「東京マラソン2023」ランナーレポート! わたしが「東京マラソン」を走った理由~働く女性の転機のカタチ~ HEALTH 2023.03.22PR

3月5日、パンデミック以前と同規模の約38,000人のランナーが参加し、4年ぶりに本格開催となった東京マラソンで東京の街は大いに盛り上がりました。ランナーの数だけそれぞれの思いとドラマがありますが、そんな参加者の一人である河越理沙さんは、妊娠・出産を経て挑んだ一般市民ランナー。体力の低下を感じ、練習時間の確保に苦労しながらも、母となって初のフルマラソン出場となった緊張の「東京マラソン 2023」。当日の河越さんに密着しながら、走る喜びについて教えてもらいました。(PR/東京マラソン2023)

東京がひとつになる日!今年も「東京マラソン 2023」が開催

2007年に始まった「東京マラソン」はプロのアスリートと市民ランナーが参加するフルマラソンのほか、車椅子レース、ジュニア&ユースロードレースなどの多彩な種目が実施されているアジア最大級のロードレース。日本におけるランニングブームの火付け役ともいわれており、年々、参加希望者が増加。2020年から2022年までは新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに規模縮小や延期などが続いていたが、ついに今年、4年ぶりにパンデミック以前の規模で開催が実施され、権利移行や高い応募倍率をくぐり抜けたランナーたちが東京の街を駆け抜けた。

わたしが東京マラソンを走る理由~河越理沙さんの場合~

_Z9D7058

参加者の一人、河越理沙さんは長野県に暮らす一般市民ランナー。ランニングを始めたきっかけがなんと東京マラソンだったそう。

「2015年、会社の上司が東京マラソンに出るというので応援に行ったんです。マラソンなんて自分には縁がないスポーツだと思っていましたが、フィニッシュ後、達成感に満ち溢れた上司の顔を見ていると私も走ってみたいなと思うように。また、その上司が『フルマラソンを完走したら人生変わるよ』と話していたのが、なんとなく頭に残っていました。

その後、偶然立ち寄った本屋で前々から気になっていたトライアスロンの本を手に取ったところ、『努力すれば誰でもできるスポーツ』と書かれていて、たしかにそうだな、と。ちょうど体を動かしたいと思っていたタイミングだったので、トライアスロンの体験会に参加して、ランニングもスタートました」

トライアスロンに挑戦しようと思うなんて、河越さん、もともと運動能力がものすごく高いのでは…!?

「いえいえ!(笑)。中学・高校はバスケ部でしたが、強豪校ではなかったですし、社会人になってからは武道を少ししていたくらいで。でも、周りで走っている人を見ていたら、みんなエネルギッシュで輝いていて。トライアスロンにはロングという走行距離が長い種目があって、ランはフルマラソンを走るんですね。『いつかロングに出るならフルマラソンを走っておいた方がいい』と先輩から聞いて、そういうものなのか、と。当時は5kmも走れなかったのですが(笑)。フルマラソン走れるようにと、週2、3回ランの練習を続けました。2016年、地方の大会にエントリーして、無事完走。一応4時間を切ることはできたけれど、一緒に走ってくれた先輩のおかげでもあったので、翌年、2回目のフルマラソンに一人で挑戦。目標のサブ4(4時間切り)を達成できました」

2度のフルマラソンを体験して、東京マラソンへの思いはさらに募ったそう。
「地方のレースは沿道に応援の方がいないところもあります。それと比べると、東京マラソンは沿道の観客が途切れることなく、声援も熱量が高い。走った方の感想を聞いても『常に温かい応援が届いてとても楽しかった』とよく聞きます。ランナーにとって、応援があるとないとでは全然違うんです。どんなに苦しくても、ここぞという時に力が湧く。やっぱり一度は東京マラソンならではの熱気を感じながら走りたいなと思いました」

ただし、応募倍率が高いことでも知られる東京マラソン。出場権を手にすることはなかなか難しい。河越さんも何年も応募を続け、念願の「東京マラソン2020」に当選!けれど、喜びも束の間、コロナ禍で大会が中止に。
「当時はマラソン大会がキャンセルになるなんてほとんどないことだったので、ものすごくショックでした。また走れるようになる日は来るのかとランナーとしては不安な気持ちに。でも、あまり思い詰めないように、淡々と練習をこなしていました」

その後、プライベートでも変化が。妊娠・出産を経て、ママになったのだ。「東京マラソン2020」で獲得していた出場権を持ち越し、2022年ではなく、2023年の出走を選択。3年越しに夢を叶えることに。

「当初はワクワク感が強かったのですが、体力の低下は著しく、産後1、2ヶ月は2、3kmの距離を走るのがやっと。ちゃんと走る練習ができるようになったのは11月に入ってから。平日は夫にランチタイムに一時帰宅してもらい、約1時間のランニング。週末のどちらかは長時間夫に子供を見てもらって、長距離を走る練習を。産後は時間の確保も夫と協力し合いながらなんとかやっている感じです。フルマラソンの大会自体も久しぶりなのでとても緊張していますが、目標はサブ4を達成すること。でも、本番までのトレーニングも含めて今は楽しみたいなと思っています」

河越さん、初の「東京マラソン2023」に密着!

©東京マラソン財団
©東京マラソン財団

大会前日、受付のために東京ビッグサイトを訪れた河越さん。その時すでに他の大会とは違う雰囲気を感じたそう。
「受付前にものすごく長い行列ができていて、改めて規模の大きさを実感。そして、出場者以上にたくさんのボランティアスタッフの方がいて、こんなにたくさんの人に支えられているんだなと感じました」

そして、大会当日。号砲が鳴り響き、レースがスタート!
「私は先頭集団からずいぶん後方のEグループにいました。号砲からスタートラインを切るまでに7分ぐらいかかって、そこでも人の多さに圧倒されました(笑)」

当日応援に来ていた夫と娘を発見し、笑顔がこぼれる。
当日応援に来ていた夫と娘を発見し、笑顔がこぼれる。
「応援者が目立つ服を着ていたり、ランナーの名前を呼びかけると気付きやすいです」
「応援者が目立つ服を着ていたり、ランナーの名前を呼びかけると気付きやすいです」

「今回参加したランナーの約3割が海外の方だそうで、国際色の豊かさを感じました。また、沿道の応援も海外の方が多くてびっくり。外国の方々はテンションが高く、声も大きい。ランナーとも気軽に掛け合いをしていて、それを聞いているのが面白かったですね。それに、走っていると沿道の人の顔が結構見えるんですよ。夫や仲間の顔を発見すると嬉しかったですし、意外な友達の顔も発見したりして(笑)。楽しい雰囲気って伝わるもので、きっと沿道の人の中には偶然近くを通りかかって、大会の雰囲気に引き込まれて、応援されている人も多くいたんだろうなと思います。賑やかな声援の中で走れるのがすごくうれしかったです」

集中力が切れそうになった時はとにかく自分の呼吸に集中したそう。
集中力が切れそうになった時はとにかく自分の呼吸に集中したそう。

レース中、予想外のことも起きたという河越さん。

「スタート前にトイレに行くつもりが、長蛇の列が途切れず断念。トイレが混むとは聞いていたのですが想像以上でした。それで、レース中2回トイレに行くことになって、大幅にタイムロスしてしまいました」

37km地点。この時は目標タイムにフィニッシュできるかちょっと不安だったそう。
37km地点。この時は目標タイムにフィニッシュできるかちょっと不安だったそう。

「コースが広いのが東京マラソンの特徴でもありますが、その分、給水所に立ち寄るまでの距離もある。ランナーも多いので、人をかき分けて給水ポイントに行くのは結構大変です。だから、私の場合は経口保水ゼリーなどを携帯して、なるべく脱水しないように工夫しました。中盤で体力がなくなりかけて、もしかしたら目標タイムに間に合わないかもと思いましたが、38km地点で時計を見てみると、いけるかも!と希望が見えてきて、そこでペースアップしました」

フィニッシュゲート前にはたくさんの報道陣が待ち構えるのも東京マラソンならではの光景。
フィニッシュゲート前にはたくさんの報道陣が待ち構えるのも東京マラソンならではの光景。

たくさんのエールを受けながら、最後の力を振り絞り、ついにフィニッシュ!ネットタイムはなんと3時間55分。無事、目標を達成した。

東京マラソンを走り終えて…

応援ベースでで夫と娘と完走の喜びを分かち合った。
応援ベースでで夫と娘と完走の喜びを分かち合った。

3年越しの夢だった東京マラソン出場を果たした河越さん。
「実際に走ってみて、これほど祝祭感に溢れた国際色豊かなレースってないなと。走る前は緊張していましたが、沿道の応援は常にハッピーなマインドに溢れていて、その中で走れることが純粋に楽しかった。苦しい時間もありましたが、コースは平坦な道がほとんどで制限時間も長く、完走率は90%以上。初心者にも優しい大会だと思います。私も機会があったらぜひまた走りたい。そのためにもまた日々の練習を続けたいですね」

「娘が大きくなって一緒に走れるようになったらうれしいです」。
「娘が大きくなって一緒に走れるようになったらうれしいです」。

最後に、河越さんがマラソンに出会って変化したことを聞いた。
「心身ともにポジティブになりました。走る前はちょっと面倒だなぁと思うこともありますし、走っている間は苦しいこともある。でも、終えた後、必ず走ってよかったと思える。社会人になって定期的な運動習慣が身についたこともよかったです。長年、長時間のデスクワークで肩と首の凝りに悩まされていたのですが、それも改善しました。日常的に汗をかくことで、よく眠れるようにも。また、出産してからは走る時間が貴重な一人の時間になっています。

最初は少しの距離しか走れなかったものが、続けるうちに着実に長く走れるようになったり、タイムを縮められるようになったり。そうした小さな達成感の積み重ねが心にも作用してくれている気がしていて、それがあるから続けられているだろうなと思います。また、レースに出ることで得られる喜びもある。私自身、マラソン大会の応援に行って、その楽しい雰囲気に魅了されました。応援する側とされる側、両方の気持ちがわかるので、ランナーとして走る時はいつも『ありがとう』と感謝の気持ちが自然と湧き上がるんです。そうすると、自分も元気になる。エールの交歓ができることが、走る喜びであり、楽しさですね」

次回、東京マラソン2024は3月3日(日)開催予定。
東京マラソン財団では、毎年10月に「東京レガシーハーフマラソン」を開催しています。まずは、ハーフマラソンから参加してみては?

photo:Miyu Yasuda Hikari Koki text:Mariko Uramoto

Videos

Pick Up