秘密の台湾【REPORT #15】 【台北】台湾の味、東門にある〈東門赤肉羹 〉へ。 LEARN 2022.03.21

「暮らすように旅をする」は旅好きの人にとって、見知らぬ土地での理想の過ごし方だろう。台湾で暮らす気分を味わう近道といえば、日用品から食材、ごはん屋さんまでがひしめく伝統市場に行くことだ。本誌連載『秘密の台湾』よりお届け。

朝 6 時半から働く人の朝を支える。ここで朝ごはんをとって仕事へ向かう人も多い。
朝 6 時半から働く人の朝を支える。ここで朝ごはんをとって仕事へ向かう人も多い。

台北に日が昇る前から、伝統市場をめざす人は多い。「おはよう」と、市場では店の人、お客さんなどが互いに挨拶を交わす声が響く。〈東門市場〉は台北のど真ん中にある伝統市場。今回おすすめしたいのが、創業してから30年以上ずっと人気が衰えない〈東門赤肉羹〉だ。肉羹は値段が手頃で、朝6時半から食べられることから、朝ごはんにしている人も多い。

そろそろ引退して息子に店を引き渡そうとしているのが、この店のオーナー・張清山さん。「1986年に銀行の前にお店をオープンしましたが、人の往来が激しくなって2004年に引っ越しました」と店の歴史を語ってくれた。

今の場所に引っ越してから、肉羹をさらにおいしくさせ、魯肉飯や日本の影響を受けた台湾の料理「甜不辣」といったメニューを増やし、味にうるさい台北人の多くを味方につけた。肉羹とは、台湾風の肉だんごスープのこと。〈東門赤肉羹〉の肉羹は、豚肉の赤身にエシャロット、砂糖、醤油、魚のすり身を加えたあんを2時間ほどこね、とろみをつけたスープで煮込んで出来上がる。魯肉飯と共に、一口食べたら箸が止まらないほどのうまさ。街中のレストランに行っても食べられない、とびきりの味が楽しめるのが、伝統市場ならではの面白さだ。

〈東門赤肉羹(トンムンチールウゴウ)〉/東門

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スープと小皿料理をオーダーして朝食にするのが台湾流。質のよい素材でつくるこの店はずっとおいしさを保っている。
■台北市中正區臨沂街56號
■02-0932-139491
■6:30~14:30日休
■30席

Navigator…Janet Yin(ジャネット・イン)

Hanako Taiwanの編集者。おいしいものに目がない。台北人だからこそ知るおすすめスポットをご案内。

※1元は約4.2円です(2022年2月7日現在)。(Hanako1206号掲載/photo : Jimmy Yang text : Janet Yin produce : Hanako.taiwan)

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