木村ミサと本日のティータイム。 シングルオリジンの煎茶って?世界初の日本茶ハンドドリップ専門店〈東京茶寮〉で、茶葉本来の味を楽しむ。 LEARN 2020.02.18

こんにちは。木村ミサです。気づけばこの連載も21回目!嬉しいです。この連載の原稿を書くのが日常の楽しみになっていて、自分の好きなお茶について深く知ることができるので幸せ。みなさまにも、この連載をきっかけにお茶を知ってくれたら嬉しいな。さて、今回はずっと行きたかった粋なお店、三軒茶屋にある〈東京茶寮〉さんの魅力を追いかけましょう。

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三軒茶屋駅から少し歩くと、スタイリッシュな外観が目に入る。一見、お茶屋さんには見えないこのお店が〈東京茶寮〉。スタイリッシュさの秘密は、デザイン会社を運営する世界初のハンドドリップ日本茶専門店だからなのです。それを聞いて納得の外観。店内にも粋なデザインがたくさんあると期待して、早速足を踏み入れてみましょう。

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〈東京茶寮〉は世界初のハンドドリップ日本茶専門店で、目の前でお茶を淹れてくれるのが特徴です。目の前でお茶を淹れてくれるお茶屋さんが増えつつある中、ここはデザイン性のあるビーカーや、日本茶専用のドリッパーを使用。まるで実験のように、目で見て楽しめるんです。

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メニューもチャートのようになっていて見やすい…!甘味・香り・渋味・旨味と4つのカテゴリーがあり、自分好みの茶葉を見つけることができるのも楽しみの1つ。日本に流通している茶葉はほとんどがブレンドされたもので、そんな中「シングルオリジン煎茶」と呼ばれる茶葉を採用。一農家、一品種を飲み比べることができるのを特徴としています。お茶の生産量のうち75%が1つの品種で、残りの25%が100種類以上の品種があり、なかなか出会う機会がない茶葉にここでは出会うことができるのです。今回は飲み比べのお茶を2セットいただきます。

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1煎目は70度で。コーヒーのように落ちてくるわけではなく、お湯を止めることによって、茶葉がお湯の中で浸るようになっている。香りをさらに引き立たせるため、茶葉は開くためのスペースを作ることが大事。砂時計の砂が落ち、スッと茶器を持ち上げるとお茶が流れてくる。まるで科学の実験のような目で見て楽しい瞬間。それと共に香る茶葉の香りがたまりません…。

【本日の1杯目】「煎茶二種飲み比べ+お茶菓子」の「ゆたかみどり知覧」と「うじひかり」 

「ゆたかみどり知覧」と「うじひかり」 
「ゆたかみどり知覧」と「うじひかり」 

まずは鹿児島県知覧の「ゆたかみどり知覧」と京都府宇治田原の「うじひかり」を飲み比べ。まず淹れてみてはっきりと色が異なるのがわかる。鹿児島県の「ゆたかみどり」は、色濃く香ばしい香りが広がる。苦味は少なく茶葉の甘味が感じられる。口に入れたときの口当たりがまろやかなのも飲みやすい。一方、「うじひかり」は浅蒸しで玉露の旨味をしっかりと感じる。どちらも一煎目は甘味と香りをしっかり堪能できます。同じ煎茶でも茶葉が違うだけでこんなにも違いがあるなんて。飲み比べの醍醐味に感動。

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お茶菓子はドライフルーツの羊羹を。デーツを練り込んだ白あんのベースにピスタチオやレーズン、いちじくが入っている。しっとりしていてドライフルーツの凝縮した甘味が美味しい。どちらのお茶にもぴったり合う。二煎目の80度で入れた渋味を感じられるお茶と合わせていただくのが最高の組み合わせ。

【本日の2杯目】「煎茶二種飲み比べ+お茶菓子」の「いなぐち」と「めいりょく」

「いなぐち」と「めいりょく」
「いなぐち」と「めいりょく」

続いては同じ静岡県産の茶葉を飲み比べ。静岡県といえばお茶ですが、産地によって違いを知ることができます。静岡県俵峰の「いなぐち」と静岡県岡部の「めいりょく」。こちらも淹れると色味の違いがはっきりわかる。俵峰の「いなぐち」は、THE日本茶!という印象を受けた。スッキリとした口当たりに茶葉の渋みもしっかり感じることができる。そして、岡部の「めいりょく」は色味がTHE 煎茶と言ったような鮮やかな緑。静岡県はお茶が名産なだけあり、産地は違えどどちらもジャパニーズグリーンティーのど真ん中で頼もしい。こちらは爽やかな甘味のある香りが印象的。ぐっと香りが口の中で広がりながら、クセのない飲みやすい絶妙なバランス。どちらも違ったTHE日本茶を感じられて、二種類一緒に贈り物としてプレゼントすると喜ばれそう。

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この二種は米粉のバターサンドをお供に。グルテンフリーで優しいバターサンドは、ピスタチオ、ほおずき、オレンジなどが入っていてスッキリと甘い味わい。ヘルシーなので罪悪感がなく食べられるとは。罪深いやつ…!(褒め言葉)これもぜひ味わっていただきたい一品です。

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飲み比べは三煎目に、どちらか一種に玄米を入れて玄米茶としていただくことができます。一種で2、3度楽しめて、さらにもう一種と飲み比べできるなんてありがたき幸せ。玄米茶は一気に香りも香ばしくなり、一段と違った顔に変身させてくれる。ブルベかと思ってたらイエベにもなれるの!?みたいなガラッと違う楽しみ方を魅せてくれるのです。ドリッパーなので茶葉がふわっと広がる様子を観察でき、2煎目以降はスリーブ付きの湯呑に。こんな粋なデザインができるのも〈東京茶寮〉ならでは。

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洗練されたデザインのお土産も。1つ1つが粋でかっこいい茶器や茶葉がそろっていてお土産にぴったり。透明の急須、気になります…!

「まろやかな国産粉末緑茶」
「まろやかな国産粉末緑茶」

最後にお土産で、「まろやかな国産粉末緑茶」を。茶葉を丸っと粉末にした日本茶を食べるようにして楽しめるパウダーのお茶。はるもえぎを粉末にしたこのお茶は、マイボトルに入れてシェイクして持ち歩いています。抹茶のようなまろやかな口当たりだけど、苦味のないスッキリと飲めるのでこれも贈り物にいいかもしれません。豆乳と一緒に飲んでも美味しかったのでぜひ試してみてほしい。

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今回は発見が多く、いつも以上にボリューミーな内容でお届けしましたがいかがでしたか?目で見て楽しい体験型のお茶屋さんを知ることで、さらにお茶への興味が広がります。銀座のお店も今度行ってみよう。三軒茶屋は元々3つのお茶屋さんがあったことに由来する地名で、ここにお店を出そうと決めたんだそう。粋なデザインにハンドドリップの日本茶。感度の高い日本茶の楽しみ方がここにありました。海外の人にも日本茶を知ってもらうのに良さそうな予感。そんな〈東京茶寮〉からますます目が離せません。それでは本日の一杯、召し上がれ!

〈東京茶寮〉

■東京都世田谷区上馬1丁目34−15
https://www.tokyosaryo.jp
■[月~金]13:00~20:00
 [土・日・祝]11:00~20:00 月曜休(祝日の場合は翌日休み)

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