京都 Nitta Bakery
2021.11.04 — Page 2/2

第105回 花井悠希の朝パン日誌 三姉妹が営む居心地のいいお店。京都〈Nitta Bakery〉のパンをテイクアウト

「ラムレーズンミルクバー」
「ラムレーズンミルクバー」
チャバタ生地のモチっと感とドライさがクリームによく合う。
チャバタ生地のモチっと感とドライさがクリームによく合う。
「ラムレーズンミルクバー」
チャバタ生地のモチっと感とドライさがクリームによく合う。

チャバタらしいザラリとした舌触りと、もちっとした食感の先にある抜け感。その抜け感を作っている気泡全てを一つたりとも見落とさず(怖いわ)入り込んでくるミルククリームが甘さと滑らかなコクで余白を埋めていきます。ぐるりと見渡して全員にクリームは行き渡ったかな?と気泡チェックが済んだ頃に、ラム酒漬けレーズンがハイタッチをしながら駆け抜ける。クリームとパン生地がちょうど良く収まり訪れた平穏にラム酒の風味で波風を立てていきます。なんだったんだあいつは(※レーズンです)!
パン生地に甘さが少ないので、ミルククリームと一緒になってもさっぱりとした印象。私がおばあちゃんになってもきっと美味しく一本ぺろりと食べられちゃうんだろうなって安心しました(気が早い)。

「栗とカシスのデニッシュ」
「栗とカシスのデニッシュ」
栗の大きさがよくわかる断面。
栗の大きさがよくわかる断面。
「栗とカシスのデニッシュ」
栗の大きさがよくわかる断面。

秋ですねぇ。贅沢に大きな栗が3個もごろりんとのっています。栗と来て、カスタードと来て、サクサクと押し寄せるバターの圧に頬が緩んだ隙に、カシスの襲来!スキッと抜ける甘酸っぱさにカロリーがチャラになる感覚を覚えます(そんなわけない)。
栗は甘さをこぼしながらホクっとほどけ、ゆっくりと風味が花開いていきます。最後に待っていたデニッシュの端、折りが重なっている部分のサクサク感は多幸感をぐいっと引き上げてくれますね。この食感はもう霜柱です(食べてたの?)。それか、30センチくらい積もった新雪にえいっと足を沈める感じ。雪の例えしかでてこないくらい、無抵抗にシャクシャクシャクと崩れ、サラサラサラと揺れる心地はピュアそのもの。ちなみにその間もずっとバターの柔らかなコクが漂うのでどこまでも一緒に漂う覚悟でよろしく!(←誰?)

「ベーコンバジル」
「ベーコンバジル」
大振りの気泡にワッショイされるベーコンたち。
大振りの気泡にワッショイされるベーコンたち。
「ベーコンバジル」
大振りの気泡にワッショイされるベーコンたち。

カリカリとエッジのたったモチモチ生地のうま味と渡り合う本格的なバジルソースと角切りのベーコン。美味しくないはずがない!よほどお腹が空いていたのか、美味しくて一瞬にして完食したのか、食べたメモが「美味しくないはずがない!」で終わっていて、1人で笑いました(困った)。こちら現場からは以上です(すみません)。

「塩バターパン」
「塩バターパン」
大きな空気を飲み込んでいる塩パンは美味しいの証。
大きな空気を飲み込んでいる塩パンは美味しいの証。
「塩バターパン」
大きな空気を飲み込んでいる塩パンは美味しいの証。

角食パンの生地を使ってバターを包んでいるこの子。もちっとひきのある質感の生地が、内にくるむバターとその周りにぽっかりあいた空気の洞窟へとエスコートしてくれます。表面にさりげなく振られた塩がミネラルの旨味ときらめきで輪郭を際立たせると、あら不思議。バターでまったりとしている味わいに軽やかな風を呼びこみます。いくらでも食べられる軽さと歯切れの良さで、108円。ワンコイン(消費税がなかったら)って驚きです。

インスタで「#ニッタベーカリー 」を見ていると、“先代のときによく行っていて、いまは遠くへ引っ越したけど、久しぶりに食べられてうれしかった!”とか“バイトしていました”とか、みなさんの思い出がたくさん出てくるんです。あぁ、涙腺が…!長く続けるってとても尊いことだと思います。きっと想像以上に大変なことだし見えない努力の積み重ね。
観光で訪れる私たちがこれからもこのお店に集う穏やかで温かな気持ちを持ち帰られるように、そしてこの街に暮らす皆様のためにも、これからも末長く続いていってほしいと願うパン屋さんです。

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花井 悠希
花井 悠希 / ヴァイオリニスト

「三重県出身。三重県四日市市観光大使。3歳よりヴァイオリンを始める。 2010年4月21日コロムビアよりデビュー。〈1966カルテット〉メンバー。http://columbia.jp/hanaiyuki/

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