連載「拝啓、〈星〉へいらっしゃいませんか?」 地元で大人気!シンガポールのおすすめローカルスイーツ店4軒 LEARN 2020.06.30

結婚を機にシンガポールへ移住することになった元Hanako編集者女子による、星(=シンガポール)通信。今回のテーマはローカルスイーツ。中華系ルーツが多いシンガポールには、餅菓子や亀ゼリーなど、中華系伝統菓子がたくさん。現地で食べるもよし、お土産にするもよし(日持ちはあまりしませんが…)な、ローカルスイーツ4選です。

まだまだ予断を許さぬ様相の新型コロナウイルス。シンガポールでは2020年4月7日から「サーキットブレーカー」という名のマイルドなロックダウンとなっていました(サーキットブレーカーの内容は第25回参照)。5月初旬に解かれると設定されていたのが1か月間延長され(いよいよ5月、というタイミングで発表され、いたしかたないと理解しつつ絶望)、6月初旬から、ようやく3段階の段階別解除がはじまっています。

解除第1段階ではエッセンシャル・サービスと呼ばれる限られた企業のみオフィス出勤が可能となったほか、学校・保育園が再開。そして6月18日(木)23時59分からは解除第2段階を迎え、ついにほぼすべての店舗がオープン、レストランでの店内飲食が許可されることに。といっても、映画館や美術館、ナイトクラブなど人が多く集まる大型施設や、人との距離感が密になるバーなどは再開できず、飲食店も利用は1グループ5名以下に限られます。屋外でのマスク着用や、人との距離を1m以上あけるSocial Distanceの原則は継続され、罰則対象となるようです(2020年6月17日時点)。

飲食店を応援する意味でも、さっそくレストランへ行きたい気持ちは山々ですが、2か月以上もの間、引きこもり生活をしていた身に、いきなりの外食は心理的ハードルが高く感じられてしまっています。そこでまずはお出かけリハビリのために、大好きなおやつの店に行ってみることに。シンガポールを旅する人にもおすすめしたい、ローカルスイーツ店です。

1.伝統菓子・紅龜粿の有名店〈Ji Xiang Ang Ku Kueh〉

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まずご紹介するのは、伝統菓子・紅龜粿(アン・クー・クエ)。亀の甲羅を模した中国発祥の餅菓子で、シンガポールの紅龜粿にはもち米粉とココナッツミルクが用いられ、しっかりした食感とふんわりとした甘みが特徴。旧正月や結婚式、赤ちゃんの生後1か月記念などの祝い菓子でもあります。

この紅龜粿の有名店が1985年創業の「Ji Xiang Ang Ku Kueh」。常に5〜6人が列をなす人気の秘密は、徹底した手作業にあり。餡詰めや成形の工程を手で行うことで餅の厚みが均一に保て、なめらかでとろけるような舌触りになるのだそう。フレーバーは6〜7種あり、ピーナッツやスイートビーンなどの定番のほか、ドリアンなど季節ものも。わたしはいつも迷って、結局、全種類持ち帰っています。1個0.9SGD〜(約72円〜)と、大人買いしてもお財布に優しいプライスです。

〈Ji Xiang Ang Ku Kueh(ジー・シャン・アン・クー・クエ)〉
■アクセス:MRT・East Wet Line(緑)またはNorth East Line(紫)「Outram Park」駅から徒歩約3分
■Block1 #01-33 Everton Park, Singapore 081001

2.個人的に一番のパンダンシフォンケーキ!〈Bengawan Solo〉

続いてはパンダンケーキ。この鮮やかな緑色の正体は、パンダンリーフによるもの。東南アジア一帯でお菓子や料理に使用される植物で、独特な甘い香りを持つことから東洋のバニラと呼ばれます。パンダンリーフを使ったパンやお菓子は、街のいたるところで見つかりますが、個人的には〈Bengawan Solo〉のパンダンシフォンケーキがいちばん!!

〈Bengawan Solo〉は、1970年代、自宅のキッチンで細々とお菓子づくりをはじめました。国内40店舗以上となったいまでも、保存料等を一切使用せず、創業当時の製法を守っているのだそう。丁寧に作られた同店のパンダンシフォンは、パッケージを開封した瞬間に鼻腔をくすぐるほど、豊かなパンダンリーフの香り。ほどよい甘さと、空気かと思うほどの軽い食感です。

〈Bengawan Solo(ベンガワン・ソロ)〉
■アクセス:MRT・North South Line(赤)「Orchard」駅または「Somerset」駅から徒歩約3分
■391A Orchard Road, #B207-2-2 Takashimaya(Ngee Ann City), Singapore 238873 ※Changi Airportのターミナル1・3、空港隣接のショッピングモール〈Jewel Changi Airport〉など、国内に複数店舗あり

3.ローカルの友人に教わった〈Beancurd City〉

中国や台湾、マレーシアなどで食べられる豆花は、シンガポールでも親しまれています。豆乳プリンのようなもので、台湾では小豆などをトッピングするのに対し、シンガポールでは蜜をかけるだけのシンプルなスタイル。

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〈老伴豆花〉を筆頭に名だたる豆花屋はいろいろあるのですが、わたしはローカルの友人に教わった〈Beancurd City〉に通っています。店主が10年以上かけて改良を続けたオリジナルレシピだそうで、豆乳の味と香りがダイレクトに伝わる豆花に、さらりとした甘さのシロップをかけていただきます。すっきり食べられて、気温も湿度も高い日にぴったり。時間が経つと豆花が柔らかくなりすぎる気がするので、出来立てをいただくのがベター。

〈Beancurd City(ビーンカード・シティ)〉
■アクセス:MRT・Downtown Line(青)「Jalan Besar」駅から徒歩約2分
■133 Jalan Besar, Singapore 208851

4.ハーブがふんだんに入ったデザート、亀ゼリー。〈Original Herbal Shop〉

最後は、亀ゼリー。もともとは亀の甲羅から採取した成分を配合していたことから亀ゼリーと呼ばれています。オーガニックコスメに詳しい友人が、ハーブがふんだんに入ったデザートが食べられるよ、と教えてくれたのが〈Original Herbal Shop〉。

マンゴーサゴやナッツペーストなどもありますが、代表メニューは亀ゼリー。香港から取り寄せたハーブを低温で長時間かけて抽出したエキスを用いたゼリーで、そのまま食べると、とっても苦い(食後1〜2時間、口内にチリチリとハーブ感が残るほど)。なので、お好みでシロップをかけてどうぞ。スタンプカードの裏に薬効が書かれているのですが、食べずとも見ただけで健康になれそう。常連さんが「やあ」と手を挙げただけで、着席と同時にスタッフがサッと提供する、なんて光景もしょっちゅう。街の人から愛されているお店です。

〈Original Herbal Shop(オリジナル・ハーバル・ショップ)〉
■アクセス:MRT・North South Line(赤)「Novena」駅から徒歩約13分
■414 Balestier Road, Singapore 329806

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