第25回 写真家・田尾沙織の『Step and a Step』500gで生まれた赤ちゃん 【田尾沙織のStep and a Step・25】どんぐりの季節 MAMA 2021.11.12

写真家・田尾沙織さんに、500gで生まれて、軽度の知的障害とADHDだと言われている息子、奏ちゃんの子育てと日常について綴っていただくこの連載。
2人の日常を、田尾さんによる色鮮やかな写真と共にお届けします。

どんぐりの季節がやってきました。どんぐりの季節は平和な季節。

奏ちゃんは公園に行くと、いつもジャングルジムに登るものの自分では降りられないし、ブランコはこげないなど、まだまだ目が離せなくて、私は落ち着く暇がありません。

ですが、このどんぐりの季節は別です。

大きな公園に行って、私は敷物を敷いてのんびりゴロゴロしながら、バケツ片手にどんぐり拾いに集中している奏ちゃんを眺めていられることに気が付きました。穏やかな時間! もうこれからはどんぐりがある公園に毎回行こうかと思うくらい余裕が生まれました。

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1時間もしないうちにどんぐりをバケツいっぱいに拾ってくる奏ちゃん。

そんなどんぐり大好きな奏ちゃんに絵本を買ってあげました。

その名も「どんぐり」。

どんぐりの種類から、どんぐりがどうやって成長するのか、どんな動物がどんぐりを食べるのか、とても素敵なイラストで描かれています。

そして、ならの木がどんぐりをつけるのはおよそ2年に1度という「ヘ~」と大人が言ってしまうような話も。

この本を読んで、拾ってきた丸くて大きいどんぐりや、細長いどんぐり、小さいどんぐり、種類の違うどんぐりを奏ちゃんと一緒に植木鉢に植えました。

トトロのメイちゃんみたいにせっかちな奏ちゃんは、いつ芽が出るのか待ち遠しくて、何度も何度も聞いてきます。

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最近、幼なじみの女の子から顔を描いたどんぐりをプレゼントしてもらいました。

保育園のお友達のお父さんからは、手作りのトトロの絵が描かれたどんぐりも貰いました。

次は奏ちゃんの大好きな絵本「どんぐりむらのおまわりさん」ごっこができるように、私たちもどんぐりの小人たちをたくさん作ろうと思います。

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