菅原さん連載 第31回
2022.10.27

Hanako読者のお悩みをズバッと解決! 「マンションの家賃を滞納する賃借人への対処法は?」〜そうこ先生のお悩み相談室〜

弁護士・菅原草子が、愛してやまない食の話とお役立ち法律情報、Hanako読者からきたお悩みを解決する連載。第31回は不動産賃貸についてのお悩みです。

菅原さん連載 第31回

みなさん、こんにちは!10月もお疲れさまです。先日夜おそく、仕事を終えビルを出たら、仲通りでイルミネーション設置作業が行われていまして。おいおいちょっと待ってくれよ、今年も独りで冬を越すのかよ、と震えました。相変わらずな私ですが、なんと最近、はるか記憶の彼方ぶりにときめくことが。それだけでお祝いレベルだとお花を買って帰ったりしたものの、日々の業務に追われると、脳を愛や恋やに占められている場合じゃなく。ごめん、ちょっとだけあっちに行ってて、と脇に避けたが最後、そのまま脳内からフェードアウト。あのとき買った花がまだ元気に咲いているのに…花より短命な私の恋心よ…。

今月のお悩み:「不動産投資用に購入した賃貸中のマンション。家賃を滞納する賃借人にはどう対処したらいい?」(O.Mさん 外資系コンサル)

いいなあマイ不動産、いいなあ賃料収入…なんて思ってしまいますが、不動産賃貸にはトラブルもありがち。信じられないけれど、家賃を滞納しながらも住み続ける方々はいるものでして(メンタル強すぎる)。コロナ禍で収入が不安定になり滞納する人が増えたとも聞きます。
賃貸人としては、滞納分はすぐに支払ってほしいし、なんならそんな賃借人には出て行ってほしい!と思うかもしれません。そんなときに取り得る手段をいくつか。

「滞納賃料を回収するためには…」
1.支払いを催促する
当たり前のことかもしれませんが、まずは催促を。うっかりもあるかもしれないので、電話でもよし、手紙を送ってみるとより心理的に効果があるかと思います。本人に連絡がつかない場合は連帯保証人への請求も方法。また弁護士に催促、交渉を依頼するのもアリです。
2.支払督促
それでもダメな場合には、確信犯の可能性もあり。任意での支払いを期待するのは難しいかもしれません。そこで、裁判より簡易的かつ手数料を抑えた法的手続きとして、支払督促があります。裁判所に申し立て、裁判所から督促状を送ってもらいます。相手が応じない場合には、強制執行の申立てもすることができるようになります。一方、相手が異議を申し立てた場合には、裁判に移行して争うことになります。もちろん支払督促を利用せず最初から裁判を起こすことも可能です。

「契約を解除して退去してもらうためには…」
1.契約解除の通知をする
賃貸借契約は当事者間の信頼関係が重要とされるため、信頼関係が破壊していると見ることのできるような状況であるときには、解除が認められます。事案ごとの事情を踏まえて判断されるためケースバイケースですが、3ヶ月以上の滞納で解除が認められる例が多くなっています。賃借人に契約解除を通知して退去を求めましょう。
2.裁判
契約の解除が認められるケースであっても、賃借人が素直に退去してくれるとは限らず、不動産を明け渡してもらうための訴訟を起こす必要があることも。和解して退去してくれれば良いですが、訴訟が1年以上かかることもあり、強制執行まで必要になるケースであれば、かなりの長期戦を覚悟することになります。

結論:「家賃の回収や賃借人の退去を求める手段はありますが、思わぬ苦労が生じることも。誰に家を貸すかは最初に十分見極めて、ストレスなく賃料収入を得たいものです」

菅原さん
菅原 草子 / 弁護士

「仙台生まれ、都内法律事務所所属。町の何でも相談屋さんを目指している。農学部卒という異色の経歴から、食品商社の取締役という一面も。趣味はビール片手に美味しいごはんを食べること。海外旅行も好きで、20か国以上を旅する。Instagram:@sooco_s328

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