言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第22回~ LEARN 2020.03.13

ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。今回は先月経験した旅について。

「インドに行ってきた」(その1)

 「インドに行ってきた」と色んな人に言いたくて、行くことを決心した、といっても過言ではない。

 「弘中ちゃん、休みどこ行ってきたの?」「私、インドに行ってきました」というのはかなりクールな回答なんじゃないか、という計算。ハワイ、とか台湾とか、そんなメジャーなところには行かず、敢えて、休みにインドに行ってしまうアグレッシブさのアピールをしたかった、のかもしれない。話のタネにもなりそうだし。とにもかくにも、29歳になってすぐにインドに行ってきた。インドに足を踏み入れるのは初めてだ。昔から行きたかったわけでも、憧れていたわけでもない。自ら計画したわけでもない。行き当たりばったり、というか、究極の便乗旅行だった。

 きっかけは、ちょっとした会話からだった。相手は去年、お仕事で知り合ったAさん。Aさんは美人さんで、サバサバしていて、面白い。年齢は上なんだけど、何となく気が合うような感じがしていた。食事に誘ってもらって、年末に二人で水炊きをつつきながら何気ないおしゃべりをしていた時に、旅行が好き、という共通点が見つかった。話を聞いていくと、Aさんはクロアチアのドゥブロブニクに一人で行っていたのだ。(この連載の第14回を読んでほしいのだが、私も昨年女子グループで旅をして、友達がいてもすることがなくて時間を持て余してしまったのに、一人で過ごすなんてもはや尊敬してしまう)。
 よほどの旅好き、そして変わり者とみた私は、詳しく旅行の話を聞いてみたところ、なんと毎年インドに行っているというではないか!インドに行ってみたい、とはぼんやり思っていたものの、女性一人で行くのは危険だ、というイメージがどうしてもあって、なかなかハードル高く感じていた。でも、インドに行ったら人生観が変わる、と言うし、20代のうちに行っておきたい。インドに呼ばれないと行けない、なんて記述もある。そんなに仕事上で仲良くなる人もいないし、インド好きの方と気が合ったのも、何かの縁。もしかしたら私、インドに呼ばれたのかも?そう思って、「2月だったらお休み取れるかもしれないんですけど、来年の旅行、私も付いて行ってもいいですかね?」と聞いてみると、なんとAさん、面白がってくれた。ほかのメンバーに聞いてみますね!と前向きな答えをその場でもらう。なんでもとりあえず言ってみるものだな、と思いつつ、胸がワクワクする。

 詳しく聞いてみるとAさんたち一行は、お仕事の繋がりで日本とインドを頻繁に行き来されている「ガチ勢」と、Aさん含む旅行として楽しんでいる「にわか勢」との2グループで形成されていた。女性だけではなく、インド渡航歴何十回というインドマスターともいえる男性陣、さらには、インドと日本両国をルーツに持つ方まで!これは渡りに船、鬼に金棒もいいところ。しかも、こんな突然に部外者が参加するにもかかわらず、快く受け入れてもらえ、私はインドに行くことになった。(つづく)

次回:3月27日更新予定

photo:moron_non
photo:moron_non

【弘中のひとりごと】
第七世代がほぼ年下なことに、地味にショックを受けています。

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