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2021.09.01

第35回 連載「拝啓、〈星〉へいらっしゃいませんか?」 【シンガポール】元・工業地帯『Jalan Besar地区』が、おしゃれエリアへと進化中!コーヒー店が多いエリアでカフェ・ホッピングへ。

結婚を機にシンガポールへ移住することになった元Hanako編集者女子による、星(=シンガポール)通信。第35回は、Jalan Besar地区にフォーカス。もとは工場が集中する工業地帯だったエリアですが、ここ10年でカフェやデザインオフィスが集まるおしゃれエリアに発展。厳選豆を自家焙煎するカフェなど、豆にこだわりを持つコーヒー店が多い同エリアで、カフェ・ホッピングを。

こんにちは。ナイトライフ・スポットや魚市場を中心に起きたクラスターにより、7月中旬から、3度目となる外出規制が行われていたシンガポールですが、8月上旬から、ワクチン接種完了者を対象に規制緩和が始まっています。というわけで、お散歩へ。向かった先はJalan Besar地区。Jalan Besarとはマレー語で「大通り」の意。沼地だった場所に畑が作られ、大型車輌が通りやすいよう道が整備されたことから、Jalan Besarと名付けられたのだそう。のちに同エリアにはゴムの加工工場やパイナップルの缶詰工場が増え、工業地帯として発展しました。

このJalan Besarエリアに変化が訪れたのは、約10年前。「Chye Seng Huat Hardware」というカフェを筆頭に、若いオーナーがカフェやバーをオープンさせ始めたのです。ここ5年ほどでデザインスタジオやマーケティング会社が増え、街のお洒落化がさらに進んでいます。個人的にこのエリアの好きなポイントは、工業地帯だったという歴史が街の雰囲気からなくなってしまっていないこと。現在も工場が入っている無骨な建物にピザのお任せコースを提供する話題のレストランも入っていたり、元薬局をリノベーションしたクラフトビール店があったり。「ここはなんだろう?」と、散策していて飽きることがありません。

ぜひ訪れて欲しいのは、こだわりコーヒーを提供するカフェ。人気の3軒をピックアップしましたので、カフェ・ホッピング(はしご)を楽しんでください。

1.〈Chye Seng Huat Hardware(ツァイ・セン・ファット・ハードウェア)〉

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まずご紹介するのは、Jalan Besar地区にヒップな店が増えている!、と噂されるきっかけとなった〈Chye Seng Huat Hardware〉。こちらは敷地内に焙煎所が併設され、煎りたての香り高いコーヒーがいただけます。豆の輸入元は、アフリカ、ラテン・アメリカ、アジアと広域。労働環境や、豆の栽培法が生物多様性を侵食していないかなどを調査し、信頼できるコーヒー豆農家をパートナーとして迎えているのだそう。

「おいしいコーヒーというのは、酸味・甘味・苦味・香り・味・ボディなど、すべてのバランスがとれているもののこと。わたしたちは世界中の豆農家とつながり、幅広いブレンドやシングルオリジンを扱っているので、1年を通しておいしいコーヒーを安定的に提供できるんです」(セールス&マーケティング担当 ザンテ・アンさん)同店のもう1つの魅力は、前身の金属製品工場をいかしたアールデコ調の建物。Chye Seng Huatとは、再び活躍する、の意。かつてたくさんの製品を生み出した工場への敬意と、街になじんだ味のある姿を残したいというオーナーの思いが込められた、かっこいい空間です。

〈Chye Seng Huat Hardware(ツァイ・セン・ファット・ハードウェア)〉
■住所:150 Tyrwhitt Road, Singapore 207563
■アクセス:MRT・Downtown Line(青)「Bendemeer」駅より徒歩約6分、MRT・North East Line(紫)「Farrer Park」駅より徒歩約6分、MRT・East West Line(緑)「Lavender」駅より徒歩約11分

2.〈Apartment(アパートメント)〉

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続いては〈Apartment〉。国内外のバリスタ大会で賞を獲得するチン・フゥが2018年にオープンしたカフェで、白く塗られた壁と床に北欧家具が配された空間に、大きな窓から優しく自然光が差し込む、穏やかで心地よいスペースです。店名に込められているのは、ふらりと立ち寄って、自分の家のように過ごせる場所になってほしい、というオーナーの願い。横長の店内に広がる大きなカウンター席でスタッフとのおしゃべりに花を咲かせる人もいれば、窓辺の席に座り、店前を通りかかる友人に手を振る人もいるなど、

〈Apartment〉がこの街の暮らしに溶け込んでいる様子が見て取れるはず。
サーブされるコーヒーは、エチオピアやケニヤ、インドネシア産のシングルオリジンが中心。豆の特徴や、ホット向きかアイス向きかなど、ぜひともスタッフに尋ねてみてください。一杯ずつ丁寧にドリップされたコーヒーは、ローカルデザイナーによる陶器カップに入って提供されます。縁が狭めにデザインされているため、心なしか香りの余韻が長く楽しめる気が。長居していいよというサインかな、と勝手に解釈し、のんびりと過ごさせてもらっています。

〈Apartment(アパートメント)〉
■住所:161 Lavender Street, #01-12, Singapore 338750
■アクセス:MRT・Downtown Line(青)「Bendemeer」駅より徒歩約5分、MRT・North East Line(紫)「Farrer Park」駅より徒歩約8分、MRT・East West Line(緑)「Lavender」駅より徒歩約11分

3.〈Lucid(ルシド)〉

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3軒目は〈Lucid〉。こちらはコンクリート床にマットなシルバーの家具を配した、ミニマルかつインダストリアルな雰囲気の内装です。同店でいただきたいのは、台湾の名コーヒー店〈Taster’s Coffee Taiwan〉とコラボレートしたオリジナルブレンド「Lucid blend#1」。中炒りゆえ、チョコレートやナッツのような深みと香ばしさがありつつ、トロピカルフルーツのような爽やかさも。ブラックはもちろん、ミルクとあわせてホワイトにしてもよい、バランスのとれた味わいです。

スモークサーモンと酢漬けキュウリが好相性のSmoked Salmonや、マスタードをきかせた大人味のEgg Saladなど、トーストメニューもおすすめ。朝食やランチでの利用に重宝します。

〈Lucid(ルシド)〉
■住所:38 Hamilton Road, Singapore 209208
■アクセス:MRT・Downtown Line(青)「Bendemeer」駅より徒歩約4分、MRT・North East Line(紫)「Farrer Park」駅より徒歩約8分、MRT・East West Line(緑)「Lavender」駅より徒歩約9分

Jalan Besar地区にほど近いPetain通りには、国の保存建築に指定されるショップハウス(シンガポール特有の二階建て建築。1階がショップ、2階が住宅だった)が並びます。かつて近隣のゴム工業で富を得た人びとが、自らの富を自宅のデザインの緻密さに反映させていたそうで、その美しさは、いまなお健在。中国風のバロック様式に、ヨーロッパや日本のタイルも用いられた折衷デザインは見応えがあるので、カフェ・ホッピングをしつつ、ショップハウス群にも足をのばしてみてください。

T. Ayako
T. Ayako / フリーランスエディター

「シンガポール在住の元Hanako編集者。デリバリー専門ドーナツ店としてスタートした〈SOURBOMBE〉が実店舗をオープン。サワードウ生地がベースとなっていて、軽い仕上がり。バジルやラベンダーを使ったクリームがたっぷり詰まった、手土産にぴったりのスイーツ」

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2021年4月1日以降更新の記事内掲載商品価格は、原則税込価格となります。ただし、引用元のHanako掲載号が1195号以前の場合は、特に表示がなければ税抜価格です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。
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