はじめて来たはずなのに、懐かしい。 まるで昭和ヒットパレード!〈お酒と料理 えいよう〉で、懐かしくて美味しいひとときを過ごそう。 FOOD 2018.04.09

世の中のデジタル化が進む一方で、古き良きものに価値を見出す人がいる。時を経て、味が増した〝モノ〞が集まる酒場〈お酒と料理 えいよう〉には、心がふわっとなごむ空間に仕上がっていました。

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手塗りのモルタルの壁に、店内に灯る平電笠の照明、布を張り替えた昭和時代の椅子、古材のカウンターの上にずらりと並べられた器たち。ここにあるのは店主の清水峰夫さんが自分の手で少しずつ集めてきたモノばかりだ。

「収納するスペースがなくって(笑)」という器たちは、カウンター上に並べることで味のあるインテリアの一部に。

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もともと明治や昭和に作られた日本のアンティークに興味があったという清水さん。「時を経たモノにしかない味がある」と、自身の店をオープンする前から古道具や器の店を回り、気に入ったモノを買い集めていった。

写真は、〈えいよう〉のスタッフでガラス作家の池谷三奈美さんが作った箸置きと器。

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華美ではないけれど味わい深い料理を、と決めている。手書きのメニューにはおでんや旬の魚、野菜をたっぷり使った料理が並ぶ。

「いちごと干しいちじくとほうれん草の白和え」700円は、現代作家の小野象平さんの器で。「だしまき卵」750円

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器は西荻窪の〈魯山〉や吉祥寺の〈PukuPuku〉で買い求めることも多い。器は現代作家のものも扱い、料理が一番映える皿にさりげなく盛りつける。

「大根と自家製こんにゃくと厚揚げの煮物」750円。幕末から明治初期にかけて作られたという器で提供。

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店主のお気に入りはRCサクセションや細野晴臣、大瀧詠一、荒井由実etc…。営業中のBGMとして曲をかけることもしばしば。日本酒を飲んでほろ酔い気分の心に、昭和を代表する名曲がやさしく、懐かしく響く。

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インテリアも器もすべてが調和しているのはモノを慈しむ店主の心があるからこそ。そして、その思いがこの店の温かく懐かしい雰囲気を生み出しているのだ。旬の食材を使った体にやさしい料理を食べ、日本酒を飲みながらゆったりと過ごしたい。

(Hanako1152号掲載:photo : Satoshi Nagare text : Etsuko Onodera)

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