前田有紀の『週末・気分転〈花〉』 フラワーアーティスト・前田有紀さんが選ぶ、霜降の時期に飾りたい秋色の花。 LEARN 2022.10.23

10年のアナウンサー生活を経て、フラワーアーティストとして活躍する前田有紀さん。そんな彼女が世の頑張る女子の気分転換になるようなフラワーライフのアイデアを紹介してくれる連載。今回は、暦の上での、二十四節気の一つ「霜降(そうこう)」の時期に飾りたいお花のお話です。

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気温が涼しい日が増えて、ぐぐっと秋めいてきましたね。
秋ならではの美味しい食材がたくさん出回る季節なので、Hanako.tokyoを読んでいる皆さんも秋が好き! という方は多いのではないでしょうか。秋は、太陽の位置が少しずつ低くなり、鈴虫やコオロギなどの虫の音、落ち葉や紅葉など、身近なところで、時の変化を実感できる季節です。

私は、花の仕事をしている関係で、暦を調べることが好きなので、よく「今日は何の日だろう?」と本をめくったり、ググったりしているのですが、今日10月23日は、二十四節気の一つ「霜降(そうこう)」です。朝晩の冷え込みがさらに増し、北国や山里では霜が降り始める頃と言われています。詳しく見ていくと、23日〜27日頃が「霜始降(しもはじめてふる)」と言われ、朝に外を見たときに庭先の土や道沿いが霜で真っ白になっているところから雨や雪のように外から降ってくると昔の人は思っていたようです。

都心では、霜といってもピンとこないかもしれませんが、私も今週は朝の市場にいくのにウールのコートを引っ張り出しました。深まる秋から徐々に冬の気配を感じ始める頃なんでしょうね。今日は、この「霜降」の時期に飾りたい秋色のお花たちをご紹介します。

1. ワレモコウ

秋になると飾りたい花の一つです。
ささやかな佇まいで、日本人の持つ美意識に合う奥ゆかしさを
茶褐色の小さな花が集まった花穂が表現してくれます。
「われもまた紅なり」(私も美しい紅色の花の仲間だ)と花が主張しているように
見えることから、その名前がついたと言われています。
ドライフラワーにもなるので、生花で楽しんで、そのあと逆さに吊るしてあげたらいいでしょう。
花言葉は「移りゆく日々」。季節の移ろいをワレモコウを通して感じるのも素敵ですね。

2. ボルドーカラーのユリ

ユリ自体は通年で出回っていますが(ほんとうは夏のお花です。)
この時期にはこっくりと深い色をしたユリを手に取ることが多いです。
秋の暖色系の色味とも相性が抜群なんです。
花粉は洋服や花瓶の足元に落ちて取れにくいので、
咲き始めに手早く取り除いてしまうのがおすすめです。

3. 糸ギク

菊といえば、秋のお花の代名詞。
中でも可憐な印象の糸菊は、花火の容姿にファンが多いお花です。
写真はほんのりピンク色の「糸想(おもい)」という品種です。
花びらがお花らしい輪ギクに比べて、糸ギクは珍しく、花びらの広がりにも迫力があります。
江戸時代に品種改良が進み、日本の花農家さんが生産されていることが多いお花の一つです。

4. 秋色のガーベラ

ガーベラの中でもオレンジ系がこの秋の深まる季節にオススメです。
私はガーベラの中では花びらがカールするような
特徴のあるパスタシリーズを買うことが多いのですが、
写真は鮮やかなオレンジにハッとさせられるパスタプリマベーラ。
まだまだ大輪の新しい品種なので、花屋さんでも見かけたらぜひ手にしてくださいね。
ハロウィンのこの季節にカボチャと合わせてディスプレイするのも良さそうです◎

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秋が深まり、本格的や寒さがやってくる冬のはじまりまでは、
お花を飾っても日持ちするので本当にいい時期です。
ぜひ秋の季節感を、お花で取り入れてみてくださいね!

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