まちをつなげるパン屋さん by Hanako1188 花屋、カフェも併設!人気ベーカリーのシェフによる新しいパン屋、三軒茶屋〈ジュウニブン ベーカリー〉へ。 LEARN 2020.09.06

パンラボ・池田浩明さんによる、Hanako本誌連載「まちをつなげるパン屋さん」を掲載。新しい生活様式の導入とともにパンをめぐる景色も変化してきました。そこで今回は、人気ベーカリー〈365日〉の杉窪章匡シェフが放つ新しいパン屋〈ジュウニブン ベーカリー〉をご紹介します。

パンへの情熱が波及し、コーヒーや花の世界へ。

人気ベーカリー〈365日〉の杉窪章匡(すぎくぼあきまさ)シェフが放つ新しいパン屋には、花屋も併設されている。それはどのように誕生したか?お菓子を作るスタッフが元花屋であることを知った杉窪さんはこう言ったという。「パン屋が花屋さんといっしょだったら素敵じゃない?」そんなふうに、杉窪シェフは、自分の夢=みんなの夢をやすやすと実現していくように見える。

看板商品の風船パン320円。超しっとり、ふわふわ、ぷるぷる、バターリッチ。パッケージもうつくしく、手土産でもらった人の笑顔が見えるようだ。
看板商品の風船パン320円。超しっとり、ふわふわ、ぷるぷる、バターリッチ。パッケージもうつくしく、手土産でもらった人の笑顔が見えるようだ。

なにしろ、杉窪さんが最初の店〈365日〉を立ち上げてから、まだ7年しか経っていないのだ。当時、こう語っていた。「日本のいい食材を使って、おいしいものを作って、全国に店舗を作りたい。いい食材を使えば、食べた人も元気になるし、農業も元気になる。ゆくゆくは自分でオーガニック農業もして、最終目標は世界平和」耳を疑うほどの大きい夢だったが、未来は、予言した方向へと確実に動いてきた。〈365日〉は大人気、プロデュース店を全国に展開、たくさんの生産者から素材を購入。のみならず、その影響は本人以外のところへも波及、国産小麦でパンを作ることや、既製品ではなくおいしい素材でハムなどの具材を自家製することも当たり前になりつつある。

パンを買った後は2階のカフェを訪れて。〈二足歩行 coffee roasters〉

そして、直営店では5店舗目となる〈ジュウニブンベーカリー〉が、5月にオープン。2階の〈二足歩行 coffee roasters〉と合わせ130坪の大箱だ。パンにサンドイッチ、花、生菓子に焼き菓子、2階では、ハイクオリティな料理、エチオピアから取り寄せた豆を杉窪シェフ自ら焙煎…なんて多才なんだ!「ローズ」という名のジャムパンにちらした花びらは、自家菜園で栽培。杉窪さんは多摩の〈ウルトラファーム〉へ通い、畑仕事に汗を流している。でっかすぎる夢だと思ったけど、着実に実現していっているではないか!次の夢は、自然がいっぱいの畑に併設したベーカリーカフェを作ること。この分なら、実現するのは意外と近そうだ。

〈ジュウニブン ベーカリー〉

〈ジュウニブン ベーカリー〉

〈365日〉杉窪章匡シェフが放つ最新の店は、ベーカリー、花屋、パティスリー、雑貨店を兼ねる。パティシエとしての経歴をいかんなく発揮したケーキも充実。
■東京都世田谷区三軒茶屋1-30-9 三軒茶屋ターミナルビル 1F
■03-6450-9660
■9:00〜19:00 不定休

〈二足歩行 coffee roasters〉
〈ジュウニブンベーカリー〉の2階にはカフェ。大型の焙煎機で杉窪章匡オーナー自らが焙煎。豆の個性を生かし、徹底した温度管理で最高の一杯を提供する。料理は〈サーモンアンドトラウト〉の森枝幹シェフが監修。平日は1階のパンを持ち込み可。
■東京都世田谷区三軒茶屋1-30-9 三軒茶屋ターミナルビル 2F
■03-6450-9737
■10:00(土日祝9:00)〜18:00(17:00LO)不定休
■40席/禁煙

池田浩明(いけだ・ひろあき)/パンラボ主宰。パンについてのエッセイ、イベントなどを柱に活動する「パンギーク」。著書に『食パンをもっとおいしくする99の魔法』『日本全国 このパンがすごい!』など。 パンラボblog

(Hanako1188号掲載/photo:Kenya Abe)

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