前田有紀の『週末・気分転〈花〉』~第31回~ フラワーアーティスト・前田有紀が考える、忙しい日々とお花のある暮らし。 LEARN 2019.01.29

10年のアナウンサー生活を経て、フラワーアーティストとして活躍する前田有紀さん。そんな彼女が世の頑張る女子の気分転換になるようなフラワーライフのアイデアを紹介してくれる連載。第31回は暮らしを彩り豊かにしてくれる、お花をもっと身近に楽しむ事について語ります。

前田有紀

2014年花屋で店員として働き始めてから、とても驚いたことがあります。それは「家で飾る花って思っていたよりも全然売れていないんだな」ということです。
お店で働いていると、お祝い花の注文はとても多いですし、母の日やクリスマスなどのシーズンは、さばききれないほどの注文を受けます。たくさんのお花を作ってきましたが、日常で自分のために花を買う人はそんなに多いわけではない、という印象を持ちました。
どっさりと可愛い花を仕入れてきてお客さんを待っていても、ギフトの用事がなければお店に入らず通り過ぎていく人がとても多い。同世代の友人たちに聞いてみても「忙しくて飾る余裕ない、花は好きだけど。」「私はサボテンも枯らしてしまうから、花は飾れない!」と、忙しい都会の毎日の中で花と同世代の私たちの心の距離は少し離れて行っているような気がしてきました。

前田有紀

「もっと花に興味を持つ人を増やしたい。」そんな思いがこの花屋時代に沸き起こってきたのですが、一方で「花をもっと買いましょう!花はいいですよ!」と声高に呼びかけるのも少し違うような気がしていました。私の性格が子どもっぽいところがあり、誰かに強制されるのはとても苦手。「花は好きだけど、だれかに買いましょう!って言われて買いたくない。」とどこか思っているところがありました。

週末・気分転〈花〉

そんな私がやりたかったのは、花屋を構えて一方的に花を買ってもらおうとするのではなく、いままで花に出会わなかった人が自然な形で出会えるような”きっかけ作り”でした。2018年に花の移動販売を始めたのも、そんな思いから。
いつもの街の風景に突然花屋が現れたら、少しは立ちどまってくれる人がいるのではないか。大好きなカフェ、お気に入りのショップの一角に花屋があったら、花が好きになるんじゃないか。そう考えて花が好きになってくれそうな人に出会えそうなお店を厳選してオファーを出しました。

ドライフラワーを使ったアクセサリー
ドライフラワーを使ったアクセサリー

また、生花はハードルが高い人にも、ドライフラワーの長持ちするスワッグや、ドライフラワーを使ったアクセサリーや雑貨だったら最初の一歩になるのかな。という思いから、暮らしに取り入れやすいアイテムの制作もするようになりました。今日、私たちのお店でヘアゴムを買った人が来週家の近所の花屋に足を運んでくれたらいいな、と願いながら。

ドライフラワーを使ったアクセサリー
エディブルフラワーを使ったジェラート

最近では、エディブルフラワーを使ったジェラートも開発したりしています。これはとてもお世話になっているジェラート屋さんと一緒に作ったものなので味も最高に美味しくて、見た目でも幸せになれる自信作です。
自然に誰かの心に入り込めるくらい花の魅力を伝えていくためにコラボレーションできるジャンルはなんだろうといつもワクワクしながら考えています。

週末・気分転〈花〉

さて、1月は風邪をひいてしまったこともあり、週末は家の中で過ごしていました。部屋を片づけたりしていると、自分の身の回りは意識してみると知らず知らずにお花で溢れていました。
例えば、洋服やハンカチの柄を手にしてみるとそれは花がモチーフになっていたり、お礼を書こうと手にしたカードには季節の花がプリントされていたり。シャンプーや化粧品のパッケージにもたくさんのお花が使われています。先日デザインに惹かれて購入したピアスは、よくよく聞いてみるとダリアの花をモチーフにしたものでした。

週末のお家で過ごすまったりした時間に、身の回りにあるお花に目を向けてみるのも、ちょっと好奇心がかきたてられる楽しい時間かもしれません。意外と身近なところでそばに置いているお花、見つけてみてください!

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