娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 【日本酒】直火で熱々!冬にぴったりな燗酒「月波」シリーズ~『伊藤家の晩酌』第二十八夜1本目~ LEARN 2021.12.05

弱冠24歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?今回は、寒い季節に飲みたくなる燗酒にぴったりな日本酒をご紹介。第二十八夜の1本目は、燗酒のために造られたという、お手頃な長野のお酒。

小谷村直伝!やかんで直接、火にかける燗酒の作り方。

やかんに直接日本酒を注いで火にかけます。
やかんに直接日本酒を注いで火にかけます。

ひいな「今回は、普通酒の『波』を燗にしてみようか。まず日本酒をやかんに直接入れます」
テツヤ「湯煎じゃないんだよな」
ひいな「そう。やかんに入れて、直火で温めるんだよね」
テツヤ「しかもさ、やかんっていうのがいいよね」
ひいな「アルコールが飛んじゃわないように、必ずふたをしてください!小谷村の方曰く、ふたをするのがポイントだそうです!」
テツヤ「アルコールを余すことなくいただくためにも、ふたは忘れずに!」
ひいな「じゃ、火をつけるね」
テツヤ「火加減はどうするの?温度ってどうやって測るの?」
ひいな「鍋肌がふつふつしてきたな、っていうぐらいでいいみたい」
テツヤ「あぁ、沸騰する前のふつふつで止めるんだな」
ひいな「実は、〈薄井商店〉の社長さんにいただいたものがありまして…」

【日本酒】直火で熱々!冬にぴったりな燗酒「月波」シリーズ~『伊藤家の晩酌』第二十八夜1本目~

ひいな「その名も『おかんメーター』!」
テツヤ「すごいレトロだよな。どこで売ってんだろう(笑)」
ひいな「私も初めて見たよ」
編集・小倉「僕、〈東急ハンズ〉で見たことありますよ(ライター注:各ネットショップなどでも購入できるようです)」

ふつふつするまで火にかけたら、70度近くまでいきました!
ふつふつするまで火にかけたら、70度近くまでいきました!

ひいな「こんふうにやかんにそのまま入れて温度が計れます」
テツヤ「ぬる燗と熱燗の間ってなんていうか知ってた?」
ひいな「上燗?」
テツヤ「あたり!温度によって何燗なのか書いてくれてるのがありがたいね。今日はどのあたりにするの?」
ひいな「今日はかなり熱めで。とびきり燗って言われる温度かな」
テツヤ「おかんメーターには書いてないや。とびきり燗は何度なの?」
ひいな「55度以上かな」
テツヤ「熱々だな」
ひいな「今回は、繊細な温度のぬる燗とかじゃなくてガチガチのお燗を」
テツヤ「おぉ!温度ぐんぐん上がってきた!あっという間に60度超えた!」
ひいな「ふつふつしてくるぐらいが60度くらいなんだね。あ、70度までいっちゃった!」
テツヤ「もういいんじゃないの?」
ひいな「もういいね(笑)」

テツヤ「わぁ、湯気が立ってる!」
ひいな「じゃあ、いただきましょう」
ひいな&テツヤ「あぁ、うまいよ。香りが全然変わったね」
ひいな「あぁ、これだ。これだね!」
テツヤ「さっきの常温よりぜんぜんうまいよな」
ひいな「余計なものが飛ぶんだろうね」
テツヤ「甘みがすごく残るよね。ぜんぜんいやな甘みじゃなくってさ。するっとお茶みたいに飲めちゃうな(笑)」
ひいな「そうそう。火を通すことでお酒の味が平坦になって、ずっと飲み続けられるお酒になるっていうか」
テツヤ「やっぱりさ、やかん酒は湯呑みだよな。おちょこより湯呑みが似合うよ」
ひいな「本当にお茶を飲んでるみたいな感覚だよね」

「月波ノ波」に合わせるのは、〈道の駅おたり〉で買った地元グルメセット!

左上から時計回りに。唐辛子が効いたピリッと辛い「こしょうみそ」、〈おたり生ハム工房〉の「熟成生ハムニンニクオリーブ」と「原木熟成プロシュートペースト」は止まらないおいしさ。酸味と食感が抜群の「野沢菜ふぶき」の4つ。
左上から時計回りに。唐辛子が効いたピリッと辛い「こしょうみそ」、〈おたり生ハム工房〉の「熟成生ハムニンニクオリーブ」と「原木熟成プロシュートペースト」は止まらないおいしさ。酸味と食感が抜群の「野沢菜ふぶき」の4つ。

ひいな「これに合わせるおつまみは、小谷の道の駅で売ってる、地元名産品の数々です!」
テツヤ「絶対うまいだろ!ってやつばっかりセレクトしたもんな」
ひいな「このプロシュートペースト、気になるよね」
テツヤ「〈おたり生ハム工房〉は、小谷で豚を放し飼いで飼育してるところがあってね。その豚を加工してプロシュートを作ってて。栂池高原のゲレンデの上にある変電室みたいな小屋にぶら下がってるんだよね」
ひいな「そう。すごい数ぶら下がってたよね。その生ハムを使ったパテと、生ハムをにんにくオリーブオイルにつけこんだものと…あと、取材に同行してくれたカメラマンさんの米谷亨さんおすすめの野沢菜も」
テツヤ「そうそう。米ちゃんが『これすごくおいしいんですよぉ〜』って教えてくれたんだよね」

【日本酒】直火で熱々!冬にぴったりな燗酒「月波」シリーズ~『伊藤家の晩酌』第二十八夜1本目~

ひいな「モノマネすごい似てる(笑)。このこしょうみそは、いわゆる唐辛子味噌で『白馬錦』の〈薄井商店〉さんに行った時、『ちょっと待ってて』って社長がかばんの中から、こしょうみそを出してくれたんだよね」
テツヤ「そうそう。自家製のね」
ひいな「いつも持ち歩いてるんだ!ってびっくりした(笑)」
テツヤ「熱燗に合わせるつまみの定番なんだね」
ひいな「じゃ、そろそろ、やかん酒に合わせてみようか!」
ひいな&テツヤ「いただきます!」
テツヤ「この野沢菜本当にうまいな!米ちゃん、ありがとう!」
ひいな「うん、本当においしいね、この野沢菜。日本酒も、燗冷ましになってきて、どのおつまみとも合う〜!」
テツヤ「全部ごはんのお供だよな」
ひいな「ごはんのお供ってことはお酒のお供だから(笑)」

【日本酒】直火で熱々!冬にぴったりな燗酒「月波」シリーズ~『伊藤家の晩酌』第二十八夜1本目~

テツヤ「プロシュートと小豆島のオリーブオイルのやつも最高だな。生ハムのうまみとやかん酒が合わさったら、口の中でスープになったよ。この〈おたり生ハム工房〉さん、ヤバいね」
ひいな「じゃ、そろそろ、あれを…」

テツヤ「原木で買ってきちゃったね(笑)」
ひいな「食べ放題やりたい!」
テツヤ「あぁ、最高!日本酒にも最高に合うよ。ワインよりも合う気がする」
ひいな「やかん酒の味の平坦さに、プロシュートの味の盛り上がり方がすごいから合うんだよね。やかん酒がなんでも受け止めてくれる感じかな」
テツヤ「日本でプロシュート作ってるところって少ないんだって。温度管理がむずかしいのかな。これ24ヶ月熟成らしいんだけど」
ひいな「うまみがぎっしり詰まってる」
テツヤ「ちょっと発酵した香りもあって。クセになるよね」
ひいな「買ってきてよかった」
テツヤ「カメラ機材より、プロシュート2本のほうが重かったもんな(笑)」
ひいな「1本は誕生日プレゼントであげたんだよね」
テツヤ「ありがとう。自分で削ってつまんで。永遠に飲んでられる、最高のプレゼントです!」

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