ほっと落ち着ける“my 食堂”を見つけたい! 空間や器にもセンスが光る!女子のひとりごはんにおすすめしたい、おいしい食堂2軒 FOOD 2018.06.01

ひとりごはんこそ、バランスのよい定食が食べたいもの。その上訪れる度に心落ち着けるような食堂があったら…料理はもちろん、空間や器にもこだわったおいしい食堂をご紹介します。

1.〈檸檬の実〉/千駄木

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ややもすると通り過ぎてしまいそうな、下町の路地に溶け込む佇まい。だが、古い木造住宅を改装した食堂〈檸檬の実〉にたどり着いた人は皆、心もお腹も満たされてにこやかに家路に就く。そんな心地よい「気」が満ちる小さな店の中心は、カウンターに囲まれたL字型のキッチンだ。

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明るい声の店主、イダマイコさんの聖域といえるこのキッチンから、毎日1種類の日替わり定食、焼きたてのシナモンロールやクッキー、ナッツやフルーツ入りのパンが次々と出てくる。

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日替わり野菜料理は安納芋の茶巾しぼり、紫タマネギのバルサミコソテー、春キャベツとキャラウェーのマリネ。菜の花をのせたネギとタマネギ入りのつくね焼きと、白味噌風味のウドとレタスのサラダ。ハーブやスパイスを上手に使い季節感あふれる風味。

店内にメニューはないが、お喋りしながらも手を休めないイダさんが丁寧に説明してくれる。カウンター周りの季節の花々、本、スパイスを眺めれば、主人の人柄や料理の味まで伝わるような雰囲気は唯一無二。ひとりで切り盛りするから、お客ひとりひとりに温かな料理が作り出される。常連客の多さも納得の、また帰りたくなる場所だ。

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〈檸檬の実〉
日替わりの定食は1,200円。手作りのパン各種は希望のドリンクとともに店内でも、テイクアウトも可。料理教室や展示会も開催している。
■東京都文京区千駄木2-28-9 
■090-1612-5420
■12:00~18:00(15:00LO)、19:00~22:00(土日のみ) 月休 
■6 席(ほか、4名以上の予約なら2階席も)/禁煙

2.〈食堂まきの〉/中目黒

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日常の贅沢は、押しなべてシンプルなもの。それを思い起こさせるモノ選びに徹しているのが〈食堂まきの〉だ。木の風合いが清々しいカウンターやテーブル、座り心地のいい北欧デザイン〈カール ハンセン&サン〉のYチェアが白い漆喰の壁の店内に映える。割烹のようなシンプルで気合の入った内装の店が、食堂の定番料理を出すから、新しい。

中目黒 食堂まきの

彩りも美しく、薄めの味付けがうれしい肉じゃが。ポテトサラダとラタトゥイユを添えた生姜焼き。どちらも日替わりの小鉢2品(梅風味の筍、スナップエンドウと菜の花の辛子和え)とご飯、味噌汁付きの定食で1,100円~。

そのエスプリは器にも。肉じゃがは〈ストウブ〉の鋳物鍋で熱々を卓上に届け、盛りのよい豚の生姜焼きは〈ロイヤルコペンハーゲン〉の白いディナープレートに盛りつける。

人気の定番、肉じゃがを供す小サイズの〈ストウブ〉の鋳物ホーロー鍋が並ぶカウンター。
人気の定番、肉じゃがを供す小サイズの〈ストウブ〉の鋳物ホーロー鍋が並ぶカウンター。

人気の定番、肉じゃがを供す小サイズの〈ストウブ〉の鋳物ホーロー鍋が並ぶカウンター。

湯のみや急須も〈ロイヤルコペンハーゲン〉製。
湯のみや急須も〈ロイヤルコペンハーゲン〉製。

湯のみや急須も〈ロイヤルコペンハーゲン〉製。

ほか、ビールの旨さが際立つ〈木村硝子店〉の薄グラスなど、オーナーの槇野健さんが選ぶ器でいただく料理は目にも新鮮な上に、定番料理が一段とおいしく感じられるから不思議だ。「普段の料理こそ、いい器で」。そのこだわりに、時代の食堂の姿が垣間見える。

〈食堂まきの〉
ガラス張りの明るい店は通りから様子が見えて入りやすく「仕事帰りに一杯飲んだり、ごはんを食べたり」と、働く30代の女性の需要をイメージ。16:30~18:30はハッピーアワー。
■東京都目黒区中目黒5-1-17 高田邸1F 
■03-6303-3622
■12:00~15:00(14:30LO)、16:30~21:00(20:30LO) 不定休 
■15席/禁煙

(Hanako1156号掲載/photo : Ayumi Yamamoto text : Chiyo Sagae)

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