先住民・マオリに学ぶ「過去・現在・未来をつなぐ生き方」とは? 本国担当者にインタビュー! SDGs先進国ニュージーランド発!ナチュラルブランド〈ecostore〉の「人気BEST3」& 「日本上陸目前」アイテム。 SUSTAINABLE 2021.06.21

〈ecostore(エコストア)〉は、1993年にニュージーランド(NZ)の大自然に囲まれた「エコビレッジ」で生まれたナチュラルデイリーケアブランド。そこには、“自然とともに生きるNZの先住民・マオリの精神”が息づいています。〈ecostore〉本国の担当者・ マキャロルさんに、日本での人気商品と、日本上陸前の注目アイテム、そしてNZの伝統やマオリの人々の価値観についてインタビューしました。

美しい自然に恵まれたニュージーランド。写真はミルフォード・サウンド(南島)。©Rob Suisted
美しい自然に恵まれたニュージーランド。写真はミルフォード・サウンド(南島)。©Rob Suisted

【人気BEST(1) @JAPAN】ホワイトニングの歯磨き粉。

「歯磨き粉:Toothpaste - Whitening トゥースペースト」638円。
「歯磨き粉:Toothpaste - Whitening トゥースペースト」638円。

日本でも直営店やナチュラルローソンで購入できる〈ecostore〉のアイテム。そのすべてが植物由来の成分からつくられており、エコ意識の高い人々を中心に支持を集めています。お洒落なパッケージに目を留めたことがあるHanako読者も多いのでは?

まずは、日本で人気の商品BEST3を教えてもらいましょう! 
1位は意外にも? ホワイトニングのトゥースペースト(歯磨き粉)でした。

ニュージーランドからZoom取材を受けてくれた〈ecostore〉のマキャロルさん。
ニュージーランドからZoom取材を受けてくれた〈ecostore〉のマキャロルさん。

「NZのネイティブな植物には伝統的に薬効性が高いと言われるものが多く、人気No.1の『歯磨き粉:Toothpaste - Whitening トゥースペースト』にも、カヌカオイルというネイティブの植物から採取したナチュラルな成分を使っています。

ケミカル(化学)成分が入っていなくて本当に歯がキレイになるの? と心配される方もいらっしゃいますが、そこはしっかり〈ecostore〉で検査しています。ご安心あれ」(マキャロルさん)

©Adam-Bryce
©Adam-Bryce

ちなみに、この歯磨き粉のパッケージの説明文は日本語に翻訳されており、外国語ラベルとしては初の試み。理由は「〈ecostore〉の歴史を日本の消費者のみなさんとシェアしたいから」だそうで、日本での人気の高さをうかがわせます。

【人気BEST(2) @JAPAN】おしゃれ着用のデリケート洗濯洗剤。

「洗濯洗剤:Wool & Delicates - Eucalyptus デリケート&ウールウォッシュ  」748円。
「洗濯洗剤:Wool & Delicates - Eucalyptus デリケート&ウールウォッシュ 」748円。

「衣服は一日中肌に触れるもの。ケミカル(化学)成分を使わないナチュラル生活は、洗濯洗剤からスタートすると、身体へ与える影響も大きいですよ。

NZの著名な写真家が撮ったモノクロ写真のパッケージも、日本では珍しいようでとても人気があります。使用後に棚にしまわず出したままにしておいても、日常風景をお洒落に彩ってくれると好評です」(マキャロルさん)

【人気BEST(3) @JAPAN】レモンの香りの食器洗剤/シトラスの香りの柔軟剤(同列3位) 。

「食器洗剤:Dish Liquid - Lemon ディッシュウォッシュ リキッド 」 528円。
「食器洗剤:Dish Liquid - Lemon ディッシュウォッシュ リキッド 」 528円。

「〈ecostore〉の香りは、すべて植物由来のエッセンシャルオイルを使っています。フルーティーな香りが特徴で、このアイテムもレモンの香りが人気です」

「柔軟剤:Fabric Softener - Citrus ファブリックソフナー  」748円。
「柔軟剤:Fabric Softener - Citrus ファブリックソフナー 」748円。

「NZと日本では洗濯の文化が違うんです。実は私、日本に行って初めて柔軟剤を使うお洗濯カルチャーを知りました!  洗濯洗剤がシャンプーで、柔軟剤がリンスのような感覚なのだと理解したのです。

日本の柔軟剤はフローラル系が多いので、このシトラスの香りがユニークだと日本のみなさんには喜んでいただいています」(マキャロルさん)

量り売り「リフィルステーション」を始めた理由。

現在はNZ国内に100ヶ所以上ある「リフィルステーション」。
現在はNZ国内に100ヶ所以上ある「リフィルステーション」。

ところで、〈ecostore〉といえば独特な量り売りスタイルの「リフィルステーション」を思い浮かべる方もいるかもしれません。

遡ること24年前、1997年に「リフィルステーション」はNZのエコウォーリアなユーザー(すべての消費行動にエコなこだわりを持つ消費者)たちの声から生まれました。

「『〈ecostore〉のアイテムは、なぜすべてプラスチックのボトルに入っているの?』『毎回新しいペットボトルを買わずに、既に持っているボトルの中身だけを詰め替えればいいのでは?』というNZの消費者のリクエストに創業者が応えたのです」(マキャロルさん)

2016年には、東京・恵比寿駅の〈アトレ恵比寿西館〉にアジア初の〈ecostore〉オンリーショップ(直営店)がオープン。「リフィルステーション」も設置されました。

2021年現在では〈ecostore〉のほか、〈ナチュラルローソン〉や〈Cosme Kitchen〉〈Biople by CosmeKitchen 〉の一部で導入されており、その数は日本全国に20ヶ所以上。

今年に入って、ボディウォッシュやシャンプー、コンディショナー、ハンドウォッシュなどのパーソナルケアも「リフィルステーション」に仲間入りしました。

取材の通訳をしてくれた〈ecostore〉のアリスさん。
取材の通訳をしてくれた〈ecostore〉のアリスさん。

「日本での認知度はまだまだですし、スーパーマーケットなどで新しいボトルを買った方が早いと考える消費者も依然として多いのが現状ですが、最近はInstagramで『#ecostorerefill』といったハッシュタグ付きで投稿してくれるユーザーも増えました。できるだけプラスチックを消費しないエコな行動への関心の高まりを感じています。

もっともっと日本でもリフィルステーションを活用してもらえるよう、私たちも頑張りたいです!」(マキャロルさん)

【Coming Soon!/日本未上陸アイテム】 固形シャンプー&コンディショナー。

「Haircare Bar ヘアケアバー(固形シャンプー ×3 & コンディショ ナー ×1)」(日本未発売)。
「Haircare Bar ヘアケアバー(固形シャンプー ×3 & コンディショ ナー ×1)」(日本未発売)。

ここからは、日本未上陸ながらもNZ本国で注目されているオススメアイテムをご紹介しましょう!

「これはNZのスーパーにある固形シャンプー部門の1位に輝いたアイテム。

プラスチックゴミを減らしたいという想いから、NZの〈ecostore〉では去年の8月から固形シャンプーシリーズを新しくつくりはじめ、シャンプー&コンディショナーを展開しています。リキッド(液体)タイプではないので、入れ物は紙製。プラスチックも水分も使わず、より環境にやさしい仕様なのです。

頭髪に刷り込むだけでよく泡立ちます。使い心地はリキッドタイプとそこまで大きく変わりませんから、現在使用しているものからの移行も予想よりスムーズかと思いますよ!」(マキャロルさん)

【Coming Soon!/日本未上陸アイテム】 濃縮洗剤クリーナー&スプレー(3種類) 。

Concentrated Cleaner 濃縮洗剤シリーズ。写真右から「バスルームクリーナー 」「マルチクリーナースプレー 」「ガラスクリーナー」(いずれも日本未発売)。
Concentrated Cleaner 濃縮洗剤シリーズ。写真右から「バスルームクリーナー 」「マルチクリーナースプレー 」「ガラスクリーナー」(いずれも日本未発売)。

「 濃縮洗剤シリーズのConcentrated Cleanerは3種類展開しています。いずれもプラスチックを減らすためにつくったガラス瓶入りのイノベーション商品です。

ガラス瓶の中身は50mlの濃縮洗剤です。従来の弊社のプラスチック製クリーナーは500mlサイズですが、その大半が水であることに着目し、このシリーズを開発。濃縮洗剤を買って、既に自宅にある容器に移し替え、その場で450mlの水を加えることで、よりエコなお洗濯ライフを楽しむことができます。

NZではこの濃縮洗剤シリーズで、年間6トンのプラスチックゴミの減量を目指しています」(マキャロルさん)

NZの先住民・マオリの人々に学びたい「カイティアキタンガ」の精神とは?

©Miles Holden
©Miles Holden

SDGsの潮流もあり今でこそ日本でもサステナブル(持続可能性)を重視したデイリーケアアイテムが注目を集めていますが、〈ecostore〉は23年前の創業時から地球環境への配慮をとても重視してきました。

今、私たちにも参考にできる価値観があるのかも? 最後にマキャロルさんに尋ねてみました。

「NZの文化の基本には『自らを地球の守り手と捉えて、環境を大切にする』という、先住民・マオリの価値観(=マオリ語で「カイティアキタンガ」)があります。その精神は〈ecostore〉にもしっかりと宿っています」

オパララ・アーチ(南島)。 © Fraser Clements
オパララ・アーチ(南島)。 © Fraser Clements

「NZ人は幼いころから、大自然でのスポーツや体験学習を通じて、生命の基盤となる大地を愛し、守り伝えていく者としての責任を学んでいきます。先祖たちから受け継いだ大地・海・空をできるだけよい状態で次の世代に引き継ぎたい。過去・現在・未来のつながりの中に生きている感覚があるのです。

もしかしたら日本に比べると人口が少ないことも関係しているかもしれませんが、『私がやるから、効果が出るんだ!』と自分の力を信じて、行動を起こす人が多いように思います。〈ecostore〉も過去の知恵を家庭のなかで生かし、子どもたちや地球の未来を輝かせたいのです」(マキャロルさん)

確かに、良くも悪くも空気を読みがちな日本社会では、「たった一人、自分が行動しただけでは地球は何も変わらないのでは?」と考えがちかもしれません。

「自分の力を信じる。行動してみる」。なにかを買う時、選ぶ時、マオリの「カイティアキタンガ」の精神を、ぜひ思い出してみて。

〈ecostore アトレ恵比寿店〉
■ 東京都渋谷区恵比寿南1-6 アトレ恵比寿西館 2F
■03-5475-8650
■10:00~19:00

〈Biople by CosmeKitchen 七里ヶ浜店〉
■神奈川県鎌倉市七里ガ浜1-1−1 Weekend House Alley1F
■0467-81-4250
■10:00~19:00

ecostore公式サイト
ニュージーランド政府観光局公式ウェブサイト

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