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2019.12.08

第12回 まちをつなげるパン屋さん by Hanako1179 群馬の隠れ家ベーカリー〈Rinascimento Cafe〉へ。ひたむきに作り続けた魂の“おいしいパン”を求めて。

パンラボ・池田浩明さんによる、Hanako本誌連載「まちをつなげるパン屋さん」を掲載。今回は、群馬県藤岡市にある〈Rinascimento Cafe〉をご紹介します。

ひたむきに作り続けた魂の〝おいしいパン〞。

追い詰められた崖っぷちで、全身全霊をかけて作る。松本正廣さんのパンから感じるのは、そんな職人だけが込められる精神性だ。

店舗さえ持っていなかった。前身の〈リンカフェ〉時代、作ったパンをキッチンカーにのせ、自ら売りに出かけた。畑の真ん中に車を停めてみるが、待てど暮らせど客は来ない。怪しまれながら、通りがかりの人に声をかけ、パンを食べてもらう。作ったパンは売れ残り、ほぼそのまま持って帰る。そんな希望もない毎日。移動販売に見切りをつけ、自宅の敷地に自分で店舗を建てようとするも、建築許可が下りず、1年以上中断。その間、厨房の窓からパンを売っていた。

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Google Mapでもたどり着けないほど難解な場所で、異常にうまいパンを売る人がいる。そんな評判が少しずつ広がり、パンを気に入った客の中に助けてくれる人がいて、店舗が完成。〈リナシメントカフェ〉をようやくスタートさせた。

レーズン種、ヨーグルト種、ルヴァン種。3種の自家培養発酵種と国産、仏産小麦を使用、二晩の熟成を経て作りあげるバゲット各370円。気合の一品。
レーズン種、ヨーグルト種、ルヴァン種。3種の自家培養発酵種と国産、仏産小麦を使用、二晩の熟成を経て作りあげるバゲット各370円。気合の一品。

パンの森をさまよい続ける。パン酵母(イースト)は使わず、発酵種を自分で育てる。その数7種。どの種を使うか、どの小麦粉を使うか、どんな発酵をとるか。昨日より今日、少しでもいいパンを、と試行錯誤を繰り返す。「パン作りって毎日単調な作業。その中で、100回に1回、1000回に1回、『これは!』と思うものを見つけることがある」

パン売り場と、店主の松本さん。
パン売り場と、店主の松本さん。
左:「コッペオザマンド」220円、右:「パンオティエ~MACCHA~」1,000円は季節限定商品。ほかにも、ロデヴやカンパーニュなど、ハード系で勝負する。
左:「コッペオザマンド」220円、右:「パンオティエ~MACCHA~」1,000円は季節限定商品。ほかにも、ロデヴやカンパーニュなど、ハード系で勝負する。
カウンターで、パンの作り手である松本正廣さんと会話しながら、パンとコーヒーを楽しむスタイル。
カウンターで、パンの作り手である松本正廣さんと会話しながら、パンとコーヒーを楽しむスタイル。
パン・ド・ミ使用の「厚切りトーストプレート」500円、ハンドドリップコーヒー360円。
パン・ド・ミ使用の「厚切りトーストプレート」500円、ハンドドリップコーヒー360円。

〈Rinascimento Cafe(リナシメントカフェ)〉

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店主渾身のパン、サンドイッチ、コーヒーを静かに楽しむ小さなサロン。自家培養発酵種をいくつも組み合わせ、風味のハーモニーを作り出す。持ち帰り可。
■群馬県藤岡市立石1461-1
■0274-37-1083(群馬県藤岡市)
■10:00~16:00(カフェは15:00LO)日木休 
■10席/禁煙

池田浩明 いけだ・ひろあき/パンラボ主宰。パンについてのエッセイ、イベントなどを柱に活動する「パンギーク」。著書に『食パンをもっとおいしくする99の魔法』『日本全国 このパンがすごい!』など。 パンラボblog

(Hanako1179号掲載/photo:Kenya Abe)

☆前回のパン屋さん〈nichinichi〉はこちらから。

編集部
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