娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張!スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)」~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目~ LEARN 2021.08.08

弱冠24歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?今回から伊藤家を飛び出し、出張篇を全3回でお届け。「一番好きなお酒は日本酒!」という料理家のワタナベマキさんのお宅にお邪魔し、スパイスを使った料理を作っていただきました。スパイス×日本酒、その相性はいかに!?第二十六夜の1本目は、ピリッと刺激的な花椒(ホアジャオ)に合わせる栃木のお酒。

「日本酒が大好き!」という料理家のワタナベマキさんが、おつまみに選んだものは!?

料理家ワタナベマキさんのお宅にお邪魔させていただきました!
料理家ワタナベマキさんのお宅にお邪魔させていただきました!

娘・ひいな(以下、ひいな)「いつも父がお世話になっています。父とワタナベさんがお会いするのは何回目ですか?」
父・徹也(以下、テツヤ)「まだ、7回目くらいですよね?」
ワタナベマキ(以下、マキ)「それくらいかな?」
ひいな「短い間にぎゅっとたくさんお会いしてる感じなんだね」
テツヤ「そうそう」
マキ「本の撮影でご一緒させていただいて」(ライター注:8月10日発売の『ワタナベマキのスパイス使い』(グラフィック社)という料理本を父・テツヤが撮影しています)

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張! スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目〜

テツヤ「こんなずうずうしいお願いを……ご快諾いただきありがとうございます」
マキ「いえいえ。こちらこそ。とてもうれしいです」
テツヤ「日本酒が一番好きと聞いて、これは出ていただかないと!と即お声がけしました」
マキ「はい。日本酒が一番好きなんです。そんなにたくさん詳しいっていうわけではなくて、いつも同じものばかりで。だから、ひいなさんからたくさん日本酒のこと聞きたい!教えてください!」
ひいな「こちらこそ、楽しみです!今からもう、おなかがすいてしょうがないです(笑)」
テツヤ「マキさんは、日本酒の中でも、何を好んで飲まれるんですか?」
マキ「私は辛口が好きなんですけど、近所の酒屋さんに勧められるまま。日本酒が一番酔わなくて。ワインとかすぐ酔っちゃうんですけど」
テツヤ「日本酒が体に合うんですね」
マキ「日本酒はぜんぜん平気なんです」
ひいな「えぇ!それはいいですね」
テツヤ「お酒の相性って、人それぞれ違いますもんね。おもしろいなぁ」
ひいな「お料理と日本酒の組み合わせって、どうですか?」
マキ「日本酒ってやっぱりお米でできてるから、すごく合わせやすいというかどんな料理にも合うなと。あと、私は酸味が好きで、料理にも酸味を使うので日本酒はキリッとしたものが合うかなと思います」
ひいな「なるほど。料理の酸味に対してのペアリングなんですね」
マキ「あと、後味がすっきりしているものが好きですね。お酒を飲んで、また料理に戻れるっていうか」
ひいな「やわらかいお水みたいな感じですよね」
マキ「たしかに。うんうん」
テツヤ「今回はマキさんにどんな料理を作ってくださるかを聞いてから、ひいなが日本酒を選んだんだよね」
ひいな「うん。初めての試みです。撮影の前に、どういう料理を作ってくださるのかというのをお聞きして、それに合わせた日本酒を持ってきました!」
テツヤ「おぉ、楽しみだなぁ」
マキ「楽しみです!」

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張! スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目〜

1品目は、甘み、塩気、花椒の辛味が三位一体!「豚肉とトウモロコシの花椒和え」。

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張! スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目〜

マキ「1品目は、豚肉とトウモロコシの花椒(ホアジャオ)和えです」
テツヤ「ホアジャオかぁ!」
ひいな「伊藤家、ホアジャオ大好きです!」
マキ「夏なのでスパイスを使ったものを作りたくて。シンプルにホアジャオと塩で味付けしました。トウモロコシの甘みにピリッとした辛さと塩気を合わせて」
テツヤ「味付けは塩だけですか?」
マキ「あとはお酢がちょっとだけ。酒粕からできた赤酢を使いました」

テツヤ「夏を感じる一品ですね」
ひいな「ね。おいしそう。色合いがかわいい!」
マキ「トウモロコシの黄色がね」
ひいな「元気になる色!」
テツヤ「料理家さんに取り分けてもらうなんて!」
ひいな「ほんとうに贅沢!ありがとうございます」

テツヤ「これぞ、出張篇の醍醐味だね。むしゃむしゃ食べちゃいそうだけど、日本酒のために取っておかないと!」
マキ「そうでした(笑)」
一同「いただきます!」
テツヤ「もったいないな、食べるのが(笑)」
ひいな「ね。もったいない!」
テツヤ「どうですか?マキ先生」
マキ「う〜ん、お酒と早く合わせたい!」
テツヤ「早くお酒を(笑)!」
マキ「どうですか?」
テツヤ「最高です。めちゃくちゃ食べちゃいます」
ひいな「うん!おいしい!」
テツヤ「トウモロコシの甘みとホアジャオ、すごく合いますね」
ひいな「うん、ホアジャオの香りがすごくいい」
テツヤ「ね。あとからくるね」
マキ「豚肉でトウモロコシを包んで、一緒に食べてもらうといいかなと思います」
ひいな「では、そろそろ、お酒持ってきますね」

「豚肉とトウモロコシの花椒和え」に合わせるのは、「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)」。

栃木県佐野市の第一酒造は、1673年創業で県内でも最も歴史のある酒蔵。創業当時から農家として米作りから酒造りも行う。さらりとした飲みやすさと、ふくよかな米の味わいが両立するバランスのいいお酒『開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)』720ml 2,145円(税込・ひいな購入時価格)/第一酒造株式会社
栃木県佐野市の第一酒造は、1673年創業で県内でも最も歴史のある酒蔵。創業当時から農家として米作りから酒造りも行う。さらりとした飲みやすさと、ふくよかな米の味わいが両立するバランスのいいお酒『開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)』720ml 2,145円(税込・ひいな購入時価格)/第一酒造株式会社

ひいな「これは栃木県佐野市にある第一酒造の『開華(かいか)』というお酒です。蔵に行って買ってきたお酒なんですけど」
マキ「へぇ、すごい!」

待望の日本酒が登場して、マキさんも大よろこび!
待望の日本酒が登場して、マキさんも大よろこび!

ひいな「実は、私が第一酒造のアンバサダーをさせていただいているんです!」
マキ「わぁ!アンバサダーなんて素敵!もともとここのお酒が好きで?」
ひいな「そうなんです。もともとここのお酒が好きで飲んでいて、アンバサダー募集してる!ってなって応募して選んでいただきました」
マキ「わぁ、それはすごい!」
テツヤ「すごいですよね(笑)」
ひいな「この前、蔵に行ってきて。そこで、蔵の方に『ワタナベマキさんという料理家さんにスパイスを使った料理を作っていただくんですけど、どのお酒がいいと思いますか?』ってお聞きして、何種類も試飲して選んできた1本がこちらです!」
テツヤ「おぉ!」
ひいな「『開華』の純米吟醸 遠心分離生酒です」
マキ「ひいなさんの選りすぐりの1本!」
テツヤ「今日は、マキさんに酒器もたくさんご用意いただいて」

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張! スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目〜

マキ「夏だからガラスの酒器をたくさん用意しておきました」
ひいな「どれも素敵です!じゃ、1本目はガラスの酒器にしましょうか。では、お注ぎしますね」

マキ「わ〜い!」
ひいな「とりあえず飲んでみてほしいな」
一同「いただきます!乾杯!」
テツヤ「お?おいしいぞ、これ。香りもフルーティ!」
マキ「うんうん。おいしい〜」

はてさて、お味はいかに?
はてさて、お味はいかに?

ひいな「まろやかで、まとまってる感じもありますよね」
マキ「すっきりとした軽やかさもあって」
テツヤ「味わい深さも感じるな」
ひいな「そうなの!重たくないのにうまみがちゃんとあるっていうのがこのお酒のいいところで」
マキ「ほんとだ。なんだろう。飲んだ時はすごくすっきり。あれ?違う。後味がすっきりしてるのか」
テツヤ「ふくよかさ、ありますよね」
マキ「そうそう。飲んだ時にふくよかで、後味がスーッと消えていく感じ」
ひいな「酸味もありますよね」
テツヤ「酸味あるね」
マキ「うん。これはすいすい飲めちゃう」
テツヤ「料理のスパイスをお酒で流す感じですかね」
マキ「うん、それがいいと思う!」
テツヤ「これはめちゃくちゃ合うんじゃないか?」
マキ「うん。豚肉とすごく合ってる」

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張! スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目〜

ひいな「相性いいね!」
テツヤ「ひいなは、マキさんからメニュー名を聞いて、味を想像しながら日本酒を選んだんだよな?」
マキ「ホアジャオだっていうのはお伝えしてたけど……」
ひいな「あと、豚肉とトウモロコシという材料はお聞きしてました。でもどういう味付けなのかはわからなかったので」
テツヤ「こういうのだとは想像してなかったなぁ。このお酒、料理にすごく合ってる!」
ひいな「わ〜い!」
(パチパチパチパチ)

スパイス×日本酒。お題をいただいて、新たな可能性の扉を開いた!?

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張! スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目〜

ひいな「このお酒、『遠心分離』のお酒なんだけど、小さいタンクにもろみをいれて、遠心分離でぐるぐる回すと、まわりに酒粕がこびりつくの。その真ん中から採れたお酒には、無駄な圧力がかかってなくて」
テツヤ「あぁ、なるほど。普通は、押したりして搾り出すんだもんね」
マキ「あぁ、そうか」
ひいな「圧力をかけない遠心分離のおかげで、クセがなくなるんだって」
マキ「遠心分離をやってる蔵はほかにもあるの?」
ひいな「そんなに多くないですね。機械の費用が割とかかるので少ないみたいで」
テツヤ「一般的ではないよね。お魚でも家畜でもストレスがないほうがおいしいっていうじゃないですか。同じことなのかもしれないですね」
マキ「確かに。食べ物でいうと余分なアクとか、そういうものが出てこない、自然のままの味になるのかも」
ひいな「第一酒造のお酒は、基本的に火入れしてあるものが多いんですけど、これはフレッシュな生酒でピチピチな感じをそのまま生かしたお酒になってます」
マキ「余計な雑味とかが出てないんだね。ピュアっていうことか」

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張! スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目〜

テツヤ「マキさんは、日本酒に合わせる料理で、どうしてスパイスが頭に浮かんだんですか?」
マキ「スパイス料理は自分でもよく作るんだけど、日本酒を飲む時っていつもありきたりで。スパイスを使ったお料理だったら、どういう日本酒を持ってきてくれるんだろう?って」
テツヤ「ひいなへの挑戦状でもあったわけですね!」
マキ「スパイスと合う日本酒が知りたい!と思いまして」
ひいな「なるほど」
マキ「日本酒にスパイス料理って組み合わせ、思い浮かばない人もいるのかもしれないけど」
ひいな「確かに、スパイス料理には日本酒じゃないと思う人もいるかもしれないですよね」
ひいな「ナチュールとか無難に合わせそうな感じもしますしね」
マキ「そうそう。どういうタイプの日本酒が合うんだろうっていうのが知りたかった」
ひいな「今回、ホアジャオを使うって聞いた時に、ホアジャオに対して、ど直球で日本酒を合わせるのは無理だと思ったの」
マキ「うんうん」
ひいな「ホアジャオを包み込めるような、受け口の広いお酒を持ってくれば合うんじゃないかなって」
テツヤ「たしかに包み込む感じあるよ」
ひいな「よかった」
テツヤ「マキさんが日本酒を飲みたいっていうのはどういう時なんですか?」
マキ「日本酒は週末に。だらだら飲める時に飲むかな」
テツヤ「昼間から?」
マキ「そうそう」
テツヤ「え〜、全然想像できないけど(笑)」
マキ「飲んでます(笑)。飲むと手元が危うくなるし、すぐ真っ赤になるし、何もできなくなるから何もしません(笑)!」
テツヤ「おつまみは自分で作るんですか?」
マキ「先に作っちゃって、それをゆっくり食べながら」
テツヤ「そりゃ贅沢だなぁ」
マキ「いやいや、簡単なものを。自分だとやっぱり簡単なものになっちゃいます」

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張! スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目〜

ひいな「わ、1本空いちゃった!」
テツヤ「撮影中に飲み干したのは初めてだね(笑)。マキさん、顔赤くなってますよ(笑)」

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張! スパイスの刺激もやわらかく包み込む「開華 遠心分離酒(純米吟醸生酒)~『伊藤家の晩酌』第二十六夜1本目〜

マキ「すぐ赤くなっちゃうんですよ。もうちょっとしたら引いてくるから、待っててください。あ、でも写真に残っちゃうんですね、わぁ(笑)」
テツヤ「レタッチ効かないんで、そのままになります(笑)」
マキ「飲み続けると、引いてくるから!」
テツヤ「じゃ、このまま飲み続けましょう!」

■ワタナベマキ
保存食や乾物を使った料理に定評があり、ライフスタイルを紹介した著書も多数。近著に『ワタナベマキの梅料理』(NHK出版)、8月10日に『ワタナベマキのスパイス使い』(グラフィック社)を発売したばかり。

【ひいなのつぶやき】
ワタナベマキ先生との光栄すぎるコラボ企画はスパイスがテーマ!花椒×遠心分離のコラボは、この業界では珍しいのではないでしょうか!続きをお楽しみに!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita

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