女性の体と性の悩みごと、宋美玄先生に聞いてみました。 『精子提供ってどうなの?まずは卵子凍結?』産婦人科医に聞く、女性の体と性の悩みごと。 SUSTAINABLE 2021.08.26

働き方に結婚、出産や自分の体について…、日々は選択の連続。突きつけられる選択肢に迷ったり、間違ったり、軌道修正をしながらも、自分の道を歩み続ける、わたしたちの話。今回は、女性の体と性の悩みごと、宋美玄先生に聞いてみました。女性の体についての悩みは尽きないもの。特に「妊娠・出産」といった大きな選択肢を前にすると考えることがたくさん。

Q.「いつかは絶対に子供を産みたい。今からできる準備や気をつけたほうが良いことは?」

女性の体と性の悩みごと

仕事の調子が良く、このままキャリアを重ねてシングルマザーとして自分の子供を産んで育てることも視野に入れたいと思っています。精子提供ってどうなのかな?まずは卵子凍結でしょうか?(外資系商社/32歳)

A. 金銭的に余裕があるのであれば、卵子凍結を視野に入れても。

卵子凍結をするというのは、今すぐの妊娠を望んでおらず、妊娠を先延ばしにしておきたい人の選択だと思います。あと数年以内に気の合うパートナーが見つかる可能性があるのであれば、すぐに凍結をする必要はないかもしれません。ただ、金銭的に余裕があるのであれば、卵子凍結を視野に入れることもありだと思います。凍結をした卵子が無駄になる可能性もありますが、あらゆる可能性を残しておくという点ではメリットも大きいはず。

ただ、卵子や受精卵凍結というのは、一般的ではないだけあってそれなりにデメリットも大きいです。まず、金額が高い。だいたい100万円弱はかかると思っておいて良いと思います。そして、採卵をするまでに何度も病院へ通う必要があり、スケジュールが見えづらいです。さらには、排卵誘発剤の刺激による肉体的負担も大きいのに加え、無事に凍結できた際には維持費もかかる。一回の採卵で10個取れたらいいほうですし、必ずしもその卵子で妊娠できるとは限らないという点でもやはりリスクは大きいです。ただ知識として、凍結という選択肢もあるということを持っておくのは良いと思いますね。

Navigator…宋美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士、丸の内の森レディースクリニック院長。産婦人科医として働きながら、書籍の執筆やテレビのコメンテーターとしても活躍している。

(Hanako1190号掲載/illustration:Manako Kuroneko text:Makoto Tozuka edit:Rio Hirai)

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