはお店の場合はそのポスターを貼ったりして"大丈夫"アピールをします。

この取り組みに都内自治体ではじめて賛同したのが、世田谷区。「育児で孤立しがちなママ・パパたちにもっと手を差し伸べたい」という強い願いがプロジェクト始動につながったそうです。
最近ではわたしも生活圏内にこのステッカーを見る機会が増えて、じわじわとひろがりを実感中。
ここからさらに、実際にこどもと関わりのある人だけでなく、それこそ小学生や中学生など世代を超えて「赤ちゃんが泣くのは自然なこと、みんなであたたかく見守ろう」という理解が深まると、より子育てにやさしい環境が生み出せるのかなぁと思いました。

さて、そんな大人たちのメッセージを受けて、生徒を代表してあいさつしてくれた男の子の言葉がまたうれしくて。
「あったかくて、かわいくて、ぼくも将来赤ちゃんほしいと思いました」一見とっつきにくい年齢の彼らから、その言葉が聞けたのもすごく幸せなことでした。

今でこそ4人のこどもたちと歳の差育児が日常になったわたしも、かつて、子育てのなにも分からずに途方にくれたことは数知れず。
あの頃10代の子たちとふれあう機会があって、数年後の我が子がすこしでも想像できたのならだいぶ気持ちが楽になったんじゃないかなって思います。
だからこそ、ぜひちいさな我が子を連れて中学生に会いに行ってほしい。もっとこの企画が0歳児、1歳児のパパママに広がりますように。

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大人とこどもをつなぐ、すばらしい機会。わたしたちが中学生に教えに行くはずが、こどもたちからそれ以上の学びを受け取って帰ってきました。
そしていつの日か、かぜおくんもちいさな赤ちゃんを見てあんな風にほほえむ日が来るのかと思うと、今から胸がいっぱいになるのでした。

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