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2020.12.12

第74回 前田有紀の『週末・気分転〈花〉』 今こそ考えたい「しめ縄」の意味や伝統工芸としての大切さ。長野で出会った藁農家さんと職人さんの話。

10年のアナウンサー生活を経て、フラワーアーティストとして活躍する前田有紀さん。そんな彼女が世の頑張る女子の気分転換になるようなフラワーライフのアイデアを紹介してくれる連載。今回は長野で出会った藁農家さんと職人さんとのお話です。

この週末の13日日曜は「正月事始め」です。かつては、この事始めの日に、門松やお雑煮を炊くための薪を山に取りに行く風習があったそう。いまでは、すっかり年末のバタバタした空気に流され、お正月の準備どころではない!という人がほとんどですが、花屋ではいつもこの時期からお正月の飾りものの制作をスタートさせています。

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私も、最近はしめ縄飾りを制作して忙しくしています。「1年間豊かに暮らせるように」と願いを込めて玄関などに飾るしめ縄。今年は、コロナ禍で迎えるお正月ということで、新しい1年を気持ちよくスタートしたい!という方も多いと思います。

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今年、私のブランド〈gui〉では長野県上伊那郡飯島町の藁で作ったしめ縄飾りを制作しているのですが、今年ならではのとびきり素敵な出会いでした。もともと飯島町はとても仲の良いお花の農家さんがいて、一緒に企画を開催したりしているのですが、その農家さんから一本の電話をもらったのがきっかけでした。「近くで藁細工を作っている人たちがいるのだけど、イベントの中止が多くて藁が残っているそうで、もしよかったら今年のしめ縄飾りとして取り扱わない?」と。「ぜひとも!」とすぐにお返事をして、飯島町に取材にいきました。

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藁を作っている農家さんや藁細工を作れる職人さんにお会いして、お話を聞かせてもらいました。藁が育てられている畑をみて、しめ縄の制作現場を見せていただきました。飯島町は、お米の生産地でもあり、昔から「藁細工」が有名なところ。大相撲の土俵のわらもこの町で作られているのですが、今では技術を伝承する職人の数も減り、わら細工の担い手が少なくなっているそうです。

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また、近年日本で流通しているわらの8割が輸入されたもので、純国産のわらは限られ、貴重な物になってきているということも知りました。今年はコロナ禍の影響で予定されていた大きなイベントが中止となり、そこで使用されるはずだったわらが行き場をなくし、今回のしめ縄飾りの企画へと繋がりました。

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花屋として、毎年たくさんのしめ縄飾りを作ってきたけれど、これまで形ばかりになってしまっていたところがあったな。しめ縄の意味や伝統工芸としての大切さ。それを噛み締めながら、今年のしめ縄飾りを作っています。

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皆さんも新年のお迎えの準備を少しずつ初めてぜひ新しい年を思って、しめ縄を飾ってくださいね。ちなみに飯島町への出張は家族を連れて行ったのですが、自然豊かで、のんびりしていて、とても素敵なところでした。いろんなことが落ち着いたら、また訪れたい場所の一つです。

前田 有紀
前田 有紀 / フラワーアーティスト

「10年間のアナウンサー生活のあとイギリス留学を経てフラワーアーティストとして独立。パーティーやウェディングなどの空間装飾のほか、移動花屋のオリジナルブランド〈gui〉」を立ち上げる。」

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