言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第61回~ LEARN 2021.10.22

ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。季節の変わり目はおしゃれが楽しいですね。

(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Shiho Kato[PEACE MONKEY])

「着たい服を着るのだ」

秋が好きだ。過ごしやすい気候、大好きな芋栗かぼちゃスイーツが沢山出てくるところ、スーパーに並ぶ食材の豊富さ、サンマ、紅葉、空が高く澄んでいるところを含め、季節の中で一番好きかもしれない。たまらなく秋服も好きだ。

暑さもまだ残っている頃に街中のショーウインドーの装いがガラッと変わる。コットンなどのサラッとした素材の服やラフィアのバッグが並んでいたのが一転、レザーやニットなど温かみのあるものに変わる。一番寒い時季に冬服の重い色味から春の明るい雰囲気に変わるあの高揚感も好きだけれど、夏から秋にかけての時季も胸が高鳴る。半袖のニット、生足で履くブーツ、うっすーい生地のワンピースにライダースジャケットを羽織るというあのアンバランスさ。暑くも寒くもない今の時季だけ出来る格好こそがファッションなんだなあと思う。ハイレベルなコーディネートは出来なくとも、気兼ねなく洗えるとか着心地がいいとか、そういった視点で仕方なく選んでいた夏の頃とは大きく心持ちが変わってくる。気温を気にせず、着たい服を着るのだ。これはヒートテックを着ないと過ごせなくなるまでが勝負。一度着たら手放せなくなって、ヒートテックが響かない洋服ばかり選ぶようになるから(笑)。

なぜか昔から襟が付いているアイテムが大好きでよく着ているのだが、そんな襟好きにとって今年は願ってもない当たり年である。なんでも襟がトレンドアイテムらしく、どのブランドからも可愛い襟付きの服が例年以上に出ていて豊作なのだ。大きな襟付きのブラウス、襟付きのリブニットを2枚、取り外しのできる襟の付いたニット、ニットとドッキングしているシャツワンピース、もはやとりつかれたかのように襟の付いたアイテムばかりゲットしている。襟付きは試着したら終わりなのだ。買ってしまう。ニットも大好きでまだ狙っているものがある。チェック柄にも目がない。ベージュや茶色のこってりとした色とかくすんだ水色も大好物! クローゼットを開けてみると、同じようなシャツだってブラウスだってワンピースだってなんだってあるのに新しいのが欲しい。自分の物欲の強さと自制が保てない心にへきえきする。

でも一方で、自分の心躍る何かを惜しみなく買えるという経験が出来ているということに感謝する自分がいる。家族がいたら、そうじゃなくなるかもしれない。健康じゃなくなったら、もし仕事が出来なくなったら。考えるとキリがないように思える。お金を使うことが働くことのモチベーションになっている自分もいる。自転車操業にはならないように十分気を付けているが、毎朝パンパンのクローゼットの前に立って、チョイスの多さに圧倒される時になんだか「今日も頑張るか」と思うのだ。

【弘中のひとりごと】
秋はメイクも可愛いですよねぇ〜ん

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